昨日までホームのマツダスタジアムでDとの3連戦に臨んでいたカープです。
Dは2年連続最下位とはいえオフに積極的な補強をしましたし、オープン戦は首位でしたし、昨季の対戦成績は五分と決して相性がよくないチームでしたし初戦の試合前から「簡単にはいかないであろうこと」が明々白々でした。
その上カープは長打を期待されている新助っ人2人と末包選手が故障で抹消中、リードオフマン野間選手が首の張りで初戦と第二戦を欠場、主力の坂倉選手と菊池選手が絶不調中、若手も伸び悩み中と打線がかなり厳しい状態です。
でも、マツダスタジアムですし「最低でも勝ち越しはするでしょう!」と思ったらいきなりの2試合連続完封負け。
貧打もありますけれど、それ以上に長打がほぼ皆無かつ機動力がうまく使えないことで完全なる「コツコツ&残塁大好き打線」と化してしまっているのが得点力不足の原因ですよね
まあ、(規定到達者の)昨季チーム内成績で打率・打点の2冠王かつ本塁打5位の西川選手と本塁打王かつ打点2位のデビッドソン選手が抜けて「前者は補強なし」「後者は代替の助っ人が抹消中」ですから長打が出にくいのも当然です。
枠の問題はありますけれど、NPB復帰が確定的との報道が出た筒香選手を真剣に取りにいって欲しかった!という気もしてきます。
とはいえ、大事なのは捕らぬ狸の皮算用ではなく目の前の試合です。
この時期にいきなりホームでの同一カード3連敗は絶対にダメ!
かくかくしかじかで、昨日は負けられない試合でした。
先発は前回登板で1回3球危険球一発退場となったプロ未勝利の2021年ドラフト1位左腕黒原投手でした。
順当に考えれば1週間前に勝ち投手になったアドゥワ投手の順番ですが「早いタイミングでもう1回チャンスを」という新井監督の親心から抜擢されました。
個人的にすごく応援している投手です。
また、野間投手が戦列復帰し菊池選手は代打待機でした。
して結果は。
黒原投手は上々でしたが3日連続零封負け。
フロントと首脳陣と野手陣の猛省を求む!であります怒。
ところで。
「3連」といえば。
3日連続で2024 Spring/Summerシーズン向けの新作バンチブックをご紹介します。
18回目の今日は、昨日も少しだけ予告した通り複数ミルの極上素材が百花繚乱しているJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)コレクションです。
どのミルの新作も素晴らしいのですが、冒頭にコンパイルされているFerlaの8マークは白眉です!
ここ数年はまさに絶好調なFerla!
ぜひともお見逃しなきようお願い申し上げます。
もちろん他のミル、例えばDragoやSubalpinoやMarling & Evansの新作も素晴らしいですし、VBCの定番Hopsackもカラーヴァリエーションが見事の一言ですし、昨年からの継続素材になりますが巻末にコンパイルされているPiacenzaのCashimere + Silkも超スーパー極上品です。
つまり、ご来店の際には最初から最後までじっくり見ていただきたいです!
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちらのバンチブック↓ です。
国内最大手(だと思います)の問屋であるT社さんが独自編集したバンチブックです。
収録されているのは表紙に記されたFelra、Cerruti、Drago、VBC、Di Pray、TG Fabio等の12社で、Marling & Evans以外の11社はイタリアンミルです。
このメンツの中にどうしてMarling & Evansが入っているのかは分かりませんが、冒頭から順番に見ていくととてもいいアクセントになっているようです。
いずれにしても、12社それぞれが「得意技」を見せつけるかのような素晴らしいコレクションに仕上がっています。
なので、今日も魂を込めて全マークを出来るだけ丁寧にご紹介します。
皆さんが「おっ!?」と思う素材があると嬉しいです。
もちろん引き続きお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っております。
気になる素材があってもしご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡をください。
ご来店なしでもお作りいただけるように工夫をします。
それでは、全マークをご紹介します。
Ferla 2-1
1857年創業、SilkやMohair、Baby alpacaを筆頭にした様々な極上マテリアルを巧みにブレンドして個性豊かなJacketingを「発明」し続けている老舗ミルFerlaの超強力な新作8マーク中の4マークです!
