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Diary

New bunch book collection for 2025-2026 Autumn/Winter vol.22: Fratelli Tallia Di Delfino / Marling & Evans / Moon etc.

Loud Garden / Ryoji Okada

 

< News! >

  ☑︎ 12月まで水曜日も14:00-20:00で営業いたします

  ☑︎ 新作 “♡ Camo” socks in store now!

  ☑︎ 俺のRockなヒョウ柄スカルハット

  ☑︎ 俺のシャツ 2025秋

  ☑︎ オーダーシャツのオプションフリーキャンペーン

 

 

 

泣いても笑っても10月は今日で終わり!

己の力不足が悔しい限りですが、悔いなきように最後の24時間を過ごしたい!!

昨夜はそんなことを思いながら眠りに落ちました。

そういえば。。。

水曜日のこと。

13:45くらいに出勤したらウィンドウディスプレイを熱心に見ている男性がいました。

「何を見てるのかな?」と思いつつ掃除等をして13:55くらいに店を開けました。

店を開けたタイミングでその男性がエントランスまで来てくれたので「いらっしゃいませ!」と元気いっぱいに声をかけました。

が、しかし、彼ははにかんだ笑顔とともに1分くらいエントランスで佇んだのちに帰りました。

「店内を覗いてみたらイメージが違ったかな?」と思ったのですが、5分後くらいに「ハッ!」と気がつきました。

いつも店を開ける際に閉店時は店内にある立て看板をエントランスの外に出して「Closedの面」から「POP等の販促物が貼ってある面」に反転させるのですが、なんとその日は前者:Closedの面のままだったのです。

「まじか!申し訳ないことをしてしまった」と思ったけど後の祭りです。

と思ったら、15:00くらいに再度ご来店になりウィンドウで熱心に見ていた(と仰っていました) “♡ Camo” socksのc/# BGRをご購入くださいました。

お支払いいただいたクレジットカードからすると恐らく隣国中国の方(英語がご堪能そうだったので香港かも?)だと思うのですが。。。

異国の地にて、シャイな性格(だと思います)の方が、(Closedの面を表に向けて)入店を阻止するような目下不調中の小売店に二度も足を運んでいただき本当にありがたかったです。

と同時に、もっとフレンドリーに声をかけなかったことを深く反省しています。

もしあれこれ話せば「Closedだけど大丈夫?」という話になって再度のご足労は不要だったかもしれません。

それにしても。。。

不調を嘆き、己の力不足を不甲斐なく思う前に「基本中の基本以前のこと」をちゃんとやれていないことが終わっていますね。。。

店がClosedだったらご来店もク⚪︎もないじゃないか!!

俺のバカやろー!!!

という訳で、今日からあれこれ初級レヴェルのことも見直して営業をしたいと思います。

そんなLOUD GARDENですが、そして最初に戻りますが今日は10月の最終営業日です!

ぜひともご来店・ご注文をお願いします!!

 

 

 

ところで。

「戻る」といえば。

今日は久し振りに新作バンチブックのご紹介に戻ります!

新作Shirting(シャーティング:シャツ向けテキスタイル)が大量入荷したのでしばらくご紹介できなかったのは予定通りとはいえ、前回:Bodegaから2週間はさすがに空き過ぎました汗。

こういう極端になってしまうところも課題だよなぁ。。。

それはともかく!

22回目の今日は様々なミル/マーチャント/ブランドの極上Jacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)がコンパイルされている1冊をご紹介します。

具体的にはトップItalianミルFratelli Tallia Di Delfino/フラテッリ・タリア・ディ・デルフィーノ(以下FTD)からUKを代表するツイードメーカーMoon/ムーンまで、いやそれだけではなくRecycled Woolを使用した国産Tweedまで取り揃えたヴァリエーション豊かなコレクションが自慢の1冊です。

