日本時間の今朝S.Ohtaniがレギュラーシーズンのラストゲームに臨みました。
今シーズン最後の奇跡が起こるかもしれないので初回から生観戦したかったのですが4:10プレイボールなので断念、途中から観戦しました。
結局、最後の奇跡:三冠王は起きませんでしたが、それでも奇跡だらけの今シーズンでしたよね。
本当に感動の連続でした。
ぜひともポストシーズンでも躍動してWS制覇を成し遂げて欲しいです!
Go! OHTANI!
ところで。
「最後」といえば。
今日は9月最後の日です。
先週の火曜日だったかな?
このDiaryでも愚痴ってしまった(お目汚し失礼しました汗)通り、9月は厳しい商況にあります。
その時は要因のひとつとして(本当は絶対NGである)気候をあげましたが、涼しくなってきた先週も平日は絶不調でした。。。
やはり気候ではなく(カープのように)地力不足でした。。。
が、この土日は引き続きご来店こそ少なかったものの複数のご注文をいただけ最低限の目標に近いところまできました。
ご来店、ご注文くださった皆さまに改めてこの場を借りて心よりの御礼を申し上げます。
そして、あと1日あるので目標に到達したい!と意気込んでおります。
皆さまのご注文を心よりお待ち申し上げております。
でも、御礼とお願いばかりではなかなか目標になど到達できません。
という訳で、初志貫徹、己に与えたミッションをやり切ろうと思います!
はい、今月末までに10回を!というミッションを自らに課した新作バンチブックのご紹介です。
10回目の今日は、英国を代表するマーチャントグループであるHarrisons Groupが自慢のスペシャルファブリックを独自セレクトしたバンチブック/ブックレット:The Albumのvol.20をご紹介します。
vol.20には「HarrisonsのMasquerade 18マーク + H.Leeser & SonsのLumb’s Golden Bale 23マーク」がセレクトされています。
え〜っと。。。
昨日のErmenegildo Zegnaでかなり消耗したので、今日はマーク数は比較的少なめな新作をピックアップした。
正直、そういう側面もあります汗。。。
が、このブックレットは濃厚なので早くご紹介したい!と思っていたのも事実です。
素晴らしいコレクション/セレクションですのでご来店の際にはぜひともじっくりとチェックをしてみてください。
もちろんお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも引き続き絶賛承っておりますので、例えば「Tartanの下から2番目をもう少し分かりやすい画像で見れる?」とか「Velvetのワインレッドがすごくよさそうなので前回と同じデザインのジャケットを作っておいて!ライニングは提案して」とか「Lumb’s Golden Baleって本当にいい?」といったご要望やご質問がありましたらどうぞお気軽にお申し付けください。
では、早速ご紹介をはじめましょう!
今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のバンチブック(というかブックレット)です。
もう10年近く前になるでしょうか、W.Billを加えたHarrisonsグループは今やHarrisons、Lear Browne & Dunsford、H.Lesser & Sons、Porter & Harding、Smith Woollens、W.Billといったブランドを抱えているのですね。
壮観です!
こうなると一大勢力、というか、もはや最大勢力ですね!!
そして、「力」があるのは数だけではなくその内容もですからね、まったくもって素晴らしい限りです。
そんなHarrisons Groupのおすすめセレクションブックレット:The Albumの最新版vol.20には上述の通りHarrisonsとH.Lesser & Sonsの極上素材がフューチャーされています。
たたんだ状態でほぼA4サイズ、見開き4ページのブックレットです。
通常のバンチブックに比べてコンパイルされている素材サンプルの大きさは小さめなのですが、見開くと全マークを俯瞰で見られるのが好評です。
確かに見やすいですし、色柄を比較しやすいですもんね。
ではでは、全ページを個別に見ていきましょう!
今日も猛烈に熱い気持ちでご紹介します!!
