運送会社さんが起こしたトラブルに巻き込まれる。
耳にしたことはあるけれど我が身に降りかかるとは。。。
裁断ミスや後加工ミスや受注漏れエトセトラ。
小さな(?)トラブルがやむことがない日々ですが「まさかこんなビッグトラブルが年末に。。。」という日曜日でした。
少々気が滅入りますが、運送会社さんが真摯な対応をしてくれそうな感じですし我々もより丁寧かつ前向きに日々に取り組みたいと思います。
Go! LOUD GARDEN!
ところで。
「取り組む」といえば。
今日は久し振りに新作バンチブックのご紹介をします。
「年内に30回を!」と取り組んできたバンチブックのご紹介もいよいよ今回を含んであと2回です。
「トリ前」となる29回目の今日は某お取引先が某イタリアンミルとタッグを組んで生み出した華やかな色柄が特徴のブランドSabiellaがフューチャーされているバンチブックです。
このバンチブックはかなり個性的で、Sabiella以外にもErmenegildo ZegnaやCorduraのCombat WoolからドメスティックのストレッチTweedやWoolライクなPolyesterまで多岐に渡る素材がたくさんコンパイルされています。
Drapers by VBCと通常のVBCが同時にコンパイルされているのも面白いです。
普通は一緒になりませんもんね笑。
というかなり見所が多いバンチブックなのですが、今日はその中から特に僕が「おぉ!」と思った素材をご紹介します。
もちろんこのバンチブックの「ウリ」であるSabiellaは全マークご紹介します。
では、早速ご紹介を始めましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のバンチブックです。

「ウリ」なだけに、カヴァーにはSabiellaのロゴだけが刻印されています。
だけれど、冒頭はErmenegildo Zegnaというのもなんだかユーモラスです。
という訳で、そのErmenegildo Zegnaからご紹介をしていきましょう。
Ermenegildo Zegna

Ermenegildo Zegnaはこちらの6マークがコンパイルされています。
すべて人気シリーズ:Travellerの新作です。
Travellerはその名の通り移動や出張の多いビジネスパーソンに向けて開発された「優れた強撚糸使いによる反発力の強さ」に由来する「高い抗シワ性」と「抜群のシワ回復力」を誇るErmenegildo Zegnaのベストセラーボディです。
「シワになりにくい」「移動の多い方に最適」といったワードを至るところで目にする昨今ですが、その元祖に近い存在がこのTravellerです。
それが証拠に、僕はGIEVES & HAWKESのデザイン/企画をしていた頃(25年から30年くらい前の期間?)にイデアビエラやプルミエールヴィジョンといったヨーロッパで行われる新作素材の展示会へ頻繁に出かけていたのですが、その頃からTravellerはあったと記憶しています。
当時は「世界最高峰の高級毛織物産地」であるビエラ地区で高機能素材を取り扱っているミルはほぼ皆無だったのでは?と思います。
記憶に残っているのは、Trabaldo TognaのナチュラルストレッチとこのTraveller(とより歴史が古いHigh Performance)くらいです。
「そっち系」の素材はプラトー/プラート地区のミルがやる/得意という棲み分けがあったんですよね。
Ermenegildo Zegnaの高い先見性が垣間見えるエピソードではないでしょうか。
そうそう、Travellerで作ったスーツを愛用していたErmenegildo Zegnaを愛するダンディなT先輩が出張後に「岡ちゃん、Travellerはやっぱりいいわ!」とよく自慢していた旧き佳き思い出も蘇りました!
T先輩。。。元気かな?
まだ時々谷町四丁目駅近くにあったピーナツの殻を地面に落とすスタイルのジャズバーに行っているかな?
*色々と記憶違いがあったらすみません汗
いずれにしても、世界中のアパレル企業やテイラーが長きに渡ってフューチャーし続けている事実、つまり世界中のビジネスパーソンから長く支持されているという事実はTravellerが誇る機能の高さを明確に証明していると思います。
もちろんこの素材の素晴らしさは機能だけではなく、最上級原料しか使わないErmenegildo Zegnaならではの高い品質にもあります。
優雅な光沢、しっとりとした滑らかな肌触り、そして繊細な色柄とたくさんの魅力が詰まった逸品です!
ボディは2種あって、上4マークと1番下が100% Wool(300g/m)で上から4番目/5番目が100% Wool(260g/m)です。
Combat Wool