ご来店の際にはぜひともその豊かなヴァリエーションをお確かめください。

もちろんお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも可能です。

気になる素材があってもしご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡をください。

ご来店なしでもお作りいただけるように工夫をします。

では、今日も魂を込めて出来るだけ丁寧にご紹介します。

最後までおつき合いいただければ幸いです。

*これまでにご紹介した21回のリンク集は末尾にあります

 

 

 

今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のバンチブックです。

 

 

皆さんもお気づきかと思うのですが、このバンチブックはその他ほとんどのバンチブックと異なり正方形に近い形状です。

これは素材見本が左右二列にコンパイルされているためです。

Autumn/WinterシーズンのJacketingは肉厚になりますので「収録マーク数を減らさない」ための工夫なのですが、それでもやっぱり二列にすると収録マーク数は減らないどころか増えます。

*こちらのバンチブックもSpring/Summerシーズンヴァージョンは通常の形状です

つまり、こちらのバンチブックは質だけでなく量も大充実しています!

「質も量も大充実」となると。。。

正直ご紹介するのもひと苦労です。

このバンチブックはさまざまな通常のバンチブックよりも撮影もかなり時間がかかるんです汗。

ですが、今日も熱い情熱を込めて丁寧に全マークをご紹介します。

と思いましたが、画像がかなり多くなってしまうので今日は左列のみをご紹介して右列は次回ご紹介します!

という訳で、今日は左列を全マーク公開して、最後に「僕のBest 5」をお披露目します。

レッツゴー!

 

 

FTD 1:FTD Gold Collection

 

 

冒頭にコンパイルされているのは「Loro Piana/ロロ・ピアーナ、Ermenegildo Zegna/エルメネジルド・ゼニアとともに世界3大ミル(毛織物工場)の一角を担う存在」として世界中のビッグメゾンやトップテイラー(←注:LOUD GARDENを含みます!)から高い評価を得ている、そしてその強力にハイクオリティかつ極めてクリエイティヴィティに富んだコレクションが最高に僕好みなItalianミルFTDの新作です。

まずは、FTDについて「復習」しましょう。

—–

 FTDは1903年にBiella/ビエラ地区のStrona/ストローナに発祥した120年以上の歴史を誇るItaly屈指の最高級テキスタイルメーカーです。

その最大の特徴は「高級織物」しか生まれえない生産背景にあります。

具体的には、FTDの生産が「豊富な水資源により古くから繊維・織物産業が根付いてきた環境」の中で「梳毛織物においてはSuper 120’s ~ 200’s(17.5 ~ 13.5μ*)のみを扱うなど常に最高級原料を使用」し「最新設備と伝統技術に基づいた生産体制を構築」して行われていることにあります。

世界中から熱い支持を集めている「繊細な表現」はこの生産背景の賜物といえます。

また、Italy(つまり、世界)トップクラスとの誉れ高いクリエイティヴチームが担当するデザインも特徴的で、毎シーズン「歴史に裏打ちされたクラシックな感性」と「時代を引っ張っていくという高い志」が絶妙なバランスで融合されたコレクションをリリースしています。

2008年にはMarzottoグループの傘下に入り、これまでに培ってきたレガシーはそのままにスケールメリットを獲得したことでエコフレンドリーな新機軸を打ち出すなど更なる躍進を遂げてますます業界内のプレゼンスを高めている点も見逃せません!

*μ=マイクロン

—–

というFTDのトップレンジ:Gold Collectionに今秋Super 180’s原料を使用したJacketingが加わりました。

「贅沢至極なトロみ」「美しい表面」「繊細なカラー」が三位一体となった逸品中の逸品です。

ちなみにSuper 180’s原料とは原毛の細さが14.5μクラスであることを意味します。

これは高級なCashmereにも匹敵するクオリティです。

まさにGoldなJacketingですよね!

まだご注文くださったお得意様はいらっしゃいませんが。。。

見るからに高貴な1着が仕上がること間違いなしの極上品だと思います。

また、これだけのクオリティなので贅沢さばかりに目がいきがちですが意外やかなりしっかり打ち込んでいる点も見逃せません。

これなら永く着られる、大幅な体型変化がなければ「一生モノ」なJacketが仕上がることでしょう!