Women’sも得意としているミルならではの「他社の追随を許さない華やかな色彩と豊かな表面感」がFerla最大の魅力なのですが、今回入荷した新作もご覧の通りいかにもFerlaらしいナイスな素材ばかりです
こちらはFerlaらしい美しくエレガントなサマーツイード4マークです。
上2マークは77% Silk + 23% Cotton(295g/m)の無地です。
「高貴かつ華やかなカラーリング」と「最高品質のシルクならではの優雅な光沢」と「太番手糸でふんわりとダイアゴナル柄を表現して織り上げられたことで生まれた豊潤な膨らみ」が三位一体となった傑作素材です。
わずか2カラー展開ですが、ブラックやネイヴィブルー、ベイジュではなく個性的なこの2カラーというのも素敵ではないでしょうか!
どちらもすごく作ってみたいです。
下2マークは38% Silk + 36% Linen + 16% Cotton + 10% Polyamide(305g/m)のハウンズトゥース風ギンガムチェックです。
上2マークよりは少し強めに打ち込んでいますが、それでもFerlaらしい「ふわりとした素材感」は十二分に愉しめます。
カジュアル素材用原料のLinenとCottonを合わせると52%の比率になりますので、経年とともにいい具合にクタッとしてくれそうなのも◎だと思います。
一見クラシックながらも個性的でラグジュアリーなジャケットをお考えの方にイチオシです!
マーク数が少ないということもありFerlaの人気素材は毎シーズンかなり早い段階で完売になりますので、もしも「お!」という素材がありましたらどうぞお早めにお願いします。
Ferla 2-2
こちらはより「パンチ」が効いた4マークです。
上2マークは48% Linen + 24% Wool + 16% Polyamide + 12% Silk(326g/m)のWild & Elegantなストライプです。
すごくカッコいい素材ですよね!
何がカッコいいって。。。
素材感はもちろん、オーガニックなカラーリングもいいですし、ストライプの入り方もすごくいいと思います!
Felraの素材としてはかなり強く打ち込んだツイル(綾織)素材ですので、この2マークはボトムスもいけそうです。
はい、つまりスーツもいけそうです。
僕はこちらなら上のブラウンでスリーピーススーツを作りたいですね〜。
上から3番目は74% Linen + 26% Polyamide (397g/m)の「2者混」サマーツイードです。
「2者混」は「Ferla基準」だと原料のブレンドが少ないのですが、にも関わらずこれだけ個性的かつ存在感抜群のネップとカラーリングを表現してしまうあたりはとっても「らしい」と思います。
軽快&スポーティなジャケットを作るのが「正攻法」だとは思いますが、天邪鬼な僕はクラシカルなダブルブレステッドジャケットを作ってみたらよさそうに感じました。
1番下は43% Linen + 21% Silk + 21% Wool + 15% Cotton(305g/m)のサマーツイードです。
約6.0cmのワイド巾とハンド刺繍のように入ったストライプが極めてスタイリッシュな素材ではないでしょうか。
カラーリングも抜群に素敵ですしストライプが1本ではなく2本というのもいいですよね。
僕はこちらならコロニアルテイストのジャケットを作りたいですね!
Cerruti 1-1
僕がかつてお世話になったGieves & Hawkesと同じく香港のTrinity Group傘下に入っていたCerrutiですが、2022年初頭にそのTrinity Groupが経営危機に陥いったことで業界内では一時的に「消滅の可能性もある」という噂が出ていました。
Natural Born Eleganceを標榜し、多数の上質で華やかで野心的なコレクションを展開しているスペシャルなミルだったのでその噂にはかなりがっかりさせられたものです。
が、後述する通り数々の印象深い逸話を持つ老舗ミルPiacenzaが消滅させるのは惜しいと考え取得、Cerrutiは現在も変わらず素晴らしい素材を供給し続けています。
ミル/マーチャントの再編劇は頻繁に行われているとはいえあのCerrutiが危機に陥るのは少々びっくりしましたし、結果として考えうる最高の受け入れ先が見つかってよかったです。
PiacenzaにとってもCerrutiの受け入れは今後に向けて好材料ではないかな?とも想像します。
ちなみにGieves & HawkesもUK資本に回帰してサヴァイヴに成功しました。
というCerrutiの素材がこのバンチブックには3マークコンパイルされています。
これまでCerrutiはHolland & Sherryのように全世界共通でエクスクルーシヴなバンチブック展開をしていたので、複数ミルの素材が共存するこのようなバンチブックにコンパイルされるのは稀でした。
が、上記の経緯も影響しているのか久し振りの登場となりました。
個人的にはとても嬉しい再会です!
