クリスマスまで1週間とちょっと。
街にはたくさんのクリスマスソングが流れています。
JUDAS PRIESTなんて聴いている場合ではありませんね笑。
久し振りに聴いたらやっぱりすごくカッコよくて思いっきり血がたぎったので「次は(来日公演が控えている)SAXONだ!」などとも思いましたが時節柄自重します!
ちなみに、僕にとってのNo.1クリスマスソングはTHE POGUESのFairytale Of New YorkとLAUGHIN’ NOSEのWhite Christmasです。
どちらもサイコー過ぎる名曲なので機会があればぜひとも検索して聴いてみてください。
前者がコンパイルされている傑作アルバムIf I Should Fall from Grace with God(1988年作品)はクリスマス当日に聴こうかな?
そんなこんなで、今日からは少しロマンティックな音源をセレクトすることで「店内のクリスマスムードを高められたらいいな!」と思っています。
初日は。。。
GREGORY PORTERのベスト音源集Still Rising – The Collection(2021年作品)にしました。
しっとりした曲はもちろんゴキゲンな曲もたくさんコンパイルされているのでちょうどいいや!
この週末はご来店こそ多かったもののセールス的には少々厳しかったので切り替えて頑張ります。
どうぞ引き続きの応援をお願いします。
Go! LOUD GARDEN!
ところで。
「ロマンティック」といえば。
今日は最近お作りしたスカートをご紹介します。
ファッションはもちろん何ごとにも強いこだわりとはじける遊び心をお持ちのお得意様N様から「こういうスカートできますか?」とご相談をいただいた際には「そこまで難しくないのかな?」と思ったものの。。。
実はメンズのテイラードウェアを中心にやっている我々にとっては超スーパー難しかった。。。
というスカートです。
いや、もしウイメンズ中心のテイラーさんでもレザーパーツ云々があるから決して簡単ではないんじゃないかな?
ともあれ、おおよそテイラーらしくないアイテム(例えばリヴァーシブルのバルマカーンコートとかMA-1タイプのブルゾンとかモーターサイクルジャケットとかトラッカージャケットとかセイラーパンツとかデニムパンツとかスカルハットとかパッチワークバッグとか)をたくさん作っていると予想外のご依頼が絶えず飛んできます。
そのご依頼を嬉々として承り、楽しく悩み、勉強しながら苦労をしてなんとか「モノにする」。
それって素晴らしくクリエイティヴで最高にエキサイティングな活動ではなかろうか?
と同時に「LOUD GARDENならできるのでは?」と頼っていただけることが心底からありがたい!
そんな風に思っています。
難しいアイテムを複数並行して進めている時(まさに今!)には「たまには普通のスーツを10着連続で承りたいよ!」な〜んてことがチラッと脳裏をかすめることもないではないですが笑。
今回承ったスカートはmade in Scotlandの「リアル」Black Watch素材を使ったKiltタイプのロングプリーツスカートです。
僕が愛するIrelandで作られた某ブランドの既製品が日本でもたくさん流通しているタイプです。
N様はパートナーのM様へのギフトとしてお考えでした。
M様はやや高めとはいえ一般的なご身長かつとってもスリムなご体型、つまり既製品でも問題なくお召しいただけるご体型です。
であれば、既製品でも??とも思いましたが、そこにはとてもロマンティックな仕掛け?想い?がありました。
N様は昨年Harrisons謹製の「リアル」Black Watch素材でジャケットを作ってくださいました。
はい、「M様にも同じ素材のスカートを贈りたい!」という最高に素敵な想いです!!
某ブランドの既製品にもBlack Watchはあるんです。
けれど、N様のジャケットと完全に同じ素材ではありません。
となると作るしかありませんよね。
という経緯でご注文いただきました。
本当にありがたいご縁とご注文でした。
では、さっそく紹介しましょう!
今回お作りしたスカートは ↓こちら↓ です。
慣れないアイテムなのであまりうまく写真が撮れなかったのが少し悔しいですけれど。。。
縫製前に竹林君と僕で手分けをして何度も某ブランドの既製品を見に行ったり(親切にしてくださったスタッフさんにこの場を借りて心より厚く御礼を申し上げます)、web上であれこれ「材料」を集めたり、縫製を依頼した職人さん(時々依頼する素晴らしく丁寧かつ誠実な女性の職人さんです)と膨大な打ち合わせを重ねたりしてからスタートしたので、そして念のために仮縫い服を作ったので仕上がりはディテイルもフィッティングも完璧だと思います!