100% Cashmereよりはかなりリーズナブルなのも嬉しいですね。

超スーパーオススメです!!

僕もとっても作りたいです!!

品質は100% Super 180’s Wool(360g/m)です。

 

 

FTD 2:FTD Luxury Collection

 

 

 

 

FTD Luxury Collectionは、創業以来120年もの間「Excellence Italia:イタリアの伝統・技術・感性の結晶」というヴィジョンを磨き上げてきたFTDが誇るハイレンジのJacketingコレクションです。

具体的には「上質なWoolに極上のSilkを贅沢にブレンドした “Wool & Silk” Jacketing」「最高の原料に由来するなめらかでしなやかな肌触りと洗練を極めた色柄と美しい発色等たくさんの魅力を誇る珠玉のコレクション」です。

高価かつ希少原料を使用しているがゆえに既製品ではほとんど出回ることがない(と聞いています)このFTD Luxury Collectionにこれだけの選択肢があるということ自体もオーダーメイドの大きな魅力かもしれません。

上画像:77% Wool + 23% Silk(350g/m)のややハードタッチ&モダンレトロな2マークです。シックな「顔」としっかりとした打ち込み、そしてFTD Luxury Collectionならではの贅沢な素材感が特徴の素晴らしいボディです。華やかなJacetkingが多いこのバンチブックの中に入ると少し地味に映るかもしれませんが、仕上がった時には確かな存在感を放つダンディ極まりない1着に仕上がること間違いなしだと思います。僕はかなり好きです!

中画像:こちらはWool & Silkにプラスαのブレンドを加えたJacketing4マークです。品質は1番上が69% Wool + 18% Silk + 16% Polyamide + 6% Linen(330g/m)で、下3マークが76% Wool + 14% Silk + 10% Linen(290g/m)です。いずれもポイントとなるのはLinenで、「シルク由来の美しい光沢とランダムな節が生む高級感と独特の立体感」および「Linen由来のさりげない野趣味」が見事な化学反応を起こしています。カラーリングのキレイさも白眉だと思います。以前にもこのDiaryで書きましたが、ここ数年Spring/Summer向けの原料というイメージが強いLinenをAutum/Winter向けのボディにブレンドするケースが増えてきました。Winter Linenという名前を冠するShirtingがスマッシュヒットを記録したりもしています。テキスタイルも多様性の時代ですね!そして、Linenならではの風合いは他の原料では表現が難しいのでこの傾向には僕も大賛成です!この4マークもわずかにブレンドしたLinenがとっても「効いている」と思います。

下画像:こちらの3マークも上画像同様Linenをブレンドしていない純粋なWool & Silkボディです。品質は88% Wool + 12% Silk(290g/m)です。大胆かつスタイリッシュなカラーリングで気品あるスポーティさを表現したナイスJacketingですよね!もちろんFTD Lusuxry Colletcionですから高級感もたっぷりですけれど!

しかし。。。

同じWool & Silkベースのボディでもこれだけ豊富な展開をしているのは「さすがFTD!」だと思います。

 

 

FTD 3:Napoli Jacket

 

 

FTDの代名詞的存在である世界的ベストセラーSuiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)コレクション:Napoliから派生したJacketingコレクションがNapoli Jacketです。

NapoliはFTDのモノづくりに対する崇高な哲学を体現したハイクオリティシリーズですが、このNapoli Jacketもイタリアンクラシックの最高峰を存分に堪能することができるハイレヴェルなボディに仕上がっています。

上3マーク:丁寧なミルド(起毛)加工を施したモダンクラシックJacketingで品質は100% Wool(340g/m)です。いずれもとっても繊細なBlueが素敵です。また、ヘリンボンはここ1年ほど再浮上している柄ですので1マークとはいえ展開があるのは嬉しい限りです、

