あっという間にWeek 10まで進んでいるNFLの2024-2025シーズンですが、王者KCが無敗の快進撃を続けています。
今シーズンは開幕前の下馬評があまり高くなく、開幕後の数ゲームを見た限りではP.Mahomesを筆頭にチーム全体の状態もそこまでよさそうではなかったけれどあれよあれよの8連勝。
今日3:00KOだった@DENにも快勝して連勝を更に伸ばしました。
RSでは調子が上がらなかったのにPlayoffsになると勝負強さを発揮してスルスルっと頂点までのぼり詰めるというイメージがあるKCですが、果たして今シーズンはどのようなシナリオが用意されているのでしょうか!?
NPBとMLBがオフシーズンに入りましたし、NBAは僕が応援している2チームともにスタートダッシュに失敗していますし、LOUD GARDENも泣きたくなりそうな厳しい状況にいますし(汗)、今月と来月の現実逃避と息抜きはNFL観戦とウエイトトレーニングですね!
という訳で、SNF:DET@HOUの好調チーム対決を観戦しながらウエイトトレーニングに励んできます!
なんとか今日から盛り返したいです。
Go! LOUD GARDEN!
ところで。
「シーズン」といえば。
2日連続で2024-2025 Autumn/Winterシーズン向けの新作バンチブックをご紹介します。
本当に厳しい商況ながら、いやそれだからこそ、今やれるべきことをキッチリと魂を込めてやることも大事だと思い、Diaryの中では最も労力を要する新作バンチブックのご紹介をしようと思った次第です。
こんな時こといつも以上に熱い気持ちで丁寧にご紹介します!
24回目の今日はイタリアを代表する名門ミル、現在最も勢いのあるイタリアンミル、毎シーズン斬新な新クオリティをリリースしているイノヴェイティヴなミル:Vitale Barberis Canonico(以下VBC)の新作です。
はい、2日連続のVBCです!
VBC単独のバンチブックは毎シーズン複数の仕入先から4冊~6冊入荷するのですが、2024-2025 Autumn/Winterシーズンは内容の濃ゆ〜い4冊を手配しました。
*他に様々なミル/マーチャントの素材がコンパイルされているJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)バンチブックにVBCの新作が混在している1冊があります
その中でも昨日ご紹介したAbito & Supersonicと今日ご紹介するFlanella, Giacca & Carpottoは特にスーパー濃厚な仕上がりですのでご来店の際にぜひともじっくりご覧になってください。
もちろん、引き続きお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っています。
気になる素材があってご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。
より精度の高い画像や動画をお送りするなどご来店なしでもご注文いただけるように工夫をします。
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちらのバンチブック↓ です。
タイトルのFlanella, Giacca & Carpottoはイタリア語で、これはつまりFlannel, Jacket & Coatという意味です。
はい、多様なFlannel、色鮮やかなJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)、マニアックなOvercoating(オーヴァーコーティング:コート向けテキスタイル)が「これでもか!」とコンパイルされている見どころ満載のバンチブックです。
昨日ご紹介したAbito & Supersonicとあわせて、これだけ多彩な素材を1社で展開している訳ですからすごいですよね!
続いて、そのすごさの片鱗をお伝えするためにも冒頭から全マークをご紹介していきます。
全部で71マーク。
少々長くなりますが、ぜひとも最後までお付き合いください。
*このタイミング(入荷後2ヶ月強)ですので既に完売した素材も複数出ていますが「全貌をお伝えしたい!」ということで全マークをご紹介します
Flannel 120’s
Worsted(ウーステッド:梳毛)のソフトFlannelです。
品質は100% Super 120’s Wool(270g/m)です。
次に登場するOriginal Woollen Flannelの方が古き佳きブリティッシュフランネルに近い本格派ですが、近年の気候ならこちらの方が着やすいかもしれません。
そして、近年の気候ならウォーム感も十分だと思います。
ちなみに、「着やすい」とは「クリアカット素材のスーツ/ジャケットと同じようなスタイリングで着こなしができること」と「この時期から春先近くまで着られる着用期間の長さ」を鑑みての表現です。
全14マークと広めの選択肢およびどれをセレクトしてもクラッシーかつダンディな1着が仕上がること間違いなしのモダンクラシックな色柄も魅力です。
個人的には上画像の下3マーク:チョークストライプがとっても気になりますが、繊細な「顔」が印象深い無地も「すごくいいな!」と思います。
Original Woollen Flannel
魅惑のWoollen(ウールン:紡毛)Flannelコレクションです。
品質は100% Super 100’s Wool(340g/m)です。
*無地の上3マークのみ少しヘヴィ:360g/mです。
僕も「いつか作ってみたい!」と熱望しているWilliam Halsteadの傑作Crown Flannelほどのハードさはありませんが、それでもヴィンテージ感あふれる素材感とVBCならではのラグジュアリーな質感は捨て難い魅力があります。
「Crown Flannelはハード&ヘヴィに過ぎるけれど、Flannel 120’sは少々物足りないかな?」という方が必ずいらっしゃると思うのですが、そういう方にはこちらを大オススメしたいです。
個人的にもすごく好きなボディです。
上3マークのチョークストライプでヴェリーイングリッシュなスリーピーススーツを作ったら素敵でしょうね〜!