左は56% Silk + 44% Wool(320g/m)のサマーツイードです。
ナチュラルテイストながらもシルヴァーグレイとゴールデンブラウンという「Natural Born Eleganceなカラー」がCerrutiらしい極上品です。
Silkならではの優雅な光沢もその「Natural Born Eleganceなカラー」をより一層引き立てていると思います。
右2マークは100% Super 130’s Wool(265g/m)の無地です。
デジタルプリントのような地組織がとてもクールですよね!
ブルー(左)とレッド(右)の2カラー展開です。
Drago 2-1
LOUD GARDENに集ってくださる「違いが分かる粋人」の皆さまからも高い人気を誇るDragoのヘリンボン5マークです。
Dragoは ↓こういった↓ テキスタイルメーカーです。
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1973年にUmberto DragoとLaura Drago夫妻により紡績工場として創設。
ビエラ地区の主要な毛織物工場と強固なパートナーシップを結び成長を続け、1993年には高級ミルFintesを買収。
両社は2001年に合併。
以降は「紡績・製織・整理までの全工程を自社でこなす数少ない一貫工場」として名を馳せ、世界中の高級ブランドやテイラーに高品質な素材を提供して現在に至ります。
「Super 130’Sを中心にSuper 160’SやSuper 180’S原料を使用した素材を多数展開していることに加え、Super表記のトップ品質Super 210’S原料を使用した素材の開発・生産にも成功している高い技術力」と「ストレッチ・防シワ・撥水・防汚・遮熱といった様々な機能性を兼ね備えたコレクションも豊富に取り揃える時代のニーズに沿った革新性」がその魅力です。
またルーツである紡績業を見ると、Super 130’s以上の高級細番手糸に限っては世界の約70%を生産している超強力なサプライヤーとしても有名です。
映画007 Skyfallで主演のDaniel Craigが着用したスーツ素材を手掛けたことからスタートしたSuper 180’s Woolシリーズ:Skyfallがベストセラーを記録しているのも見逃せません。
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上2マークは32% Wool + 24% Silk + 24% Linen + 20% Cotton(270g)のビッグヘンリボンです。
ざっくりとしたツイーディな肌触りとインパクト溢れる約3.5cm巾のヘリンボンが魅力です。
これからの季節には着用機会が減っていきますがバルマカーンコートを作ってもすごくいい感じに仕上がると思います。
下3マークは68% Wool + 18% Silk + 14% Linen(260g)のヘリンボンです。
クリアカットされた艶やかな表面とイタリアンミルらしい洗練されたカラーリングが自慢です。
特に真ん中のグリーンに心躍る僕です。
Drago 2-2
Dragoのチェック&ストライプコレクションです。
存在感あふれる力強い色柄がとてもカッコいいですよね!
目移りしてしまいます汗。
1番上はDrago 2-1の下3マークと同じ68% Wool + 18% Silk + 14% Linen(260g)です。
この7マーク中では最もシックはありますが、極めて端正で知的なブルーグラデーションがすごくナイスだと思います!
この素材で作ったジャケットならばVゾーンもボトムスもシューズもブルー系にしてブルーグラデーションのスタイリングでキメたいですね
上から2番目から5番目までの4マークは44% Wool + 28% Silk + 28% Linen(285g/m)です。
強い個性の色柄と上品な品質が見事なハーモニーを奏でている傑作コレクションです。
この4マークはどれも作ってみたいです!