仮縫い服を作った上にギフトということで、またかなりお忙しいということで、本縫い完成時にM様はいらっしゃらなかったのですが、お渡しした翌日にN様から「とても喜んでいます!」というご連絡をいただけたので、間違いなく完璧なはずです。
というこちらのスカートですが、構造的にはシンプルなラップスカート/巻きスカートです。
が、たくさん入ったプリーツ、前ハシのフリンジ(?)加工、レザーパーツ&バックル等々がかなり難しかったです。
また、用尺(作るのに必要な素材の長さ)が思ったより長かったのも意外でした。
具体的には僕サイズのジャケットなら十分作れる長さでした。
では、その難しかった部分を「寄り画像」で見てみましょう!
まずはプリーツです。
ご覧の通りとても美しいプリーツが完成しました!
このプリーツですが。。。
ボトムスのセンタークリースのようにスチームアイロンをあてるだけで構築すると水に濡れた時等に消えてしまいます。
なので、今回は「プリーツ加工」なるものをしてもらいました。
プリーツ加工の存在を僕は今まで知りませんでしたのでとっても勉強になりました!
*職人さんから聞いた話から判断するとボトムスのシロセット加工に似た加工だと想像しています
レザーパーツ&バックルです。
レザーパーツとバックルはとにかく苦労しました!
具体的には既製品が容易に見つかると思っていたのですがまったくそうではありませんでした。
この甘さ。。。
不勉強が恥ずかしい限りです。。。
あれこれ探してみると「キルトスカート用」という名目でフェイクレザーのパーツとバックルのセットは既製品で存在するのですが、本物志向のN様が贈るギフトにフェイクレザーはありえません!
仮にフェイクレザーを肯定したとしても、その既製品セットは想定していたサイズよりかなり小さいという問題がありました。
という訳で、レザーパーツとバックルを別々に探し始めたのですが。。。
いずれもなかなかベストなモノが見つかりませんでした。
バックルは真ん中にバーがある「日の字タイプ」というデザインと「ローラーつき」という仕様とサイズがネックでした。
ローラーつきでなければいくらでもあるのですが。。。
が、なんとかこちらを見つけてバックルは既製品を使うことができました。
問題はレザーです。
じっくり時間をかけて&あらゆる手段を使って調べた結果、最終的に「既製品を使うのは不可能」と判断しオーダーメイドしました。
「ベルトの先端を使ってみては?」というアイディアを思いつく方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、それだとホールの位置と厚さに問題が出ますし、サイズ面におけるバックルとの相性という問題もあります。
かくかくしかじかで、複数の先(懐かしの厚井さんにも!)に問い合わせをしました。
そして、今回はその中で最も早くて最もリーズナブルなお見積もりを出してくれた広島の工房さんにお願いしました。
納期と価格と素晴らしい仕上がりに加えて「縫い代部分だけより薄くすいて欲しい」という依頼にも完璧に対応してくれるなど最高の工房さんでした!
いつかなんらかのコラボレーションをしたいです。
というプロセスを経て完成したのがこちらのレザーパーツです。
かなり苦労はしたけれど得難い経験でした!
そして、ギリギリではありましたがM様のお誕生日に間に合って本当によかったです!!
今回はピンもご用意しました。
通常は75mmサイズなのですが業者さんの意見やweb上の評価によると「75mmは穴が開きやすい」ようなので、50mmを3カラーご用意しました。
トップス等との相性を考えて使い分けていただきたいです。
以上です。
紆余曲折を重ねて、楽しく苦労して完成させたスカート!
超スーパー自信作です。
N様、いつも本当にありがとうございます。
大切な機会に当店をお使いいただき本当に光栄でした!
今後とも当店を何卒よろしくお願い申し上げます。
M様、お誕生日おめでとうございます。
職人のWさん、広島のレザー工房のSさんにも心より御礼を申し上げます。
16th. Dec. 2024
Ryoji Okada