2022-2023 Autumn/Winterシーズンにオーダーメイドシャツおよびパターンオーダーラインのパンツ専用コレクションで1シーズンだけ展開されて人気を博した、そして僕も「ブルゾン風のオーヴァーシャツ + シャツ + ボトムス + マスク」のフォーピーススーツを作ったCoombat Woolが遂に通常(といってもこちらは少々変わり種ですけれど)のバンチブックに登場しました!
これは嬉しい!!
というのも。。。
パターンオーダーラインのパンツはリーズナブルで嬉しいものの意外と制約が多い/できないことが多いし、専用コレクション(の素材)を通常ラインで縫製しようとすると諸般の事情で「素材の移動」になかなかコストがかかるんですよね。
なので、「通常のバンチブックに入ってこないかな〜?」とずっと思っていたのですが念願が叶いました!!
プライスは最近激減している「Cランク」です!!
これまた嬉しい!!
Combat Woolは「アウトドアウエアやバッグで広く利用されている強靭なナイロン:CorduraブランドのPolyamide(=ナイロン)/コーデュラナイロン」を使用したテイラードウェア向けテキスタイルです。
具体的にはコーデュラナイロンをウール等の異素材と巧みにブレンドして織り上げられた「優れた引き裂き/摩擦/摩耗に対する耐久性」「軽さ」「ウールの風合いと快適性」等を誇る最新鋭素材です。
特に白眉なのはその耐久性で、例えば摩耗強度は一般的な100% Wool素材と比べた場合なんと約14倍にもなるそうです。
更に、引っ張りに対する強度は約2.1倍、引き裂きに対する強度も約1.5倍など極めて高いパフォーマンスを誇ります。
もちろんシワになりにくいイージーケア性も持ち合わせています。
加えて、ご覧の通り「それっぽくないナチュラルなルックス」も魅力、素晴らしいの一言な逸品です!
少々デニムっぽい「顔」の上3マークとクラシカルなSuiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)のような「顔」の下2マーク。
皆さんはどちらがお好きですか?
僕は上から2番目のブルーグレイと1番下のチャーコールグレイでボトムスを作ってみたいです。
どうせならパターンオーダーラインではできない遊び心あふれるデザイン/ディテイルで作りたいですね。
ガンガン着る前提のスーツなら下から2番目のネイヴィブルーで作っても「間違いない」と思います。
ちなみに、上から2番目のブラウンでは秋口にボトムスをご注文いただきました。
その画像が下画像のボトムスです。
素敵ですよね!
品質は上3マークが40% Wool + 35% Polyester + 25% Polyamide(270g/m)で、下2マークが50% Wool + 30% Polyamide + 20% Polyester(300g/m)です。
しかし。。。
Ermenegildo Zegnaに続くのがCombat Woolというセンス!!
サイコーですね。
Guabello

Combat Woolに続くのがGuabello、しかもSuper 150’sシリーズという。。。
強烈なギャップがなんともまた微笑ましい限りです。
Guabelloは1815年にビエラ地区で創業した「200年以上に渡って丁寧に紡いできた伝統技術」と「イタリア有数の大手ミル/企業Marzottoの傘下に入ることで得た先進テクノロジー」を巧みに融合し、毎シーズン高品質なモダンクラシック素材を多数リリースしている名門イタリアンミルです。
また、「素材本来が持っている雰囲気にこだわる」という強いポリシーが多くのメゾンに支持されていることでファッション業界内では有名なミルでもあります。
今回コンパイルされている新作は全て「BrioniやKitonも重用した/しているといわれるSuper 150’sシリーズ」です。
品質はすべて100% Super 150’s Wool(250g/m)です。
はい、オールシーズンタイプのボディです。
極上ボディに加えて繊細で色気のある色柄がとてもスタイリッシュではないでしょうか?
Super 150’sシリーズながら「Gランク」という比較的リーズナブルなプライスも魅力です。
僕はキレイなラヴェンダーカラーのピンストライプがなんとも高貴な1番上が気になります!
シックなダブルブレステッドスーツを作ってみたいです。
ライニングは残り1着分となって久しい “♡ Camo” Silk c/# GPしかないですね!
Guabelloは他に完全な無地2マーク(ネイヴィブルーとブラック)がコンパイルされています。
そちらも同じ100% Super 150’s Wool(250g/m)ボディです。
そういえば、僕が初めて作ったフランネルスーツはGuabelloでした。
あれは多分24歳の時だったと思うのですが、その風合いの素晴らしさに大満足した記憶があります!
きっとこの素材で作っても同じように大満足することでしょう。
作りたいです!
Sabiella