下3マーク:クリアカットのチェックJacketingです。品質は上2マークが100% Wool(320g/m)で1番下が77% Wool + 23% Silk(350g/m)です。Silkブレンドの1番下がどうしてFTD Luxury Collectionに入っていないのかは不思議ですがきっと色々な事情があるんだと思います。それはともかく、いずれもチェック自体はトラディショナルながらFTDらしい絶妙なカラーリングックでコンテンポラリーな「顔」に仕上がっているのがイイですよね!また、上記の通りこちらの3マークはクリアカット(上2マークは超わずかにミルド加工を施しているかな?)なので夏を除く3シーズン楽しめるのも◎だと思います。

 

 

E.Thomas

 

 

E.Thomas/Eトーマスは1922年にItalyのSwitzerland国境にほど近いLuganoという湖の一角でErnesto Thomasによって創業されました。

以来、実に1世紀以上もの長きに渡って「高品質なWool素材をはじめ、CashmereやSilk、Linen、Mohairといった高級原料/天然原料を使用したラグジュアリーかつクリエイティヴな素材」を作り続けています。

年間生産量がそこまで多くないせいか、あるいはかつてエージェントさんが仰っていた「多く流通させることが目的ではない。セールスも量より質!」という方針のせいか、日本における知名度はそこまで高くないですがその品質の高さは間違いありません!

それが証拠に僕の知る限りテイラー業界内にもファンが少なくないミルです。

かくいう僕も、洗練されたItaly的感覚と旧き佳きUK的なモノづくりに強く共感してCarlo Barberaとともに一時期すごく憧れていました。

結構お高いので、この業界に30年近くいながらも確か2着しか作れていませんけれど汗。

でも、いつかまた作りたいと常々思っています。

こちらは、そのE.Thomasの本領が発揮されたラグジュアリーなTweedコレクション:Breraの新作です。

BreraはMilanにある芸術的なエリアとして有名なエリアです。

僕も何度か訪れたことがありますが、確かにどことなく洗練されたBreraエリアを彷彿とさせる上品で洗練されたボディとカラーリングに感じます。

ややワイド巾:1.2cm巾のヘリンボンに由来するシックな光沢も魅力です。

ご覧の通りの洗練さなのでエレガントなライフスタイルを生きる淑女にも大オススメです。

上記の情報だとかなりソフトな素材感をご想像なさる方も少なくないと思います。

そして、確かにソフトではあります。

が、そこはE.Thomasです。

強めに打ち込んでいるため頼り甲斐のある素材感も併せ持っています。

品質は100% Wool(310g/m)です。

 

 

Dondi by Ermenegildo Zegna

 

 

2019年にZegnaグループに入ったJersey素材のトップランナー:Dondiの新作です。

(Dondi単独ではなく)Ermenegildo ZegnaとのWネームコレクションだけあってとてもシックかつラグジュアリーな「顔」に仕上がっていると思います。

*Dondiの名前のみを冠しているコレクションも存在します

1マークだけとはいえ。。。

まるでCashmereのような豊かな膨らみを感じる&温かいカラーリングのハウンズトゥースが最高にスタイリッシュですよね!

もちろんJerseyならではの快適性も魅力です。

毛芯や肩パッドを省いた、いわゆるアンコンストラクテッド仕立がオススメです。

品質は47% Wool + 40% Cotton + 13% Polyester(340g/m *136cm巾)です。

Dondiは ↓このようなミル↓ です。

—–

Dondiは1970年に北イタリアで創業された世界屈指のJerseyメーカーです。

現在はErmenegildo Zegnaの傘下に入り、CashmereやWoolを中心とした最高品質の原料のみを使用したJersey素材を生産しています。

以前からトップメゾンがこぞって愛用するJerseyメーカーであったと同時にファッショントレンドの変化によってJersey素材の需要が増加していることもあり「近年最も注目されるテキスタイルメーカー」として業界内でのプレゼンスを急激に高めており、現在は「高級Jersey」の代名詞的存在になりつつあります。