上から6番目は60% Linen + 40% Wool(265g/m)のダブルストライプです。
優しくナチュラルなカラーとクールなストライプが自慢です。
1番下は100% Linen(235g/m)です。
大胆なスーパービッグチェックとイタリアンリネンらしい薄さとソフトさが魅力の素材です。
こちらはボトムスもいける、つまりスーツもいけるボディです。
VBC 3-1
現在最も勢いがある老舗イタリアンミルVBCのVintageライン4マークです。
Vintageラインは1950年代や1960年代といった過去のアーカイヴからヒントを得ると同時にカラーリングと品質に気を配り現代風のアレンジを加えたモダンレトロなニューラインです。
いずれも狙い通りとてもモダンレトロでいい感じの素材に仕上がっています!
個人的にこのテイストはすごく好きですね〜。
上2マークは55% Linen + 25% Silk + 20% Cotton(285g/m)のサマーツイードです。
いずれもカラー(特にブルー)のトーンがいいですよね!
Linen特有のシャリ感と光沢も素晴らしいです。
下2マークは82% Wool + 11% Silk + 7% Linen(295g/m)のJacketingです。
モダンレトロな色柄としっかりとした打ち込みがナイスなヴィンテージ感を表現しています。
VBC 3-2
VBCの大定番Hopsack:Montecarlo 21μです。
ホップサックはその通気性の良さ、抗シワ性の高さ、そして独特のカジュアルテイスト溢れる表面感から、ヨーロッパではかなり昔から「Spring/Summerシーズン用ジャケットの王道素材」「トラヴェルジャケットの秘密兵器」として圧倒的な人気を誇っています。
ドレススタイルにもカジュアルスタイルにも相性抜群の「超有能なジャケット」をお探しの方にぜひともオススメしたい素材です。
その場合はネイヴィブルーかブラックが第一候補になると思いますが、このコレクションは全13マークという圧巻のカラーヴァリエーションを誇ります。
ひと味違うSpring/Summer用無地ジャケットをお探しの方にもオススメです。
例えば、下から4番目のオレンジやその下のピンクなんて他のバンチブックではなかなか見つからないウルトラナイスカラーだと思います。
品質は100% Wool(280g)です。
VBC 3-3
Contemporaryライン5マークです。
上3マークは柄物のHopsackです。
1番上は大定番Hopsack:Montecarlo 21μよりも軽量な100% Wool(245g/m)のボディにアーティスティックなプリントを施した変わり種です。
Woolボディへのプリントは難しいのが定説ですが、VBCはその障壁も軽々と超えてしまいます!
さすがです。
その下2マークは78% Wool + 22% Silk(265g/m)とシルクブレンド&チェックのHopsackです。
定番よりも強撚なのでより一層シャリッとした素材感が愉しめる素材です。
力強いカラーリングも素敵ですよね。
下2マークは55% Linen + 25% Silk + 20% Cotton(285g/m)のガンクラブチェックです。
こちらはVintageラインに混ざっていても違和感のないテイストを持っています。
その特徴的なテイストがとっても素敵だと思います。
Di Pray 1-1
1948年創業、ビエラ地区のミルとしては比較的若い企業(といっても創業76年!)Lanificio Di Prayの新作5マークです。
Di Prayは主に「しなやかな風合いと精細な色柄が特徴的なMen’s向けJacketing」を得意とするミルです。
こちらの5マークもいかにも「らしい」素材だと思います。
1番上は81% Wool + 11% Silk + 8% Linen(255g/m)のチェックです。
モダンクラシックなクアドラプルウインドウペーンがとてもスタイリッシュではないでしょうか。
上から2番目/3番目は65% Wool + 21% Silk + 14% Linen(235g/m)のチェックです。
極めて洗練された「大人な1着」が仕上がること間違いなしだと思います。
上から4番目は100% Wool(245g/m)のブラックウォッチ風タータンです。
こちらは一般的なトロピカル(平織)素材ですのでボトムスにもオススメです!
