ここ10日間くらいでしょうか、追悼の意味も込めて亡くなったJOE LOUIS WALKERの音源をじっくり聴き直しました。
ライヴ盤以外の所有音源をすべて聴き直しましたがやはりとてつもなく素晴らしいミュージシャンですね。
所有していない音源が5枚くらいあるはずなので全部揃えたくなりました!
それから、ずっと初めて聴いたBlues Survivor(1993年作品)こそ彼の最高傑作だと思っていましたが、それは思い入れというやつだったかもしれません。
改めて聴き直して、「一番好きだな!」と感じたのはHellfire(2012年作品)でした。
ゴキゲン以外の何物でもない大傑作アルバムだと思います!
機会があればぜひとも聴いてみてください。
という訳で、またMOZART音源に戻しています!
ところで。
「5」といえば。
4日振りに新作バンチブックをご紹介します。
これにて、「5月末までに25回目を絶対終わらせる!」という己に課したミッションをクリアすることができました。
嬉しいです!!
こうなれば、あと1回か2回くらいはやりたいですね。
まだご紹介できていないバンチブックが複数ありますから汗。
それはともかく、25回目の今日ご紹介するのはLarusmianiの新作です。
正確にはバンチブックではなく見開き3ページのサンプルブックなのですが、全85マークとややヴォリュームが多めのバンチブックと同じ程度のマーク数がコンパイルされているし、最低でも2年間使える「半定番」ブックだし、先代もかなり活躍した充実のコレクションなのでじっくりご紹介したいと思いました。
では、早速いきましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちら↓ のサンプルブックです。
かなり大判:タテ36.5cm×ヨコ30.5cmサイズ&観音開きスタイルのサンプルブックです。
全3ページに85マークものCotton系コレクションが百花繚乱しているナイスコレクションなのでご来店の際にはぜひともじっくりご覧ください。
もちろん引き続き、お電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っています。
気になる素材があってご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。
より精度の高い画像や動画をお送りするなどご来店なしでもご注文いただけるように工夫をします。
Larusmiani/ラルスミアニについても簡単にご紹介しましょう。
ラテン語で「かもめ/水鳥の羽」を意味するLarusmianiは、イタリアのミラノに拠点を構えるテイラー/リテイラー/ブランド /ミルです。
1922年にテイラーをスタートしたことがその始まりで、1954年にはモンテナポレオーネにラグジュアリーなブティックをオープンさせるなど着実に事業を発展させ今に至ります。
現在ではコットンやリネン原料を使ったラグジュアリーな素材を手がけるミルとしても知られています。
Larusmiani。。。
何度かこのDiaryでも書いた記憶がありますけれど、LOUD GARDENを創業する1.5年くらい前のことです。
当時は半年に一度Firenzeで行われている世界最大級のメンズウェア見本市Pitti Immagine Uomoに自分のコレクションを出展していたのでまあまあ頻繁にイタリア出張に行っていました。
ある時、出張直前にMilanoのファッション界隈ではまあまあ(TV番組を持っていたくらいには)大物にして友人のAntonio Murrから「Ryojiに会わせたい人がいる!CVを持って来て」と指示されMilanoにて強引に面接を受けさせられたことがありました。
それがLarusmianiでした。
僕はなんだかよく分からないまま、ミルの仕事ではなくオリジナルブランドのデザイナーとして面接を受けさせられました。
Milanoにあるゴージャスなブティックの上階で面接を受けたのですがめちゃくちゃラグジュアリーな空間で少し緊張しましたね。
一次面接を突破し副社長との面接までいったものの落とされましたが、とってもよき思い出です。
その後Antonioは「あそこもデザイナーを探しているから!」とBrioniにも話を持っていっていたんですよね〜笑。
記憶によれば、一応会ったもののあっさり落とされたんじゃなかったかな?
で、BrioniはそのタイミングでAlessandro Dell’acquaを採用しました。
そりゃ僕が相手にされる訳ないわ!
その後、無名(といっても無論僕よりは全然有名でした!)だけれどAndrea NeriというToscanaはArezzoのファクトリーブランドとデザイナー就任/契約寸前までいったのもAntonioが縁でした。
という感じでなんだかんだと話はあったものの、(自社ブランドではないブランドで)デザイナーデビューを果たせなかったのは少しだけ心残りです。
結局その話があって5年もしないうちに事業をやめてしまったみたいなのでAndrea Neriと契約をしなかったのは正解だったのかもしれませんけど。
いずれにせよ、Andrea Neri(の社長夫妻)は来日してまで僕をスカウトしてくれたり、Arezzoに招待してくれたり、細やかな契約書を作ってくれたり。。。
もう連絡は取っていないけれど今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
Antonioとはその後も付き合いが続き、来日した時にはLOUD GARDENでちょっとしたイヴェントも行いました。
あれは意外や大盛況でした!
Dennis Morrisとはまた違う僕のよき理解者Antonio Murr。
ここ数年は会えていないけれど元気かな?
いや、そうじゃない!
DON’T LOOK BACKだ!!
