CFまで進んでいるNBAですが、The FinalsはOKCとINDのマッチアップになりそうな感じですね。
もしそうなったら。。。
OKCとINDなんて。。。
最近ディープにNBAを追っていない僕からするとなんともびっくりなマッチアップです。
まあ、仮にMIN-NYKでもびっくりなんですけどね。
いずれにせよ、もしOKC-INDになったら。。。
R.MillerとJ.Roseの時代(古い!)はいくつかあった好きなチームのひとつだったものの今のINDには思い入れがまったくないし。
かといって、OKCにはSEA時代から一度も関心を抱いたことがないし。
「どちらでもいいか!」と思ったら、INDのHCはまだR.Carlisleではないですか!?
はい、2011年にDALを頂点に導いた男です。
となれば、やっぱりINDを応援します!
妻が通った高校もINDですしね。
でも、まずは。。。
NYKのカムバックに期待しましょう!
敵地でシリーズをタイに戻せれば俄然可能性が高まるはずです。
先日もこのDiaryに書いた通り、CFに残っている4チームだとNYKが最も応援したいチームですから。
Go! KNICKS!
ところで。
「NBA」といえば。
6日振りに新作バンチブックをご紹介します。
「5月末までに25回目を絶対終わらせる!」という己に課したミッションこそクリアすることができましたが、5月の不調は依然として続いています汗。
2024年12月からコツコツ築いてきた貯金が一気に瓦解するぐらいの大激震・超絶なる不調からは少し挽回しつつありますがそれでも不調は絶賛継続中です。
NBAを筆頭にしたスポーツでもビジネスでも「転げ落ちる時はあっという間」という趣旨の表現をしばしば使うと思いますが身に染みています。
とはいえ、一朝一夕で生まれる効果的打開策などある訳もないので、とにかくエキサイティングテイラーらしいネタを日々ポストする。
この2週間くらいはその意識でこのDiaryを更新しています。
未紹介のバンチブックにもまだゴキゲンなコレクション残っていたのは幸いでした。
という訳で、26回目の今日はUKメイドの極上Suiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)がコンパイルされている1冊をご紹介します。
具体的には、Dormeuil、John Cavendish、Savile Clifford、William HalsteadのSuitingがコンパイルされているバンチブックです。
7回目、24回目同様に「UKメイドの極上品がコンパイルされているバンチブック」とはいえ、「かぶり」は一切ありません。
そして、今日ご紹介するバンチブックも7回目、24回目同様に見どころ盛りだくさんです!
つきましては、「今回はUK素材で作りたいな」というイメージでご来店の際にはぜひとも忘れずに3冊ともチェックをしてください!!
いや。。。
3冊だけではダメでした汗!
ぜひ3冊に加えてSmith WoollensのAbacusやHolland & SherryのBespoke #31やDarrow Daleといった新作バンチブックとHarrisonsの定番バンチブック等々もチェックをしてください。
もちろんお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも可能ですので「Tonik Wool Solaroに似ているmade in Italyの素材はある?」とか「William Halsteadの1番上をもう少し質感と色柄が分かりやすい画像で見てみたい」とか「Savile Cliffordのイチオシブラウンがすごくよさそうなので前回と同じスーツを作っておいて!」といったご質問やご要望がありましたらどうぞお気軽にお申し付けください。
すぐにご対応します!
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のバンチブックです。
錚々たるビッグネームが並ぶ表紙がまず壮観ですよね!
もちろん内容も壮観、各社の「いいところ取り」をしたような素晴らしいコレクションに仕上がっています。
また、4社ともかなり個性が異なるマーチャント/ミル/ブランドです。
皆さんの心にはどこの素材が最も「刺さる」のか?
とっても気になります。
それでは、まずは冒頭から全マークをご紹介して、最後に「僕のBest 5」を披露したいと思います。
が、その前に。。。
このカヴァー写真の下部に2024 Spring & Summerと記されているのにお気づきの方もいらっしゃると思います。
はい、もちろん今年は2025年です。
でも、これはも誤植ではありません!