ボトムスにもいけるということはつまりスーツにもいけます。
僕はこちらならモッズスーツを作ってみたいです。
1番下は41% Wool + 32% Silk + 27% Linen(235g/m)のチェックです。
優しいカラーリングとカリッとした涼しげな素材感がとてもいい感じだと思います。
TG Fabio 1-1
A WORKROOM時代に僕が自分用のスーツに多用したTG Fabioの新作4マークです。
なぜに僕が多用していたかというと。。。
TG Fabioはモードブランドにも多く供給しているだけあってコレクションがとてもクリエイティヴなのとプライスが比較的リーズナブルだからです。
記憶によればフロッキープリントでストライプを表現した素材等々で最低でもスーツを3着、パンツを2本は作ったと思います。
というTG Fabioですが、このバンチブックに収録されている素材は比較的クラシックです。
ですが、品質や色柄がまああまあユニークだったり「さすがのひとひねり」は効いています。
上2マークは70% Wool + 30% Linen(285g/m)のHopsackです。
あまり見かけないカラーコンビネーションが素晴らしいと思います。
個人的には上:ベイジュ + ブルーが特に好きです。
敢えてダブルブレステッドのブレザーを作ってみたいです。
下2マークは50% Wool + 28% Cotton + 22% Silk(245g/m)のグレンチェックです。
ヴィンテージ風のルックスがとてもクールですよね!
このボディはスーツでもいけそうなので僕ならスリーピーススーツを作ると思います!
Subalpino 1-1
高級イタリアンミルが集結している北イタリアのビエラ地区で40年以上の歴史を持つCottonやLinenといった天然繊維のスペシャリストSubalpinoの新作です。
記憶によれば、LOUD GARDENで取り扱うバンチブックにSubalpinoが登場するのはこれが2回目だと思います。
Cerrutiに続いて嬉しい再会です!
上2マークは100% Linen(255g/m)のいかにもSubalpinoらしいクリエイティヴなLinen素材です。
ソフトな風合いと大胆なギンガムチェックが素晴らしいです。
その下2マークは100% Linen(355g/m)のリネンツイードです。
太番手糸を使用することで表現したざっくりとした素材感とクリエイティヴなカラーリングが魅力です。
下のブラウン + ネイヴィブルーはいわゆるSolaroです。
具体的には経糸(タテイト)にブラウン糸を緯糸(ヨコイト)にネイヴィブルー糸を使用したSolaroです。
Solaroならではの複雑で洗練されたカラーがすごくいいですよね〜!
といっても、この画像だとチラリとしか見えていません汗。
つきましては、ご来店時にじっくりと見てやってください。
下6マークは56% Wool + 46% Linen(215g/m)のトロピカルコレクションです。
もちろんジャケットを作ってもいいのですが、この「顔」と品質とウエイトならサマースーツを作るのが正解だと思います。
上3マークはとてもモダンなグレンチェック、下3マークは完全な無地です。
あ、ネイヴィブルーの無地でジャケットをチェックでボトムスを作ってもよさそうですね!
Subalpinoの10マークは全マークがLinen系素材としては比較的リーズナブルなEランクというのも見逃せません。
Tollegno 1900 1-1
Tollegno 1900は、母体であるLoro Piana社が1900年にメゾンやアパレルメーカー向けのテキスタイルを提案するために設立したミルです。
以前はLanificio di Tollegnoと名乗っていましたが、現在はTollegno 1900で統一されています。
* “Lanificho” はイタリアのミルがよくつけているワードで「服地製造工場」の意味です
Tollegno 1900はテキスタイルの企画から紡績、染色、製織、整理までを一貫して行うミルですが、糸自体を販売する紡績メーカーとしても知られています。
そんなTollegno 1900のコレクションは「120年以上に渡る歴史と伝統に裏打ちされたこだわりの一貫生産が生む安定したクオリティ」「常にファッショントレンドが織り込まれたテキスタイルデザイン」「戦略的なリーズナブルプライス」といったたくさんの魅力を誇ります。
その出自からテイラーへの販売にそこまで積極的ではないせいか日本ではあまり知られていませんが、イタリアでは確かなプレゼンスを誇る実力派ミルです。
その実力の確かさはイタリアのビッグメゾンがこぞってTollegno 1900に別注素材をオーダーしていることからも証明されています。
上5マークは44% Wool + 43% Cotton + 11% Linen + 2% Polyurethane(285g)のサマーツイードです。
複数カラーの糸を使用して織り上げられた素材ですが遠目には完全な無地に見えますのでどんなインナー・ボトムスにも合わせやすいジャケットが仕上がると思います。
Polyurethane混紡由来の快適なストレッチ性も◎ではないでしょうか。
こういった「顔」の素材でストレッチが効いている素材は珍しい気がします。
下2マークは48% Wool + 40% Cotton + 10% Linen + 2% Polyurethane(245g)のトロピカルです。
シックでモダンクラシックなグレンチェックがナイスですよね。
こちらもスーツ/ボトムスが可能なボディです。
Marling & Evans 1-1
「イタリアンミルの中に突如として登場する」Maring & Evansです。
しかも「いかにも!」なチェック4マーク。
上述の通りなぜここにMaring & Evansがコンパイルされているのかは分かりませんがナイスアクセントになっていることだけは確かです!
