もう既に9月も3分の2が過ぎました。
が、しかし、今月は確かまだ1回しか外食をしていません!?
しかも、その1回が南青山 EAT & JAZZ ストリート 2024の日という。。。
イヴェント終わりの外食ですからね〜、なんというかちょっと正式な外食とは違うような。。。
外食は楽しいし、舌と心が豊かになりますし、見聞を広げられる機会を得ることもありますしある程度の頻度で行かないと!
という訳で、近く妻かアイツら(笑)と一緒に焼肉かお寿司かステーキでも食べに行きたいな。
いや、たまにはイタリアンもいいかな〜。
あるいは超久し振りにスパニッシュに行きたいかも!
とにもかくにも「食欲の秋!」ですものね。
可及速やかに行かなくては!
ところで。
「スパニッシュ」「イタリアン」といえば。
昨日に引き続き新作バンチブックをご紹介します。
今日は昨日の予告通りスパニッシュ素材です!
まだまだご紹介したいUK素材のバンチブックは複数あるのですが、連続し過ぎると偏ってしまうので今日はスパニッシュ素材、次回はイタリアン素材にしようと思いました。
具体的にはBodegaのCorduroy/Velvetコレクションをご紹介します。
今日も皆さんのハートに刺さるナイス素材がありますように!
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のバンチブック(というかブックレット)です。
カタルーニャ州バルセロナ県Sabadell/サバデル市に本拠地を構える1953年創業のテキスタイルメーカーLanitexが生み出したスペシャルコレクション:Bodega/ボデガです。
具体的には優雅極まりないコーデュロイとヴェルヴェットのコレクションです。
Bodegaとはワインおよび食料雑貨を販売する小さい店舗を指すそうで、コレクションはその名を体現するかのような深みあるワインレッドや新鮮な野菜を彷彿させるカラーの素材を交えて構成されています。
僕はLanitexというミルは知っていましたが、Bodegaという名称は初耳です。
もしかしたら、今シーズンリリースされたコレクション/ブランドかもしれません。
*調べたのですが現時点では把握できませんでした汗
Lanitexは僕がGIEVES & HAWKESをやっていた頃に某後輩が彼の担当ブランドで多用していたので記憶があります。
GIEVES & HAWKESで使うことはありませんでした(僕がもし仮にピックアップしても本国からのアプルーヴァルが得られなかったと思います)が、そのコストパフォーマンスの高さにびっくりしたことを覚えています。
当時はスペインの人件費が極めて安かったこともあります(バルセロナは治安がめちゃくちゃ悪いから行かない方がいいよ!と「旅の強者」から助言をもらった記憶も)が、「紡績から製織までの自社一貫工程」や「ある程度限定した原毛のみを使った生産」といった効率面も高いコストパフォーマンスに寄与していたはずです。
そんな訳で、なんだか懐かしい知人に再会したような気になりました!
そういえば、後輩の彼は元気にしているかな〜?
結構仲良くしていたのに、LOUD GARDENには創業時に一度だけしか来てくれていないな笑。
Sabadellはバルセロナ中心地から20kmほど北西にある都市で、「産業革命の先駆者」として毛織物業中心に発展を遂げ、1830年代には「カタルーニャのマンチェスター」として知られるまでになったそうです。
その頃の発展で人口も増加し20世紀初頭には世界最高水準の織物業都市として名を馳せました。
現在のSabadellは繊維産業が最盛期の10%未満まで落ち込み、商業や金融業および工業を基盤とする都市に変貌を遂げていますが、織物業都市として繁栄した時代の紡績工場はいまだにたくさん見られその多くは住居や商業施設として再利用されているそうです。
Lanitexは、70年以上に渡る伝統を丁寧に継承し続けると同時に世界中に存在する顧客の多様な嗜好を敏感に捉えることで時代の変化に適応しスペイン随一のミルとしてSabadellの繊維産業を支えています。
高い品質を誇るコレクションとMade in Barcelonaという表記にその矜持が垣間見えます。
そういえば、コーデュロイやヴェルベット、モールスキンといった「ちょっと特殊なCotton素材」は、昨今需給バランスが著しく崩れています。
例えば、コーデュロイ/ヴェルヴェットの大家的存在だったドイツのNiedieck/ニーディックが現在は存在しません。
また、Porter & Harding/ポーター&ハーディングやHarrisons/ハリソンズがコーデュロイとヴェルヴェットのバンチブックを廃番にしたり生産地をイタリアに変えたりしています。
後者は織元と思われるBrisbane Mossの動向も大きいのかもしれません。
というのも、Brisbane Mossが例えば最もヘヴィなモールスキンの生産をやめる等、コレクションを再編(縮小?)しているようなのです。
かくかくしかじかで、ここ数年はコーデュロイ、ヴェルヴェット、モールスキンの選択肢がかなり狭まっていました。
そういった意味でも、Bodegaの登場は大変喜ばしいです!
高級感あふれる合成皮革スウェードを使った、そして型押しでなんともエレガントな絵姿が表現されたカヴァーもとても素敵だと思います。
Bodegaのフォントもナイス!
能書きが長くなりました汗。
肝心の中身を見ていきましょう!
70年以上に渡って継承をしてきた伝統的な高い生産技術と上質な天然素材に由来するしなやかなタッチと豊かなと風合い、美しいカラーリングが少しでも伝われば嬉しいです。
コーデュロイです。
全10マーク、品質は100% Cotton + 1% Polyurethane(525g/m *140cm巾)です。
*1番上のネイヴィブルーは我々がフィーラーと呼ぶクオリティ見本でカラーは左下:BA-3 409007と同じです
ウエイトは150cm巾に換算すると562g/m前後ですからかなりヘヴィです。
が、上質なコットンを使用すると同時にPolyurethneを1%混紡することで「しっかりとした素材感」と「優雅なドレープおよび肌触り」と「上品な光沢」と「(横方向へのストレッチ性に由来する)快適な着心地」が高い次元で融合した傑作コーデュロイに仕上がっています。
ストレッチのコーデュロイは決して珍しくありませんが、太畝ではまあまあレアだと思います。
そういった意味でも貴重ではないでしょうか。
また、ご覧の通りとても綺麗なカラーも白眉だと思います。
僕は特に。。。
上画像の右上:グリーン(BA-4 409013)と下画像の全4カラーがすごく気になっています。
どれかでクラシカルデザインのダブルブレステッドスーツを作ってみたいです。
もちろんジャケット単品、ボトムス単品、コートを作っても◎だと思います。
ヴェルヴェットです。
全6マーク、品質は100%(330g/m *140cm巾)です。
*1番上のワインレッドは我々がフィーラーと呼ぶクオリティ見本でカラーは右下:BA-16 409006と同じです
ウエイトは150cm巾に換算すると356g/m前後と中肉ですからとても使いやすいと思います。
極めて優雅なヴェルヴェットですが、毛足はそこまで長くないので普段使いも十分可能なジャケットが仕上がると思いますしロングコートを作っても派手過ぎることはないと思います。
淑女のお得意様にはスカートもオススメしたいです。
僕はワインレッドかブラック:BA-12 409002でフォレスティエールを作ってみたいです。
知的な1着に仕上がること間違いなしだと思います。
以上です。
もし皆さんが「お!」とお思いになるナイス素材があったなら嬉しい限りです。
次回は今回初めてイタリア製素材をご紹介予定です。
乞うご期待ください。
21st. Sep. 2024
Ryoji Okada