なぜなら、こちらは当初から2年間継続予定のコレクションとして昨年リリースされたバンチブックだからです。
ん?
よくよく考えたら、それならば「2025~2027有効」とカヴァーに記されていたLarusmianiのようにするのが正しい気もしますね。
だとすると誤植の範疇かも。。。
それはともかく、2年間継続のバンチブックの最終年!
そして、素晴らしい内容ですので昨年に続いてもう一度ご紹介します。
昨春以降にこのDiaryをチェックし始めてくださった方もいらっしゃるかもしれませんしね。
Dormeuil 1-1
トップバッターはDormeuilです。
コンパイルされているのはわずかに8マークですがその内容は濃厚、作ってみたい素材ばかりです。
上4マークはTonik Wool Solaro*で、下4マークはDormeuilが展開するMohairブレンド素材のトップクオリティボディ:Super Brioです。
Tonik Woolは、MohairブレンドクオリティであるDormeuilを代表するベストセラーボディ:TonikをパタゴニアWoolのみを使用しオリジナルに近い手法・糸番手で再現した近年におけるスマッシュヒットボディです。
希少なパタゴニアWool由来の膨らみとハリコシと保湿性、オリジナルTonikを再現したゆえの優れた耐久性と通気性と仕立て映えがその魅力です。
Tonik Woolがリリースされた際には「まあ、やっぱり。。。TonikといえばMohairブレンドじゃないとね」とやや冷ややかな反応をしてしまった僕ですが、その新シリーズであるこのTonik Wool Solaroには魅了されました。
品質は100% Wool(320g/m)、組織はツイル(綾織)、上からNavy blue、Grey、Beige、Brownです。
こうなってくるとTonikの面影はありませんけれど(笑)、素晴らしい素材です!
イタリア語で太陽を意味するSolaro/ソラーロ。
経緯(タテヨコ)に異なるカラーの糸を使用して織り上げられるため、見る角度によってカラーや光沢が微妙に変化し様々な表情を見せてくれる通好みの素材。
かように微妙な変化(タマムシ効果とも)を持った素材を我々の業界ではSolaro(英語ではSun Cloth)と呼びます。
こちらはDormeuilが初めてリリースした渾身のSolaroです。
一般的なSolaroに比べて、経糸と緯糸のカラーがそこまで変わらないので極めてシックな仕上がり/Solaro度が低めなのもDormeuilらしくて素敵だと思います。
ただ、残念なことに「微妙な変化」や「タマムシ効果」は静止画像だとほとんど伝えることが出来ません。。。
なので、その真髄はぜひとも店頭にてお確かめください。
*Solaroはもともと亜熱帯の植民地にて英国の兵士が紫外線から肌を守るためにSmith Woollensが開発した「表面にカラーが強く出る経糸」には紫外線を反射する明るいKhakiを、「裏面にカラーが出る緯糸」には肌を守るための暗いRedを使った素材です
続いて、Super Brioのご説明を。
Dormeuilは創業以来多くの個性あふれる世界的ベストセラーをリリースし続けることで名声を築き上げてきました。
その代表格が1922年リリースのSportexと1957年リリースのTonik、そして1958年リリースのSuper Brioです。
Super Brioは、Dormeuil史上最大のヒット作であるTonikと並び称されるMohairブレンド素材の傑作です。
リリース当初のTonikはWool 50% + Mohair 50%(390g/m)という品質でした。
21世紀だとOvercoating(オーヴァーコーティング:コート向けテキスタイル)コレクションでも見つけられるほどのウエイトですが、当時は現在と気候も人々のマインドも異なる時代だったため「Mohair由来の通気性に優れながらも質実剛健」「暑い夏でも快適!」ということで大人気を博します。
Dormeuilの開発部門も相当の自信があったようです。
「それが証拠に」という訳でもありませんが、そのあまりの素晴らしさを祝し完成時にスタッフ全員でジントニックで乾杯をしたことからこの名前がつけられたという逸話が残っているほどです。
そしてその自信が証明されたかのような大ヒット、当時のDormeuil本社にはジントニックがいくらあっても足りなかったことでしょう!