上2マークは50% Wool + 50% Linen(295g/m)、下2マークは48% Wool + 28% Linen + 24% Silk(305g/m)のカントリーチェックです。
カントリーチェックといっても、ご覧の通り(特に上3マークは)モダンなアクセントカラーを使っているのでとてもスタイリッシュなジャケットが仕上がると思います。
どれもすごくカッコいいですよね。
Marling & Evansですが ↓こんなミル↓ です。
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Maring & Evansは1782年にイングランド南西部のStroudに紡績・製織・整理の機能を持つ一貫生産体制のメーカーとして設立されました。
19世紀にはフランネル素材で広く知られるようになり、1920年代にはロールスロイスが厚手フランネル素材を車の内装に使用したことでも話題になりました。
1960年代には現在のHuddersfieldに移転、Flannel、Saxony、Lambswool、Shetland、Undyed British Woolといった英国スタイルの素材だけを展開して今日に至ります。
特に、「英国羊毛のナチュラルカラー糸で生産するUndyed British Wool」はその生産工程のこだわりを数多くのメディアが取り上げるなど、Marling & Evansの代名詞的存在にまで育ちました。
具体的には「希少な英国羊毛のみを使用して」「紡績・製織工程に染料や化学物質は使用せず」「フィニッシュ工程では天然の石鹸を使用して」Undyed British Woolは生産されています。
加えて、全生産工程が半径6マイル以内の工場で行われるため二酸化炭素の排出量が最小限に抑えられています。
Undyed British Woolは環境への負荷が抑えられると同時に昔ながらのブリティッシュウールの味わいが見事に表現されたこの時代に相応しい傑作なのです。
*こちらの4マークはいずれもUndyed British Woolではありません。
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Reda 1-1
大手イタリアンミルRedaのFlexoです
Flexoは「快適性と抗シワ性を生み出す」と同時に「Woolが本来的に持つ豊かな風合い等を損なわない」目的で生み出されたストレッチ素材です。
具体的には、Woolに極微量(1%)のPolyurethaneを混紡した素材です。
と書くと「ふ〜ん、最近よく見かける感じの品質だね」とお思いの方も多いかもしれません。
そして、それは確かにその通りです。
が、しかし、このFlexoに使用しているPolyurethaneは有害物質を一切含まないそうです。
つまり、環境にも配慮をしたストレッチ素材という訳ですね。
Activeとともに人気を博しているのも納得です!
今回入荷した6マークはすべFlexoです。
品質は99% Wool + 1% Polyurethane(280g/m)です。
Polyurethaneの混紡はわずか1%にも関わらずすご〜くストレッチします。
これは織り方の工夫もあるそうです。
さすがはRedaですね。
上2マークは完全なマイクロチェックですが、下4マークにもさりげなくチェックが入っています。
Piacenza 1-1
大トリを飾るのはPiacenzaです。
現存する世界最古のミルといわれるPiacenzaの歴史は極めて長く、実に1600年代まで遡ることが出来ます。
具体的には1623年に毛織物商を営んでいた記録が残っているそうです。
1623年といえば、日本では徳川家光が江戸幕府3代将軍になった年。。。
すごいですよね!