Harrisons 2-1:Masquerade ①
Harrsionsは後のエジンバラ市長Sir George Harrisonによって1863年に創設された名門UKマーチャントです。
日本ではDormeuilやScabalに代表される本社がUKにないマーチャントの方が有名ですが、「アイコニックなレッドカヴァーのバンチブックで展開されるHirrisonsの高品質かつ豊富なヴァリエーションを誇るコレクション」は古くからSavile Rowのビスポークテイラー界隈で圧倒的な支持を集めてきました。
「最上級の原毛のみが最高級の素材を作り上げる」という哲学のもと、全工程において一切の妥協を排し生み出されるHarrisonsの美しい「作品群」は長きに渡り縫製に携わるプロフェッショナルたちを魅了しているのです。
その結果、ヨーロッパの王侯貴族を筆頭にした世界中のVIPたちから広く愛されることになり現在の地位を築きました。
GIEVES & HAWKESの日本におけるデザイン/企画のヘッドをやっていた頃/1995年頃から2000年頃は、頻繁にSavile Row 1番地にある本店(上階がヘッドオフィスになっていました)でミーティングをやっていたのですが、ビスポーク部門にお邪魔すると確かにレッドカヴァーが目立ったような記憶があります。
幼少の頃からカープを応援していたから目に付いただけという可能性もなきにしもあらずですが笑。
ともあれ、名門中の名門。
そして、上述の通り多くの名門マーチャントを束ねるリーダー的存在。
それがHarrisonsです。
「A WORKROOM時代にHarrisonsの看板素材:Frontierを日本(世界だったかも!?)で最も売った店」として表彰を受けたのもよき思い出です。
そんなHarrisonsのMasqueradeは仮面舞踏会という名前の通り、華やかなイヴニングシーン用のフォーマルウェア向けコレクションです。
意外なことに華やかなフォーマルウェア向けコレクションはHarrisons初だそうです。
が、しかし、「華やか」とはいえ、そこはある意味で質実剛健なHarrisonsです。
HFWのBash ⅡやHolland & Sherryのフォーマルコレクションに比べてシックです。
具体的には、ディナースーツ/ディナージャケット/トラウザースに最適なハイクオリティのVelvet、Tartan、Barathea/バラシアで構成されています。
LOUD GARDENに集ってくださる伊達者/粋人の「気品あふれるロックなイヴニングスタイル」に必ずや貢献してくれる逸品ばかりです!
こちらの6マークはTartanです。
品質は100% Wool (350g/m)です。
昨シーズンまでTartansというバンチブックも機能していた(A WORKROOM時代に支給いただいたバンチブックなのでかなり古いです)のですが、諸般の事情からあちらは廃止となりMasqueradeの1レンジとなりました。
という変化はありますが、ボディは以前と同じで「本物」のTartanです。
もちろん、made in Scotlandです。
皆さんはどのTartanがお好きですか?
僕のセレクションは続くイチオシで披露します!
Masquerade ①の「僕のイチオシ」は ↓こちら↓ です。
Tartanの象徴的存在でもあるBlack Watch(上から2番目)やPurple Watch(上から3番目)も間違いなく素敵です。
いつだって何かしらのアイテムを作りたいです。
が、しかし、2024年秋の気分はこのStewart Black Modernでした!
僕はこちらでクラシカルなワイドシルエットボトムスを作ってみたいです。
ライズ(股上)は深めで裾巾は30.0cmくらいにしたいですね。
そして、次に出てくるVelvetのオレンジで作ったジャケットと合わせたいです!
Harrisons 2-2:Masquerade ②
こちらはBarathea(左上2マーク)とVelvetのページです。
Baratheaの品質は100% Wool(400/430g/m)、made in Englandです。
ミッドナイトブルーがあるのがいいですよね〜!
Baratheaのミッドナイトブルーって絶滅危惧種ですから貴重です。
僕もクラシカルなフォーマルスーツを作るならこちらで作りたいですね!
Velvetの品質は100% Cotton(415g/m)、made in Italyです。
Bodegaの回でも書いたのですが、CorduroyやVelvet、Moleskinといった「ちょっと特殊なUKメイドのCotton素材」は、昨今需給バランスが著しく崩れています。
その要因のひとつがUKの織元事情にあります。
具体的には廃業や縮小を余儀なくされる織元が多いようで、made in Englandの特殊Cotton素材はなくなっていく一方です。
それが証拠に、Harrisons Groupも昨年まで「生きていた」VelvetとCorduroyのバンチブックが廃番となりました。
まあ、あれらのバンチブックもここ数年在庫がかなり怪しかった(ストックリスト上では在庫アリになっている品番が実際には在庫ナシだったなど)ので「時が来た」ということなのでしょう。
が、しかし、だとしても、いずれもがmade in Englandのしっかりした打ち込みの傑作コレクションだったので廃盤は本当に残念です。
という背景を経てリリースされたのが、こちらのVelvetです。
その情報を耳にした時は「made in Italyだとだいぶ風合いが違うだろうな」と思いました。
でも、このブックレットの入荷とともにその予想はよき意味で裏切られました。
さすがに従来のVelvetよりはソフトですが、かなりしっかりしているのです!
そして、made in Italyの極上品らしく毛並みとカラーの美しさが白眉なのです。
さすがはHarrisonsがコレクション展開しようと納得したVelvetですね!