僕が今春作ったDark greyのダブルブレステッドスーツもオリジナルのTonikに近いヴィンテージです。
Super Brioは、Summer Kid Mohairを60%使用すると同時に40%のWoolをより細番手にして完成させたTonikの進化系、軽量版ともいえる傑作です。
ちなみに、Summer Kid Mohairとは生まれた年の夏に初めて刈り取られた仔山羊の毛を指します。
つまりは一生に一度しか刈り取れない希少価値の高い、そして(赤ちゃんの毛と同様に)繊細で柔らかい毛を使っている訳です。
柔らかいといってもそこはMohairですからね、かなりのシャリ感とハリです!
正確な品質は60% Summer Kid Mohair + 40% Wool(250g/m)、組織はトロピカル(平織)です。
数多くのヴィンテージ素材を見てきた僕ですが、記憶によれば1970年代の素材ですら250g/mはかなりライトウエイトだったはず、すなわちリリース当時において250g/mというウエイトは超ウルトラライトだったはずです。
Tonikに次ぐ大ヒット商品になったのも納得ですしDormeuilの技術力の高さに脱帽です!
僕も2回連続の大ヒットを飛ばしたいものです。。。
それはともかく、今回収録されているのは完全な無地4マーク、上からBlack、Navy blue 2-1、Navy blue 2-2、Light greyす。
いろいろ書きました(いきなり長文になり申し訳ありません!)けれどSuper Brioですからね。
最高です!
そして、やっぱりこうして名品中の名品を目の当たりにすると激しく作りたくなります!!
Dormeuilのご説明は。。。
不要だとは思いますが簡単に!
Dormeuilはパリに本社を置く世界最古のマーチャントです。
その歴史は1842年にイギリスから毛織物を輸入販売することから始まりました。
以降、「1927年に世界で初めて服地にセルヴィッヂ(耳)を採用」「それまでは難しいとされていたMohair原料を使用した服地の製造に成功」「Tonik等の歴史的傑作を複数リリース」といった数多くの逸話を残して現在に至ります。
上記の通りフランス企業ながらも創業ほどなくして独自の感性を反映したオリジナルファブリックを英国のミルに織らせたり、1971年にはロンドンに1号店をオープンさせたり、英国ミルを傘下に収めたりと「英国色」が極めて強く、コレクションはそのほとんどすべがイギリスのハダースフィールドにある傘下のミルにて生産されています。
創業から183年。
紋章に刻まれている “domus optima domous amica(最高の品質を最高のおもてなしで)”という言葉のとおり、現在もトップマーチャントとして世界80カ国以上にその美しい作品を供給し続けています
John Cavendish 2-1
John Cavendishは1988年創業のブランドです。
創業37年というとテキスタイルメーカー業界ではヒヨッコ同然ではありますが、にも関わらず既に世界中の一流テイラーおよび数多のデザイナーズブランドに供給を行うなど大変高い評価を得ています。
その最大の特徴は、UK素材の持ち味である頼り甲斐のあるハリとコシを残しながらもイタリア素材のような繊細さや優雅な光沢が表現された「UK素材とイタリア素材が高い次元で融合したテイスト」にあります。
その「独特の立ち位置」こそがまだ若いメーカーであるJohn Cavendishのプレゼンスを飛躍的に高めた主要因に違いありません!
副要因として強力な営業力といったこともあるのかもしれませんが。。。
LOUD GARDEN/RYOJI OKADAに最も欠いている力ですね汗。
この苦難・苦境を乗り越えるためになんとしても頑張らねば!
それはともかく。
こちらは75% Super 130’s Wool + 25% Silk(260g/m)のツイル組織素材、Four SeasonsタイプのSuitingです。
確かにかなりイタリアンミルっぽい品質ですよね。
Made in EnglandのSuitingでSilkブレンドってまあまあレアですから。
また、最高品質のSilkが25%もブレンドされていることに由来する優雅極まりない豊かな光沢もイタリアンミルを彷彿とさせます。
2023-2024 Autumn/Winterシーズン向けのバンチブックにも同社の似たクオリティ:90% Super 120’s Wool + 10% Silk(270g/m)のSuitingがコンパイルされていましたけれど、25%の半分にも満たない10%のブレンドでも光沢が見事でした。
それが25%ともなると。。。
より一層美しいのは自明の理です!