そして、その約100年後に自分たちで毛織物を織り始め現在に至ります。
企業としての創業年は「その約100年後」に当たる1733年だそうです。
1733年といえば、日本では円山応挙が誕生した年。。。
これまたすごいですよね!
そんな重厚な歴史を誇るPiacenzaはイタリア随一の高級毛織物産地として有名なビエラ地区で創業して以来今日まで、最上質原料の使用を徹底しハイクオリティ&ハイクリエイティヴィティな素材を生み出し続けている超名門イタリアンミルです。
数々の逸話を誇るPiacenzaですが、1913年に初めてイタリアに伝えたとされているCashmereを筆頭とした高級獣毛やSilkを使用した素材でも極めて有名です。
上述の通り、CerrutiはこのPiacenzaが取得しました。
きっと素晴らしいシナジーが生まれることでしょう!
1番上は100% Linen(270g/m)のトロピカルです。
うっすらと表現したハウンズトゥースとイタリアンリネンとしては強めなハリコシが特徴です。
ジャケットにもボトムスにも(つまりスーツにも)使えるボディです。
下2マークはPiacenzaの矜持が詰まった92% Cashmere + 8% Silk(205g/m)です。
「最後までじっくり見てよかった〜!」と思えること間違いなしの絶品です。
カシミヤの大家ならではの素晴らしいクオリティ、ツイル組織ながら205g/mという脅威のライトウエイト、洗練を極めたカラーと三拍子揃ったエピローグを飾るに相応しい傑作です。
以上です。
それでは、これまでと同じようにまずは冒頭から全マークをご紹介したので、最後に「僕のBestセレクション」を披露したいと思います。
Ferlaからはこちらのブルーをセレクトしました。
このサマーツイード!
本当にサイコーです!!
僕は軽快な仕立てながらもシャープなデザインのジャケットを作ってみたいです。
春・夏・秋とヘヴィローテーションしてくれる1着が仕上がることでしょう。
ガンガン着た数年後の「エイジング」も楽しみな素材だと思います。
Dragoからはこちらの2マークをセレクトしました。
僕はこの2マークを巧みに組み合わせたジャケットが作りたいです。
例えばウインドウペーンを身頃にストライプをスリーヴに使用したロングジャケットとか。。。
ストライプを全体にウインドウペーンをパッチ/アウトポケットに使用したダブルブレステッドジャケットとか。。。
いやはや想像力がスーパー駆り立てられる逸品だと思います!
Subalpinoからはこちらのギンガムチェックをセレクトしました。
やや大きめサイズのチェック。
やや縦長のギンガムチェック。
シャープなブラック&ホワイト。
これまた本当にサイコーだと思います。
左端にも見えていますが、かなり大きめなネップがところどころに入っているのもいい感じです。
僕はこちらでモッズスーツを作りたいです!
Marling & Evansからはこちらのグレンチェックをセレクトしました。
絶妙にカッコいいカラーリングですよね!
僕はこちらならヴェリーイングリッシュなスリーピーススーツを作ってみたいです!
具体的には「セミノッチドラペルのシングルブレステッド3ボタンジャケット + シングルブレステッド6ボタンのラペルドヴェスト + 1インプリーツ&ややテイパードシルエットのボトムス」で作りたいです。
ボタンはブラックマザーオブパール(黒蝶貝)ボタン、ライニングはまだ在庫が少々残っている “♡ Camo” silk c/# FYにしたいです。
Piacenzaからはこちらの2マークをセレクトしました。
まだ具体的なイメージは湧いていないのですがこれだけの絶品素材です。
そして、完売してしまったら多分二度と入荷しないであろう希少素材です。
一生の宝物とした何か作りたいです。
クラシカルなダブルブレステッドジャケットがいいかな?
皆さんならどうしますか?
以上です。
今日のご紹介はいつも以上に根性を入れました!
なので、ご注文とお問合せがあると嬉しいです。
次回もJacketingのバンチブックをご紹介予定です。
多分金曜日になると思います。
乞うご期待ください。
8th. Apr. 2024
Ryoji Okada