「柔らかくとろけるようなタッチ」と「洗練されたカラーリング」、そして「歴史ある専業メーカーならではの安定した品質」を併せ持ったDondiのJersey素材は「極上の着心地」と「織物とはまた異なる気品」を兼ね備えたこの時代に相応しい新定番として世界中のハイエンドマーケットで重宝されています。

—–

 

 

William Halstead / John Foster / Lassiere Mills

 

 

名門UKミル3社:William Halstead・John Foster・Lassiere MillsによるNavy Blue Jacketingです。

いずれもそれぞれの個性が存分に発揮されているナイス素材だと思います!

長くなってしまうので今回は3社の説明は割愛します。

もし「知っておきたい」という方がいらっしゃいましたら、3社ともすでにご紹介したミルなので以前の回でチェックをしてください。

William Halsteadはこちら、John Fosterはこちら、Lassiere Millsはこちらでご確認いただけます。

1番上:William HalsteadのRoyal Heritageです。品質は100% Wool(580g/m)。ウエイトもさることながら打ち込みも強力なのでかなりハード&ヘヴィなJacketingです。バシバシです!こちらはリリースして数十年(正確なリリース年は現時点では確認できませんでした汗)経っているそうですがリリース以降一度もマイナーチェンジを行なっていないそうです。イイですね〜!

上から2番目/3番目:John FosterのOld Timerです。品質は100% Wool(360g/m)。200年以上の歴史を誇るJohn Fosterのアーカイヴから復刻されたトラディショナルボディです。William Halsteadを少し軽快にソフトにした感じでしょうか。それでもかなりハードタッチです!2マークともNavy Blueです。個人的には下の方が好みですが。他の2社がいずれも下に近いNavy Blueなのでよりダークな上があるのは嬉しい限りです!

1番下:Lassiere MillsのParis Tailor “Blazer 17.5” です。品質は100% Super 120’s Wool(340g/m)です。 “French British” という異名も持つLassiere Millsらしい「上品かつ洗練された、そしてエスプリに富んだParisのテイラーをイメージしたJacketing」です。17.5μのSuper 120’s原料を使用したボディはしっとりとし滑らかさと優雅な光沢を誇ります。打ち込みはかなり強めです。

以上、三者三様なNavy Blue Jacketingでした。

いずれもクラシカルなブレザーをイメージした素材ですが。。。

そして、同じNavy Blueですが。。。

全然仕上がりが違います!

素材というのはやっぱり奥が深いですね!

 

 

Harris Tweed

 

 

お馴染みのHarris Tweedです。

品質は100% Wool(480g/m)、いわゆるFeather Weightです。

Feather weightという表現から「少し軽いのかな?」と想像される方も少なくないと思いますが、現在一般的に流通してるHarris Tweedはこちらですのでまったく軽く感じないと思います!

とはいえ、もちろん「もっとヘヴィなTweedがいい!」という方もいらっしゃいますので、そういった場合には別途Donegal Tweed等をご紹介しています。

それはともかく、洗練されたカラーリングがとてもナイスではないでしょうか!?

僕は特に左のブルーグラデーションが気になります!

すごくキレイですよね〜!

Harrsi Tweedはもうご説明の必要はないと思います。

が、念のため。。。

Harris Tweedは、ScotlandのOuter Hebrides/アウターヘブリディーズ諸島発祥のツイードで、Virgin Britihs Woolを使用、島内で染色と紡績をし、Harris島の市民権を持った職人の自宅で手織り(厳密に言うと人力織機を使用)されています。

また、Harris Tweed協会によって決められた厳しい基準をクリアした素材のみがHarris Tweedと認められ商標が与えられます。

Harris島の豊かな自然が生み出す天然のカラーパレットをモチーフにしたデザインは唯一無二の美しさがあり、20世紀初頭にはLondonで流行しその後世界中の人々を魅了して現在に至ります。

 

 

Maring & Evans

 

 

 

 

Undyed British Woolのスマッシュヒット等で、この10年くらい実力派UKミルとして世界中で注目を集めているMarling & Evansのヴァラエティに富んだ極上Tweedコレクションです。

いずれも目の詰まった手応えのある素材感と上品でなめらかな風合いが特徴のTweedです。

下画像の2マークがそのUndyed British Wool(詳細は後述します)です。

やっぱりUndyed British Woolもね、抜群に素敵です!