というエレガント&ラグジュアリーでイタリアンテイスト強めのクオリティながら、その手触りは上述の通り頼り甲斐のあるハリコシに恵まれています。
そして、色柄はいかにもUK素材っぽいクラシカルテイスト!
これは「好きな人はかな〜り好き」ではないでしょうか?
が、しかし、ハリコシは静止画像だとまったくお伝えが出来ませんし、25%のSilkが効いている光沢も実際に素材を動かしてもらった方がより一層分かりやすいと思います。
つきましては、ぜひともご来店の際には実際に触って/動かしてみてください!
上画像:柄物10マークです。いかにも英国っぽい色柄が魅力です!
下画像:無地系(シャドウストライプ)と無地8マークです。ややカジュアルなカラーまでフォローされているのが嬉しい限りです。
John Cavendish 2-2
こちらは、トロピカルで仕上げた80% Super 130’s Wool + 20% Mohair(240g/m) のSuitingです。
タイプ的にはSpring/Summerシーズン向け、春先から秋口までをカヴァーする素材です。
Mohairは通気性のよさ、独特のシャリ感、上品な光沢、豊かな仕立て映えに恵まれる素材ですが、ややハードなタッチという欠点(僕のような人間から見るとそれこそが利点/美点なのですが。。。)があります。
この素材はその欠点を細番手原料のWoolを使うことで解消しています。
「Mohair由来のハリとシャリ感」と「細番手原料のWool由来のソフトなハンドリング」が奇跡的に両立している様は本当に見事ですのでぜひとも店頭でお確かめください。
上画像:モダンレトロな柄物5マークです。いずれもとてもスタイリッシュなスーツが仕上がること間違いなしだと思います!
下画像:モダンクラシックなストライプ8マークです。どれもとっても魅力的なストライプですよね!
Mohairブレンド素材の柄物は比較的珍しいのですが、「全マークが柄物/無地が0マーク」という潔さも素敵だと思います。
Savile Clifford 1-1
一転、Savile Cliffordは無地/無地系オンリーです。
これまた潔い!
Savile Cliffordは1899年創業、現在は大手マーチャントScabalの傘下に入っているモダンクラシックなモノ作りを得意とするブランドです。
Savile Cliffordの素材で作ったことは一度しかないのですがすごく好印象だったのでまた作ってみたいです。
まずは上画像の7マークからご説明します。
7マークとも素晴らしいですが特に上5マークは珠玉の仕上がりです!
品質は52% Wool + 48% Linen(310g/m)、ハードな100% Linenにも似た「顔」と肌触りを持つ一方でWool特有のしなやかさと滑らかも併せ持つハイブリッドな傑作です。
Linenが持つナチュラルでリラックスしたテイストとWoolが持つシックでエレガントなドレープを共有したこのボディで作ったスーツ/ジャケットは、きっと爽快なリゾートスタイルにラグジュアリー&クラッシーなムードを加えてくれるに違いありません。
上からNavy blue、Blue、Brown、Beige、Khakiです。
カラーヴァリエーションも抜群にナイスだと思います!
下2マークはヴィンテージテイスト溢れるハードタッチなピンヘッド素材、品質は100% Wool(275g/m)です。
太番手由来の大きめピンヘッド、ドライなタッチ、ハードな打ち込み等々、極めて通好みな素材です。
続いて下画像をご紹介します。
上4マーク:Solaroタイプのヘリンボンです。いずれもとても複雑かつ繊細なカラーが特徴です。
上から5番目と6番目:シャークスキンタイプの無地です。通常のシャークスキンより柄出しが強めかつ個性的で少々モード感のある「顔」に仕上がっているのが◎だと思います。
下8マーク:微妙に組織が違う素材もありますが完全な無地です。
下2マークを除く12マークはいずれもクリアカットのツイル組織で品質は100% Wool(250g/m)、Four Seasonsタイプです。
下2 マークは強撚糸を使用したトロピカル組織で品質は100% Wool(240g/m)です。
William Halstead 2-1
「注目」のWilliam Halsteadです!