これはちょっとしたヒット素材になる可能性がある!と思います。
Masquerade ②の「僕のイチオシ」は ↓こちら↓ です。
Baratheaのミッドナイトブルー、Velvetのワインレッドとパープルも「すごくいいな!」と思いましたが、今日の僕はこの中なら強烈にこちらのオレンジでジャケットを作りたいです。
具体的には「ピークトラペル + シングルブレステッド1ボタン + クラシカルフロントカット」といったフォーマルテイストあふれるデザインで作りたいです。
ライニングはオレンジが入ったロックなプリントがいいですね。
パーティにはそのジャケットと先ほどTartanで「イチオシ」したStewart Black Modernのボトムスを合わせて登場したいです。
絶対に目立てるぞ笑。
H.Lesser & Sons 2-1:Lumb’s Golden Bale ①
H.Lesser & Sons*は20世紀初頭の創業とマーチャント業界の中では比較的「若者」ですが、「最高の原毛をこだわり抜いて織り上げて最高の素材にしたい」という創業者の強い想いが身を結び短期間で数多の王侯貴族や名門テイラーから信頼を集め、世界最高峰のテキスタイルメーカーと呼ばれるまでに成長しました。
*エイチレッサー&サンズと読みます
我々の業界では、洒落者としても有名なチャールズ国王が最も愛するマーチャントとしても有名です。
現在はHarrisons Groupに入っていますがその強いこだわりは変わることがなく、Savile RowにおいてはHarrisonsよりH.Lesser & Sonsの注文㍍数の方が多いという話も耳にします。
また、Savile RowではH.Lesser & Sonsのコレクションを扱えるのは一流の証といわれた時期もあるそうです。
このLumb’s Golden Baleは、そんなH.Lesser & Sonsのアイコニックシリーズにして世界最高峰のSuting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)の誉れ高い逸品です。
Lumb’s Golden Baleは名門紡績会社Joseph Lumb & Sonsとの協業で生まれた「1年間にごく少量しか採取できない極上原毛をオーストラリアの優良原毛生産者から直接買い上げ、Joseph Lumb & Sonsが紡績を担い、Huddersfieldの名門ミルで特別に織り上げたThe Best Of The BestなSuitng」です。
Lumb’s Huddersfield Golden Baleとの異名も持つこの素材は肌に吸い付くような素晴らしい着心地を生み出すのが特徴で、English Suitingのマスターピースとして世界中で羨望を集めています。
「人類が作り出せる最高峰のクオリティレベル」という賛辞もそこここで目にするこのスーパースペシャルなロングセラー素材ですが、日本においては長くTaylor & Lodgeの代名詞的存在でした。
が、これには入り組んだ/ややこしいストーリーがあったようで、現在Lumb’s Golden Baleを名乗れるのはH.Lesser & Sonsのみです。
ちなみにですが、僕は今まで。。。
作ったことがありません。
が、方向感は違う素材ですがErmenegildo Zegnaの15 MilMil 15とともに「死ぬまでに1着は作る」と決めています。
それが、LOUD GARDENの15周年(迎えられるのか!?)なのか、僕の60歳なのかは分かりませんが必ず作ります。
こちらは、100% Wool(330g/m)のクリアカットボディです。
15 MilMil 15のように「触った瞬間にその素晴らしさが分かる!」というタイプの素材ではありませんが、最高の仕立て映えがすることは想像に硬くないです。
Lumb’s Golden Baleらしいクラシカルな色柄も◎だと思います。
Lumb’s Golden Bale ①の「僕のイチオシ」は ↓こちら↓ です。
これくらいの雲上素材なら「無地が間違いない」とは思います!
体型さえ変わらなければ一生モノですもの!!
が、今日の僕は「このページ中唯一のストライプ」に惹かれました。
僕はこちらならヴェリーイングリッシュなスリーピーススーツを作ってみたいです。
あまりギミックは入れずに仕上げたいですね。
でも、ライニングはド派手にキメたいです!
H.Lesser & Sons 2-2:Lumb’s Golden Bale ②
今シーズンから加わった肉厚にしてソフトなFlannel(右下4マーク)を含むLumb’s Golden Baleの2ページ目です。
Flannelは100% Wool(380/400g/m)、それ以外の7マークは100% Wool(340g/m)です。
左下2マークと右上1マーク:マットウーステッドも気になりますが。。。
やっぱりFlannelに心惹かれます!
皆さんはいかがでしょう?
と質問しておきながらアレですが。。。
この素材の素晴らしさは画像ではなかなかお伝えが難しいかもしれません。。。
でも、「世界最高の絶品Suiting = Lumb’s Golden Bale」なのは間違いありません。
ご来店の際にはぜひともこのThe Album vol.20を開いてみてください。
Lumb’s Golden Bale ②の「僕のイチオシ」は ↓こちら↓ です。
今シーズンはFlannenの逸品が数多いのですが。。。
これも作りたいですね。。。
先ほどのクリアカットと同じスリーピーススーツもいいですけれど、こちらならダブルブレステッドスーツを作りたい気がします。
もちろんこちらでもライニングは派手にキメたいです!
以上です。
マーク数は少ないですけれど、内容が濃厚なのでやっぱりかなりの時間と労力がかかりました。
が、しかし、だからこそ「やり遂げた感」があって気持ちがいいです!
新作バンチブックご紹介は来月中に20回を終えるべく明日以降も撮影・リサーチ・文章作成を頑張っていきます。
乞うご期待ください!
そして、本日のご注文をどうぞ何卒よろしくお願い申し上げます。
30th. Sep. 2024
Ryoji Okada