が、存在感あふれる他の6マークもすごく魅力的だと思います。

皆さんはどのツイードがお好きですか?

上画像:トラディショナルパターンをモダンなカラーリングで「料理」したモダンクラシックTweedです。いずれもとてもカッコいい仕上がりだと思います。品質は100% Wool(370/gm)です。

中画像:ややソフトなタッチで仕上げたBlue系のアーバンTweedです。Italianミルを彷彿とさせるこういったカラーリングを得意とするのもMarling & Evansの魅力かもしれません!品質は1番上が100% Wool(340g/m)で下2マークは100% Wool(370g/m)です。

下画像:Undyed British Woolです。詳細は下に記しますがいずれも染色していないWoolを使用しています。つまり、このカラーの羊がいるということです。品質は100% Wool(370g/m)と上画像および下画像の2マークと同じですがUndyed British Woolの方が肌触りはかなりハードです。

Marling & Evansは ↓このようなミル↓ です。

—–

Maring & Evansは1782年にEngland南西部のStroudに紡績・製織・整理の機能を持つ一貫生産体制のメーカーとして設立されました。

19世紀にはFlannelで広く知られるようになり、1920年代にはロールスロイスが厚手のFlannelを内装に使用したことでも話題になりました。

1960年代には現在のHuddersfieldに移転、Flannel、Saxony、Lambswool、Shetland、Undyed British WoolといったUKスタイルの素材だけを展開して今日に至ります。 

特に「UK羊毛のナチュラルカラー糸で生産するUndyed British Wool」はその生産工程のこだわりを数多くのメディアが取り上げるなど、Marling & Evansの代名詞的存在にまで育ちました。

具体的には「希少なUK羊毛のみを使用して」「紡績・製織工程に染料や化学物質は使用せず」「フィニッシュ工程では天然の石鹸を使用して」Undyed British Woolは生産されています。

加えて、全生産工程が半径6マイル以内の工場で行われるため二酸化炭素の排出量が最小限に抑えられています。

Undyed British Woolは環境への負荷が抑えられると同時にUK羊毛が誇る昔ながらの味わいが見事に表現されたこの時代に相応しい傑作なのです。

—–

 

 

Moon

 

 

名門TweedメーカーMoonのTweedです。

品質は100% Wool(370g/m)です。

England北部のYorkshire州に本社を構えるMoonはヴィクトリア女王が即位した1837年創業です。

創業者Abraham Moonが起業した際は「家庭で紡いでいたTweedの糸を集めて買い取りそれを仕上げて販売するスタイル」の会社だったそうです。

そして、1868年に毛織物の仕上げに理想的な創業地の水を引き込み製織工場を設立。

新しく敷かれた鉄道の力もあり、 間もなくMoonのTweedは国内のみならずEurope中へと一気に広まりました。

Moonは創業以来現在に至るまで「染色、紡績、製織、整理といった全工程」を自家工場内で一貫して行っています。

MoonのTweedが工場生産でありながらも、家庭で作られるような手織り感の深い味わいを持っているのはそのためです。

ちなみに、UK内はもちろん世界的に見ても紡績もできるミルは極めて稀少です。

僕が知る限り日本には存在しないはずです。

という「優位性」から生み出される「複雑に何色もブレンドされた美しい糸」はMoonが多く持つ優れた特徴のひとつで、それゆえの個性的なデザインも世界中で高い評価を受けています。

また、自社の一貫生産ゆえにコストパフォーマンスにも非常に優れており「TweedならまずはMoonから探してみる」のも良策かもしれません。

こちらの3マークもいかにもMoonらしいTweedだと思います!