と思う一方で、圧巻のヴァリエーションを誇る無地16マークの充実っぷりも素晴らしいと思います。
加えて、他の16マークよりややヘヴィなピースダイのニューカラー3マーク(無地の上3マーク)も極上の仕上がりですし、ホワイト無地があるのも見逃せませんし、イタリアンミルらしい美しいブルーグラデーションも見事の一言です。
これだけ充実していると、あれもこれも作ってみたくなって困るのですが笑。
イタリアンミルのコレクションからだいぶFlannelが少なくなっている昨今ですが、「最後の砦」としてVBCには引き続きこの調子で魅力的なFlannelを織り続けて欲しいです!
Woollen Suiting
やや太番手の糸を使用して少々ざっくり目に仕上げたWoollen Suitingです。
「我々が微起毛などとも呼ぶわずかにミルド(起毛)加工を施した温かみのある表面」「モダンなカラーリングで表現されたクラシック柄」「Woollen Suitingならではの芯を感じる頼もしい素材感」が三位一体となった傑作です。
ひとつ上でご紹介したOriginal Woollen Flannelにチェックがなかったのでちょっとだけ残念な気持ちがしたのですが、それは(かなり似ているけれど)よりスポーティなテイストが強いこちらのボディで展開しているゆえでした!
両者を見比べて/触り比べてみるとその意図には大いに納得できます。
品質は100% Super 100’s Wool(360g/m)です。
色柄もサイコーですよね!
皆さんはどのチェックがお好きですか??
僕は全マークを作りたいけれど、もちろんそれは不可能なので。。。
苦労して絞りました。
絞った1マーク(というか2マーク)は最後の「僕のセレクション」で明らかにします!
Wool & Mohair Flannel
昨日もご説明しましたが。。。
VBCの2024-2025 Autumn/Winterシーズンコレクションにはいつも以上にたくさんのウリがあるのですが、その中でも特に白眉なのがこちらを含めた「Mohairブレンド素材のカプセルコレクション:The Mohair Affair!」です。
メンズウエアにおいてはSpring/Summerシーズン向けのマテリアルという印象が強いMohairですが、ウィメンズウエアではニットウエア等で頻繁に使われることもありAutumn/Winterシーズン向けのマテリアルという印象の方が強いようです。
また、何度かこのDiaryでも書いた通り、今シーズン顕著な傾向としてLinenを活用したJacketingやShirtingが飛躍的に増えています。
Mohair以上にSpring/Summerシーズン向けの印象が強いLinenにしか出せない個性を追求してのことです。
このThe Mohair Affair!も似た考え方から生まれたコレクションです。
具体的には、ハードなタッチ、美しい光沢、独特のシャリ感、鮮やかな発色といったMohairが持つユニークかつエモーショナルな特徴・魅力をAutumn/Winterシーズン向けの素材でも表現したい!というシンプルにして新鮮な考え方です。
その代表選手が昨日ご紹介したAbitoの冒頭にコンパイルされていたWool & Mohair PrunelleとこちらのWool & Mohair Flannelです。
とはいえ、Wool & Mohair PrunelleとこちらのWool & Mohair Flannelはかなり方向感が異なります。
どちらかといえばMohairが誇るラグジュアリーさとリッチさを追求した前者とどちらかといえばMohairが持つワイルドさとハードさを追求したこちら。
どちらの方向感もスーパーナイスですが。。。
僕はこちらの方がより好きです。
それが証拠に。。。
夏場にこのバンチブックをプレゼンテーションする目的で問屋M社さんのWさんが僕を訪ねてくれたのですが、あまりの素晴らしさに「じゃあこれでジャケットを作りますわ!」と上から2番目のウインドウペーンで自分用の着分を購入しました。
そして、先月になってやっとのことで着分と仕様書とデザイン画を工房に送った際に「やっぱりスーツで着たい!!」と思いボトムス分の着分も購入しました。
完売していなくてよかったです汗。
という、僕がひと目惚れしたWool & Mohair Flannel!