いよいよこのバンチブックの主役:Sabiellaが登場です!
デビューシーズンはこの11マーク展開です。
「たったの」11マークではありますが。。。
濃いですよね〜〜!
Darrow Daleに匹敵するくらいの濃さではないでしょうか?
そして、好きな人にはかなり響くのではないでしょうか?
ちなみに僕もそうです!!
かなり響いています。
特に上から2番目のボールドストライプとその下のビッグチェックが堪らなく好きです。
このバンチブックは比較的遅めに入荷したので自分用には購入しませんでしたが、今回ご紹介するにあたってじっくり見直したら「オールシーズンタイプのボディだしボールドストライプの1番下:ブラウンでスリーピーススーツを作ってもいいかも?」と思い始めています!
そして、「来シーズンも期待したい!」と思っています。
品質はすべて100% Wool(270g/m)です。
最後にドメスティックの注目株を!


上画像はSuper StretchシリーズのTweed(6マーク)とMelton(下2マーク)です。
品質は上5マークが50% Polyester + 49% Wool + 1% Polyurethane(330g/m)で、上から6番目が70% Wool + 30Polyester(330g/m)で、下2マークが80% Wool + 10% Viscose + 10% Acrylic(420g/m)です。
上から6番目のホームスパンはネップのカラーも◎ですし、この「Tweed感」でストレッチなのはいい!と思ったらそんなには伸びませんでした。。。笑
Super Stretchシリーズなのに。。。
でも、ストレッチ性は確かにあるので快適だと思います。
僕はこの素材の「Tweed感」および「抜け感」がすごく好きで、ゆったりサイズのバルマカーンコートを作ってみたいです。
一方、下2マークはメチャクチャ伸びます!
というか、この2マークは一見Meltonに見えますがJerseyです!!
かなりしっかりしたJerseyなのでボトムスもイケます。
僕はこちらなら上のライトグレイでジョガーパンツを、あるいはボトムスがイケるということはスーツもOKな訳ですから「上下セパレートしても着やすいデザイン」のスーツを作りたいです。
下2マークは超ハードな打ち込みが魅力のOvercoating(オーヴァーコーティング:オーヴァーコート向けテキスタイル)です。
品質は90% Wool + 10% Polyamide(580g/m)です。
かなりの太番手を使用しているので、そして上記の通り超ハードに打ち込んでいるのでウエイトはもっとあるようにも感じます。
頼りがいあふれる頑強な一生モノコートが仕上がること間違いなしのナイスOvercoatingだと思います。
いずれの素材もその素晴らしい品質に加えて「Dランク」という控えめなプライスも魅力です。
以上です。
他にも最近かなり希少性が高まってきているCorduroyやシックな国産Tweed、なぜか2マークだけのFratelli Tallia Di Delfino等々、いろいろな素材がコンパイルされているのでご来店の際にはぜひともじっくりとご覧ください!
2024/2025 Autumn/Winterシーズンのバンチブック紹介は残すところあと1回です!!
まだ未紹介のバンチブックが7冊ほどあるので1冊だけセレクトするのは難しいけれど。。。
他にもいろいろありますので予定通り30回で「打ち止め」とします!
最終回も乞うご期待ください。
18th. Dec. 2024
Ryoji Okada