僕は一度だけMoonの本社を訪れたことがあります。

確かに駅から近かった記憶があります。

そして、思いの外モダンな会社(特にデザインルーム)だったことに感銘を受けました!

以来、Moonが大好きな僕です!

全マーク紹介は以上です。

続いて、この膨大かつどれもこれも素敵なコレクションの中からセレクトした「僕のBest 5」をご紹介します。

いつも書いている通りあくまで「今日の」なので、そして惜しくも今日は選外になった素材も素晴らしい色柄ばかりなので明日には変わっているかもしれません。

悪しからずです!

 

 

今日の「僕のイチオシ」5-1

 

 

FTDからはこちらをセレクトしました。

冒頭にコンパイルされているGold CollectionのBeige(左)とBrown(右)です。

素材の美しさはもちろんBeigeに貼られている堂々たるGold Collectionの織ネーム(タグ)もナイスですよね〜!!

僕はこちらならBrownをメインに使って、ここ最近のお気に入りであるミリタリーテイストあり&MODなダブルブレステッドスタイルで作りたいです。

はい、今春GreyのヴィンテージTonikで作ったダブルブレステッドスーツと同じデザイン/スタイルです。

具体的なデザインは「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×3がけ + ロープドショルダー + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」です。

そして、カラー(上衿)やチェストポケット、ターンバックカフス等の一部パーツにBeigeを使いたいです。

ボタンは「いつか使おう」とストックしているヴィンテージのGoldメタルボタン、ライニングはLiberty PrintからGold系のフローラルプリント(あったっけ?)をセレクトしたいです。

一部パーツに使うBeigeとの「ストーリー」でフラワーホール(衿穴)糸やボタンホール糸の一部はBeigeにしたいです。

 

 

今日の「僕のイチオシ」5-2

 

 

E.Thomasからはこちらをセレクトしました。

このクール&ペールトーンの美しいGreigeに惚れました!

E.Thomasの素材で久し振りに作るならスーツかな?と思っていましたがこちらもすごくよさそうです!!

軽快なロングコートを作ってもよさそうですがやっぱりジャケットですね。

僕はこちらなら少しフォーマルテイストのあるジャケットを作りたいです。

具体的には「ワイド巾:10.5cm巾&ラウンドシェイプのピークトラペル + シングルブレステッド1ボタン + ロープドショルダー + ウェルト仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + クラシックフロント + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で作りたいです。

ボタンはくるみボタン、ライニングはLBDのP&F LiningsにコンパイルされているBlackベースにSilverのスカルプリントにしたいです。

そして、ライニングとの「ストーリー」でカラークロス(上衿裏のフェルト生地)やフラワーホール糸や一部ボタンホール糸をBlackにしたいです。

絶対にスーパースタイリッシュにキマると思います!

 

 

今日の「僕のイチオシ」5-3

 

 

Willam Halsteadからは(というかUKミルのNavy Blue Jacketingからは)こちらをセレクトしました。

このバンチブックにWilliam Halsteadの素材はこの1マークのみしかコンパイルされていませんが、その存在感は抜群に濃厚、文句なしの傑作だと思います。

昨年このバンチブックに初登場した(と記憶しています)のですが、それ以来「ブレザーを作るなら絶対にこれ!」と決めています。

僕はこちらなら、ミリタリーテイストが強い8個ボタンスタイルのダブルブレステッドブレザーを作りたいです。

具体的なデザインは「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド8ボタン×4がけ + ロープドショルダー + ウェルト仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」です。

ボタンはストックしているヴィンテージのSilverメタルボタンでキマリですね!