という訳で、僕の話はこれくらいにして(長々と書いて失礼いたしました汗)肝心の中身を見てみましょう!
まずはページごとに全マークをご紹介して、最後に「僕のBest 4」を披露します!
*ウエイトの後に表記が無い場合は150cm巾です
Page 1/2
上画像がPage 1で下画像がPage 2です。
別々にご紹介しようと思いましたが、Page 1の右列とPage 2の左半分(の途中まで)が同ボディ:LR-X340 ~ LR-X358なので一緒にご紹介します。
Page 1の左2列上段:LR-XCPはニューボディです。
いずれも、低温で作られたストレッチ性に優れた高級Polyester繊維EOL:Elastolefinがブレンドされたツイル(綾織)組織ボディです。
*EOLを使うことでElastane/Polyurethaneといった伸縮性に富んだ繊維を使わずともストレッチ性を確保することができます
LR-XCP/A1~A4の4マークはCavalry Twillタイプです。
品質は63% Cotton + 33% Polyester + 4% EOL(274g/m *123cm巾)です。
豊かな凹凸に恵まれた「顔」と150cm巾換算だと約340g/mというそこそこヘヴィなウエイトが魅力です。
もちろんEOL由来の高いストレッチ性も自慢です!
実際に引っ張ってみたところ。。。
かな〜り伸びます!
Polyesterの進化は本当にすごいですよね。
その隣、LR-XCP/B1 ~ B5の4マークはクラシカルなツイルです。
B2とB3は。。。
かなり近いトーンのBeigeなので悩み出したらなかなか決まらないかもしれませんね笑。
品質は63% Cotton + 33% Polyester + 4% EOL(285g/m *127cm巾)です。
左端下段2マーク:LR-X2002/X2003は人気のスカルジャカード(約1.0cm四方サイズのスカルなのでこの画像だと少しわかりにくいです汗)です。
今回のリニュアルで廃番になったらイヤだな。。。と思っていたこの2マークですが嬉しいことに無事継続されました!
品質は98% Cotton + 2% Elastane(375/380g/m *144/146cm巾)です。
その隣の2マーク:LR-015/018は細番手糸を利用して高密度に織り上げたクリアカットのツイル無地です。
よき意味でなんの変哲もない高級Cottonですが、Wine RedとOrangeというクラシックとは真逆の2カラーオンリーという潔さがナイスですよね!
品質は100% Cotton(240/250g/m *148/150g/m)です。
ジャケットやボトムスはもちろんのことスーツを作っても「間違いない」ボディです。
左から3行目は前回のリニュアル時に3マークでデビューしたPolyester + Cottonボディです。
具体的な品質は65% Polyester + 35% Cotton(190g/m *145cm巾)です。
薄く、軽く、堅牢でシワになりにくい!
これからの季節にぴったりの逸品です。
前回の3マークから倍の6マークに倍増したのも納得です!
上記したPage 1の右列とPage 2の左半分(の途中まで):LR-X340 ~ LR-X358は、Larusmianiのベストセラーボディ23マークです。
品質は98% Cotton + 2% Elastane(295/300g/m *147/150cm)です。
オールシーズン着用可能な素材感、見事なカラーヴァリエーション、細番手&クリアカット素材ならではの端正な「顔」等々、たくさんの魅力を持つ傑作です。
もちろん快適なストレッチ性も◎ではないでしょうか。
スーツに、ジャケットに、ボトムスに、スカートに、スプリングコートに。。。
あらゆるアイテムにオススメです!
皆さんはどのカラーがお好きですか?
Page 2の左から2列目の下2マーク:LR-508/514は、Page 1の同じ位置にコンパイルされているLR-015/018のヘヴィウエイトヴァージョンです。
糸番手を太くすることでウエイトを増しています。
品質は100% Cotton(310/340g/m *148/150g/m)です。
こちらも2マークオンリーですが、いずれもナイスカラーですよね!
Page 2の左から3行目:LR4001~ 4008は強撚糸を使ってややワイルド&ドライに仕上げたモダンレトロボディです。
そして、前回のリニュアル時の4マークから8マークに倍増した人気ボディです。
ヴィンテージ感あふれる素材感がとてもカッコイイですね。
品質は100% Cotton(295/325g/m *146/148g/m)です。
Page 2の右端:LR-5001 ~ 5008はマイクロヘリンボンの*Natural Stretch Cottonです。
*Natural Stretch:Elastane/Polyurethane(あるいはEOL)といった伸縮性に富んだ繊維を使用せずに天然繊維のみで実現させた高いストレッチ機能
品質は100% Cotton(200/220g/m *145/148g/m)です。
シャツにも使えそうなソフトさと薄さ、そしてマイクロヘリンボンならではの上品なカジュアル感が魅力です。
Blue系のヴァリエーションが豊かなのもナイスだと思います。
Page 3
左列:LR-6001 ~ 6012はキレイめ100% Cottonのニューボディです。
品質は100% Cotton(240/265g/m *147/150g/m)、組織はクリアカットのツイルです。
ということは、Page 1のLR-015/018と似たボディですが、実は綾線の方向が逆でこちらは右上がりです。
はい、こちらの方がいわゆる一般的なツイルです。
LR-015/018はいわゆる「左綾」というヤツですね。
ただ、Larusmianiは比較的左綾が多いので、彼らにとってはこちらの方がレアなのかもしれません。
こちらはスーツを強く意識したボディのためカラー展開もかなりシックにまとまっています。
左から2列目(と3列目の下2マーク):LR-X3001 ~ X3012はLarusmianiの定番ボディながらこのサンプルブックには初登場の微起毛ボディです。
これからの季節には不向き(このサンプルブックは2年間有効なのでSpring/Summerシーズン向け・Autumn/Winterシーズン向け・Allシーズン向けが網羅されています)ですが、こちらは恐らくかなり高い人気を誇ることと予想します!