なにが注目かといえば。。。
記念すべき2025 Spring/Summerシーズンの新作バンチブックご紹介1回目がWilliam Halstead for “A Gentleman At The Bar” でした!
そして、僕が今春作ったBlackのスリーピーススーツもWilliam Halsteadでした!!
そしてそして、超スーパー粋なお得意様I様もWilliam HalsteadのMohair Twillで都合2着のスリーピースを作ってくださいました!!!
というWilliam Halsteadが自信を持って世に送り出したこのFrescoタイプボディ。。。
かなりの傑作です!
William Halsteadはイングランド北部に位置するウェストヨークシャー州ブラッドフォードにて1875年に創業されたミルです。
「William HalsteadといえばMohair素材」と称されるWilliam Halstead、そして「Mohair素材の大家的存在」とも呼ばれるWilliam Halsteadですが、こちらははMohairが混紡されていないFrescoタイプのSuitingです。
具体的な品質は100% Wool(310g/m)です。
Frescoタイプ、つまり太めの強撚糸を使用しトロピカル組織で織り上げた「高い通気性」「最高のハリコシ」「独特のシャリ感」「優れた抗シワ性」「美しい仕立て映え」を誇る素材です。
FrescoといえばMartin Sons & Co.な訳ですが、本家Martin Sons & Co.のFrescoに匹敵するボディ、そして本家Martin Sons & Co.のFrescoコレクションにはないナイス過ぎる色柄がコンパイルされているのが本当に素晴らしいです!
つきましては、「シャリッとしたFrescoタイプの素材もいいかな?」という方がいらっしゃいましたら、ぜひともこのWilliam HalsteadとMartin Sons & Co.の両方をチェックしてみてください!
上:チェック7マークです。いずれも最高に素敵ですが特に上のグレンチェック3マークが素晴らしいと思います!
下:ストライプ2マークと無地6マークです。ストライプはMartin Sons & Co.に比べてややハッキリしているでしょうか
ちなみに、Frescoのオリジネイター/本家はMartin Sons & Co.で、現在はその親会社であるHFW(Huddersfield Fine Worsted)が商標を持っているためHFW傘下以外のミル/マーチャント/ブランドが展開する似たボディには「タイプ」がつきます、
そのMartin Sons & Co.のFrescoは複数ボディがコンパイルされている定番バンチブックがありますのでご来店の際にはぜひとも比べてみてください!
24回目でご紹介したWoodheadのFrescoタイプも◎です。
William Halstead 2-2
2023-2024 Autumn/Winterシーズンにリリースした傑作ボディ:Crown Flannelも先にご紹介したFrescoタイプも素晴らしいけれど。。。
William Halsteadの代名詞的存在、看板商品、最大のウリはやっぱりMohairブレンドボディです。
なので、キッチリとMohairブレンドボディが複数バンチブック最終盤にコンパイルされているのは嬉しい限りです!
いつもの通り上の画像から順番にご紹介します。
画像1と画像2はツイル組織です。
画像1はWilliam Halstead for “A Gentleman At The Bar” と同じボディで、品質は76% Wool + 24% Kid Mohair(330 /360g/m)で組織はツイルです。
もう少し具体的にご説明すると「2Plyの梳毛ウールを経糸(タテイト)にMohairを緯糸(ヨコイト)に使用してクラシカルなツイル組織で織り上げた」「William Halsteadが20年以上に渡ってメインボディのひとつとして展開し世界中のダンディたちを魅了してきた」ベストセラーボディです。
メンズのテイラードウェア業界ですら軽くて薄くてソフトなボディが重宝される傾向にある昨今です、ツイル組織のMohairブレンド素材は極めて少なくなりました。
僕がこの業界に足を踏み入れた30年ほど前には結構あったんですけれど。。。
まあ、Mohairはあまり細番手に引けないですし、ツイル組織はトロピカル組織に比べて重くなりがちですしさもありなんですね。
そんなツイル組織のMohairブレンド素材を定番的にそこそこのヴォリュームで展開しているのはイタリアンミルだとVBC、ブリティッシュミルだとこのWilliam Halsteadくらいではないでしょうか。
もちろん一部マーチャントのバンチブックにも存在しますが、それらのほとんどはVBCかWilliam Halsteadが供給しているはずです。
あ、あとは日本の至宝葛利毛織さんも少しやっていますね。
という業界の「事情」はともかく、こちらはMohairとツイル組織が織りなすその美しい光沢、バシバシに強く打ち込んでいるゆえのハリコシ、深いカラー等々が本当に素晴らしいマスターピースです。
見る度に、そして触る度に「いつか作ってみたいなあ。。。」と思いつつ機会に恵まれませんでしたが今春遂に作ったところ。。。
大満足しています!!