「たったの4マーク展開というのが寂し過ぎる!」と感じるくらいの傑作です。
野趣味あふれるその肌触りは素晴らしい以外の何物でもありませんのでご来店の際にはぜひとも触ってみてください。
ジャケットやスーツはもちろん、コートにも◎だと思います。
品質は70% Wool + 30% Mohair(390g/m)です。
400g/m近いウエイトもいいですよね!
Shirt Jacket
鮮やかなカラーリングが自慢のShirt Jacketシリーズです。
シャツなのか?
ジャケットなのか?
このシリーズに限らずShirt Jacketというワードは少々「ややこしい」です。
ちなみにこちらはシャツで使われるような色柄であること、シャツっぽい軽快な仕立てのジャケットにピッタリな素材であることからその名前がつけられています。
例えばRedaのActiveのように実際にシャツ向けという訳ではありません。
でも。。。
シャツを作ってもカッコよさそうですよね!
そこそこウエイトがあるので縫製可能かは不明なのですが汗。
品質は100% Wool(310g/m)です。
極めてソフトな肌触り、ふわっとした表現のミルド加工、マットなトロピカル(平織)組織、そして鮮やかなカラーリングと楽しい特徴がてんこ盛りのゴキゲンな素材です。
ヴェストに使ってもよさそうですね!
Mouline’ Fancy Jacketing
Mouline’ Fancy Jacketing、杢糸を使用したファンシーなJacketingです。
品質は87% Wool + 8% Silk + 5% Linen(330g/m)です。
上述の通り、Autumn/Winterシーズン向けのJacketingにLinenをブレンドするという手法は今シーズンかなり顕著な「傾向」です。
数シーズン前からちらりほらりと出ていましたが、今シーズンはかなり定着した感じです。
そして、このトレンドは定番化するものと思われます。
だって、Linenをブレンドすると確かに味わいが出ますもの!
こちらも5%ですがLinenブレンドなので、さりげないナチュラルさやしっかりした素材感が楽しめる仕上がりになっています。
加えて、8%ブレンドされたシルク由来の優雅さも見逃せません。
もちろん、VBCらしい大胆で鮮やかで洗練を極めてカラーリングも見事です。
これだけ素晴らしい素材です。
Jacketをご注文にいらしたお客様にはJacketing専用のバンチブックをお見せしがちなのですが、こちらも忘れずご紹介しなければいけませんね!
Multicolour Semi Woollen Flannel / Textured Jacketing
引き続き個性あふれるJacketingがコンパイルされています。
上2マークはMulticolour Semi Woollen Flannelです。
品質は100% Wool(350g/m)です。
豊か膨らみを感じる素材感とモダンクラシックな色柄が魅力です。
下3マークはハードタッチのツイード:Textured Jacketingです。
文字通りにTextureな/表面変化のあるツイードですね。
品質は90% Wool + 10% Polyamide(440g/m)、「500g/mを超えていそうにも見えるふくよかな厚み」と「太番手糸と表面変化由来のハードなタッチ」が最高にカッコいい逸品だと思います!
ちょっとFerlaあたりを彷彿とさせる素材ですよね。
ジャケットはもちろんコートを作っても「間違いない」と思います。
キャスケットを作ってもイイでしょうね〜!