なにしろ、多くのメゾンが採用するタイプのボディだし、最近バンチブックからはなくなりつつあるタイプのボディだし、これだけ素晴らしいカラーヴァリエーションがあるんですから!!
まだかなり気が早いですけれど、Autumn/Winterシーズン向けのスーツ/ジャケット/ボトムス、あるいはコートに大オススメです!
品質は98% Cotton + 2% Elastane(390g/m *146/148cm巾)です。
微起毛に由来する独特のオーガニックな温もりがたまらなく素敵なボディです。
(LR-X3009/3011を除く)右の2列はデニム、プリント、キャンヴァス等、個性的でモダンなボディ7マークです。
品質はそれぞれ画像でご確認ください。
全マーク紹介は以上です。
いやはや。。。
「さすがはコットン/コットン系素材の大家Larusmiani!」なナイスコレクションではないでしょうか!?
最後に、今日の「僕のBest 4」をご紹介します。
いつも書いていますけれど、あくまで「今日の」なので、そして今日は惜しくも選外になったどの素材も素晴らしいので明日には変わっているかもしれません、悪しからず笑。
今日の「僕のBest 4」 4-1:LR-X2003
Page 1からはこちらをセレクトしました。
はい、スカルジャカードのBrown beigeです。
この画像だとスカルが分かりやすいですよね!
今まで何度かご注文いただいたことがあるのですが。
スワッチ見本だとかなりさりげなく見えるものの、アイテムに仕上がると「お!スカルじゃん!!」とまあまあ存在感が出てきます。
僕はこちらならチノクロスパンツ代わりに使えるボトムスを作りたいです。
せっかくだからあれこれこだわりたいですね!
具体的には「ハイライズのグルカパンツ仕様 + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」といったデザイン/ディテイルで作りたいです。
今日の「僕のBest 4」 4-2:LR-508/514
Page2からはこちらをセレクトしました。
高密度・ミドル/ヘヴィウエイト・左綾と三拍子揃っているのがイイですよね!
そして、いずれのカラーもヴェリーナイスだと思います。
なので、僕はこちらなら両方をうまく駆使した1着を作りたいです。
具体的には今秋作った&今春も作った最近のお気に入り:ミリタリーテイストあり&MODなダブルブレステッドスーツを作りたいです。
デザインは、ジャケットが「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×3つがけ + ロープドショルダー + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスが「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」です。
メインパーツは上のBrown:LR-508を、カラー(上衿)やターンバックカフスやくるみボタンといったパーツは下のOrange beige:LR-514を使いたいです。
ライニングはパーツ素材との「ストーリー」でOrangeが効いたロックなプリント素材にしたいです。
また、Orange beige:LR-514でもボトムスを作って時々はセットアップでも楽しみたいですね。
今日の「僕のBest 4」 4-3:LR-X3009
Page3からはこちらをセレクトしました。
この温もりがありながらも鮮やかなRedに心惹かれました!
僕はこちらなら敢えてフォーマルテイスト強めに「料理」したいです。
具体的にはジャケットを「ワイド巾:10.5cm巾&ラウンドシェイプのピークトラペル + ロープドショルダー + シングルブレステッド1ボタン + クラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ヴェストを「ラペルレス + ダブルブレステッド8ボタン」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ」で作りたいです。
ボタンはくるみボタン、ライニングは現在仕込み中の “♡ Camo” silk c/# BGRにしたいです。
今日の「僕のBest 4」 4-4:LR-DE03
Page3からはこちらもセレクトしました。
かなりハードなタッチと絶妙なブルーグラデーションが素晴らしい素材だと思います。
僕はこちらで、アンコンストラックテッド仕立てのダブルブレステッドブレザーを作りたいです。
少々のミリタリーテイストを感じさせる6ボタン3つ掛けがいいかな?
ボタンはアンティークショップで調達したメタルボタンがイイでしょうか??
以上です。
上述の通り、これにて今月中に25回目を終わらせるという己に課したミッションは達成できました!
が、これも上述の通り時間が取れればもう1回か2回くらいはやりたいと思います。
次回はUKミルのSuiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)コレクションをご紹介予定です。
乞うご期待ください!
21st. May. 2023
Ryoji Okada