画像2は、2022 Spring/Summerシーズンにデビューした経糸にインディゴ風の色糸を使用し緯糸にホワイト糸を使用したデニム風素材です。
品質は77% Wool + 23% Mohair(490g/m)です。
490gというと17oz以上、素晴らしいヘヴィさですよね〜!
デニムとして考えても超ウルトラヘヴィです。
加えて、この「顔」!
これはかなりの傑作だと思います!!
大オススメです!!!
恐らくこちらは完売したらリピートはないと思いますので、もし「お!」とお思いの方がいらっしゃいましたらお早めにお願いします。
画像3と画像4はMohairの大家:William Halsteadが最も得意とするクオリティであるトロピカル組織のMohairフレンドsuitingです。
いずれも「さすが!」な逸品ばかりです。
画像3は冒頭のDormeuilの説明で少し触れたTonikタイプのMohairブレンドボディです。
具体的な品質は70% Wool + 30% Mohair(330g/m)です。
バシッと仕立て映えがする素材をお探しの方、Mohair由来の豊かな光沢と通気性とシャリ感とハリを満喫したい方に超オススメな素材です。
カラーヴァリエーションも申し分ないと思います。
画像4は冒頭に収録されているDormeuilの傑作素材Super Brioタイプです。
具体的な品質は60% Kid mohair + 40% Super 120’s wool(250g/m)です。
ん??
「タイプ」どころか、ほとんどSuper Brioと同じクオリティですね!
そして。。。
ここだけの話。。。
Dormeuilよりも少しだけリーズナブルです。
ですので、両方で展開があるNavy blueとLight greyでSuper Brioと迷った場合にはSuper Brioのセレクトをお願いします!
という「単価up誘導」はやめておいて笑。
その場合にはこちらのNavy blueとLight greyをオススメします!
全マーク紹介は以上です。
最後に、今日の「僕のBest 5」をご紹介します。
いつも書いていますけれど、あくまで「今日の」なので、そして今日は惜しくも選外になったどの素材も素晴らしいので明日には変わっているかもしれません、悪しからず笑。
今日の「僕のBest 5」 5-1
Super Brioからやや明るい方のNavy blueをセレクトしました
こちらのNavy blueはしっかり比較してみるとWilliam Halsteadの似たボディのNavy blueとはかなりの違いがありました。
そして、吟味を重ねた上でこちらのNavy blueが最高にクールだと思いました。
決して「単価up誘導」目的ではありません汗。
僕はこちらならフォーマルテイスト強めのスリーピーススーツを作りたいです。
具体的にはジャケットを「ワイド巾:10.5cm巾&ラウンドシェイプのピークトラペル + ロープドショルダー + シングルブレステッド1ボタン + クラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ヴェストを「ラペルレス + ダブルブレステッド8ボタン」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ」で作りたいです。
ボタンはくるみボタン、ライニングは現在仕込み中の “♡ Camo” silk c/# blueにしたいです。
憧れのSuper Brio!
いつかは絶対に作りたいです。
今日の「僕のBest 5」 5-2
John Cavendishからはこちらのストライプをセレクトしました。
抑え気味かつ太さが交互になっているストライプが極めてスタイリッシュではないでしょうか!?
一見同じ太さのストライプに見えますが、よく見ると太さが違うという芸の細かさよ!