ライニングは。。。

“♡ Camo” silk c/# blue/charcoalがイイのですが、何度も書いた通り既にソールドアウトしました汗。

が、しかし、裁断ミス等のトラブルがあると困るため、ソールドアウト告知時には念のため通常のジャケットでボディライニング1着分くらいの余裕を残しています。

なので、もし “♡ Camo” silk c/# blue/charcoalでご注文いただいたスーツ/ジャケット/コートが問題なくすべて仕上がったら1着分余る計算です。

でも、それとてお客様優先ですからね。。。

となると、Liberty LiningsからStrawberry Thiefをセレクトするのがベストでしょうか?

なお、 “♡ Camo” silk c/# BGRは余裕を残した分も完売済みです。

 

 

今日の「僕のイチオシ」5-4

 

 

Marling & Evansからはこちらをセレクトしました。

このクリエイティヴなカラーリング!

超スーパー素敵ですよね!!

最近RedとYellowに続いてGreenが気になっているせいかこの素材もめちゃくちゃカッコよく見えます!!!

皆さんはいかがお感じですか?

僕はこちらならヴェリーEnglishなスタイルで「料理」したいです。

具体的には「7.5cm巾のセミノッチドトラペル + シングルブレステッド3ボタン×上ふたつがけ + ロープドショルダー + 両玉縁&フラップ仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + クラシックフロント + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で作りたいです。

ボタンはmade in EnglandのNavy Blueリアルホーン(本水牛)ボタン、ライニングはLiberty LiningsからGreenが効いたフローラルプリントを見つけたいです。

そして、ウインドウペーンおよびライニングとの「ストーリー」でカラークロスやフラワーホール糸や一部ボタンホール糸をGreenにしたいです。

絶対にスーパースタイリッシュにキマると思います!

 

 

今日の「僕のイチオシ」5-5

 

 

Moonからはこちらをセレクトしました。

Urban Countryというワードがよく似合うボディ + パターン(ハウンズトゥース)+ カラーリングに心惹かれました。

僕はこちらならちょっと異色のスリーピーススーツを作りたいです。

具体的には、ラグランスリーヴ + セミステンカラーのバルマカーンコートとノーフォークジャケットとニッカボッカーズの3ピースです。

サイコーに素敵なスリーピーススーツだと思うな〜!

いや。。。

プラスでキャスケットとボウタイも作ってファイヴピーススーツにした方がもっと素敵かもしれませんね!!

ボタンはDark BrownのLeatherボタン、ライニングはPurple系のペイズリープリントライニングにしたいです。

そして、チェックおよびライニングとの「ストーリー」でカラークロスやフラワーホール糸や一部ボタンホール糸をPurpleにしたいです。

 

以上です。

 

次回はこのバンチブックの右側をご紹介します!

右側もかなり濃厚です!!

乞うご期待ください。

 

 

 

31st Oct. 2025

Ryoji Okada

 

 

 

< New bunch book collection >

  ☑︎ vol.1: Perennial Classics by Holland & Sherry

  ☑︎ vol.2: Mallalieus / Dormeuil

  ☑︎ vol.3: Dormeuil / William Halstead etc.

  ☑︎ vol.4: Botany by Smith Woollens

  ☑︎ vol.5: Bower Roebuck / Arthur Harrison etc.

  ☑︎ vol.6: John Foster / Woodhead

  ☑︎ vol.7: Darrow Dale 2-1

  ☑︎ vol.8: Darrow Dale 2-2

  ☑︎ vol.9: Drago

  ☑︎ vol.10: Carvico

  ☑︎ vol.11: Glenroyal by Porter & Harding

  ☑︎ vol.12: Lanificio Rogna

  ☑︎ vol.13: Loro Piana

  ☑︎ vol.14: Fratelli Tallia Di Delfino

  ☑︎ vol.15: Ermenegildo Zegna

  ☑︎ vol.16: E.Thomas / Marlane / Novara

  ☑︎ vol.17: Lanificio Di Tollegno

  ☑︎ vol.18: M by Biellesi 2-1

  ☑︎ vol.19: M by Biellesi 2-2

  ☑︎ vol.20: Phantom Flannel by Hardy Minnis

  ☑︎ vol.21: Bodega

 



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