Covert 21μ
複数のマニアックなお得意様が絶賛してくださっている「21μ(マイクロン)とかなり太い原毛を使用したモダンレトロな21μシリーズ」の核をなすCovert 21μは、Covert Coat用の素材として有名なCovert ClothをVBCの威信をかけて再現した本格的なOvercoatingです。
Covert Coatは19世紀後半に狩猟や乗馬用のコートとして登場したといわれています。
が、GIEVES & HAWKESでは農夫が代々使ったコートと教わりました。
それ故に、作業で傷んだ袖先や裾をカットして使えるよう4本(あるいは5本)のレールドステッチが袖口と裾に施されているとも教わりました。
元々は貴族が狩猟や乗馬用に生み出して後々庶民にも広がっていった、つまり両方正解なのかもしれません。
デザインはチェスターフィールドコートに似た「ノッチドラペル + フライフロント + フラップポケット + センターヴェンツ」です。
合わせやすいデザインということもあるのでしょう。
現代でもイギリスでは一般的なコートです。
そのCovert Coat用の素材がこちらのCovert 21μです。
品質は100% Wool(440g/m)、しっかり打ち込んだゆえのハードなタッチが魅力の高い再現性を誇る超優良素材です。
最も本来のCovert Coatっぽいのは上から3番目のメランジグリーンです。
その次はグレイでしょうか。
いずれにしても、これだけ本格的でこれだけカラーヴァリエーションが豊富なCovert Clothコレクションはなかなかないと思います。
そういった意味でもとても貴重だと思います。
もちろんスーツやジャケット、ボトムスを作ってもすごく素敵だと思います。
Overcoating
Covert 21μ以外のOvercoatingです。
いずれも個性が際立った素材ばかりです。
1番上:92% Wool + 8% Polyamide(510g/m)のOvercoatingです。「クール&シャープなブラックベースのグラデーションカラーリング」と「約3.5cmとかなりワイドなヘリンボン」と「超太番手糸由来のしっかりとした素材感」が魅力の逸品です。
上から2番目:ブークレ糸をめいっぱい使ってニットのような柔らかで連続性のある膨らみを表現したBoucle’ Overcoatingです。品のあるブラウンも素敵ではないでしょうか。品質は98% Wool + 2% Polyamide(520g/m)です。
上から3番目:Semi Milled Double Faced Overcoatingです。品質は100% Wool(550g/m)です。名前の通りダブルフェイスで裏面はブラウン無地になっています。2枚の素材を縫い合わせるイメージでダブルフェイスを実現した極めて手間をかけた素材です。
下2マーク:Double Meltonです。品質は100% Wool(560g/m)です。こちらもダブルフェイスですが、Semi Milled Double Faced Overcoatingと異なり縦糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)の色使いを変えること等でダブルフェイスを実現しています。上は裏面がグレイ、下は裏面がブルーです。裏面はぜひとも店頭でご確認ください。
以上です。
めちゃくちゃ充実したエキサイティングなコレクションだったと思うのですが、いかがでしたか?
次に厳選に厳選を重ねてセレクトした「私のオススメ Best 5(Best 6が正しいかな?)」をご紹介します!
Woollen Suitingからは上2マークをセレクトしました。
この同ボディ・同カラー&異パターンの2マークを巧みに使って1着のスーツを作りたいです。
例えば。。。
上のハウンズトゥース:ジャケットのラペル・左右山袖・胸ポケット/腰ポケットとボトムスの前身頃
下のグレンチェック:ジャケットの上衿・身頃・左右下袖とボトムスの後ろ身頃
といった感じでしょうか。
あるいはアシンメトリーにしても楽しいですね!
もっとソンプルにグレンチェックでジャケットをハウンズトゥースでボトムスを作ってもいいかもしれません!
すごく作ってみたいです。
Wool & Mohair Flannelからはもちろんこちらをセレクトしました!
現在こちらで少々のミリタリーテイストが薫るダブルブレステッドスーツを作っています。
仕上がり次第このDiaryでご紹介しますので乞うご期待ください!
Shirt Jacketからはこちらをセレクトしました。
上述した通りヴェストを作ってもよさそうですよね。
もちろん正攻法で軽快な仕立てのジャケットを作っても「間違いない」はずです!
が、僕はこちらならややゆったりサイズのバルマカーンコートは作りたいです。
で、本当はいけないのですが、一度水洗いをしてクタっとさせたいです。
あるいはガウン風のロングジャケットがいいかな?
あれこれ想像しているのですが。。。
間違いなく「料理」のしがいがある素材だと思います。
Textured Jacketingからはこちらのグレイをセレクトしました。
素材感もカラーリングもすごく素敵な素材だと思います!
僕はこちらなら最近お気に入りのややフォーマルテイストが強めのデザインで「料理」したいです。
具体的には「ワイド巾ピークトラペル + シングルブレステッド1ボタン + ハッキング/スランテッドポケット + クラシックフロント + ターンバックカフスつき + サイドヴェンツ」といったデザインです。
ボタンはmade in Englandのグレイリアルホーン(本水牛)ボタンにして、ライニングは間もなく完売する “♡ Camo” silk c/# GPにしたいですね!
それから、同素材でキャスケットも作りたいです!
Overcoatingからはこちらをセレクトしました。
僕はこちらならクラシカルなポロコートを作って永く着たいです!
それには体型をキープしなくてはいけませんね!!
という訳で、冒頭にも書きましたがウエイトトレーニングに出かけてきます。
今月中にあと2回は新作バンチブックのご紹介を済ませたいと思っています。
次はもう1冊あるJacketingのバンチブックかな?と思っています。
とても素晴らしいコレクションですので乞うご期待ください。
11th. Nov. 2024
Ryoji Okada