素晴らしい。
僕はこちらならクラシカル&タイトフィットなダブルブレステッドスーツを作りたいです。
具体的にはジャケットを「10.0cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×2つがけ + ロープドショルダー + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはmade in EnglandのNavy blueに染め上げたリアルホーン(本水牛)ボタンが、ライニングはまだ在庫が少しだけ残っている “♡ Camo” silks c/# RWBにしたいです。
そして、ライニングとの「ストーリー」で、カラークロス(上衿裏のフェルト生地)やフラワーループ(衿穴)や一部ボタンホールをRedにしたいです!
今日の「僕のBest 5」 5-3
Savile Cliffordからはこちらの2マークをセレクトしました。
このWool + Linenシリーズは本当に素晴らしい仕上がりです!
僕はこちらなら上のブラウンでダブルブレステッドのブレザーを下のベイジュでワイドシルエットのボトムスを作りたいです。
そのセットアップを軸に装えば完璧なまでにエレガントなリゾートスタイルが作れるはずです。
あるいは。。。
今秋作った&今春も作った最近のお気に入り:ミリタリーテイストあり&MODなダブルブレステッドスーツを作りたいです。
その場合のデザインは、ジャケットが「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×3つがけ + ロープドショルダー + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスが「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」です。
メインパーツは上のBrownを、カラー(上衿)やターンバックカフスやくるみボタンといったパーツは下のBeigeを使いたいです。
どちらも間違いなく超スーパーカッコよく仕上がるはずです!
今日の「僕のBest 5」 5-4
William HalsteadのFrescoタイプからはこちらのグレンチェックをセレクトしました。
こちらは文句なし、迷いなし、真っ先にセレクトしました。
ひとつ上でご紹介したSavile CliffordのWool + Linenシリーズとともにこのバンチブックでは最高の「個性派」だと思います!
僕はこちらならヴェリーイングリッシュなスリーピーススーツを作りたいです。
具体的にはジャケットを「8.0cm巾のセミノッチドラペル + シングルブレステッドひとつがけ/段返りの3ボタンジャケット + ロープドショルダー + クラシックフロント + 前後差7.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはBrownマザーオブパール(茶蝶貝)ボタン、ライニングはBlue系の華やかかつロックなプリント素材にしたいですね。
そして、ウインドウペーンおよびライニングとの「ストーリー」で、カラークロスやフラワーループや一部ボタンホールはBlueにしたいです!
また、このスーツはしばしばジャケットとボトムスをセパレートして使いたいですね。
ジャケット単体で使う場合はボトムスをBlue無地にしたいです。
ボトムス単体で使う場合はジャケットをBlue無地にしたいです。
また、スリーピーススーツで着る時もジャケット/ボトムスを単体で使う時もVゾーンにはBlueを取り入れたいですね。
いずれにしても、最高に「使えるスリーピーススーツ」になりそうです。
今日の「僕のBest 5」 5-5
William Halsteadからはもう1マーク、2-2:画像2の上から2番目:Indigo blue風をセレクトしました。
もちろん僕がスリーピーススーツを作ったMohair TwillのBlackも超スーパー猛烈イチオシです!!
が、そちらの素晴らしさは既にそのスリーピーススーツをご紹介する回でお披露目済みなので敢えて今日はセレクトしませんでした。
それはともかくこのデニムっぽさ、本当にゴキゲンです!
しかも、このデニムっぽさをMohair混紡のツイル素材で表現しているのがイイ!
そして、490g/mというヴィンテージ感あふれるヘヴィウェイトもイイ!
そしてそして、「Mohair屋さん」と表現しても間違いではないWilliam Halsteadというのもイイ!
僕はこちらならBlackと同じデザインのスリーピーススーツ、あるいはコートを作りたいです。
コートならバルマカーンコートを作りたいですね。
コートとNewsboy Capのセットも素晴らしく素敵そうです!
以上です。
このバンチブックは本当に濃厚至極!
傑作ばかりがコンパイルされている1冊です。
ご来店の際にはぜひともじっくり愉しんでください。
27th. May. 2025
Ryoji Okada