応援している2チームが闘いの場にいないのでかなり興味を失っているNBA Playoffsですが。。。
実はかなり盛り上がっています!
現在行われているCSFは全マッチアップがアップセットの可能性がありますもんね。
S.Curryが負傷したGSWは厳しいでしょううけれどそれでもまだ首の皮一枚つながっています。
今日はIND@CLEとDEN@OKCが行われます。
いずれもシリーズの趨勢を決めるであろうGame 5です。
注目しましょう!
そして!!
個人的にPlayoffsよりずっと熱く盛り上がったのが昨日行われたNBA Draft 2025のロッタリーです。
なんと1.8%の確率しかなかったDALがNo.1ピックを獲得したのです!?
球団史上初のNo.1ピック!
しかも、ほぼほぼ成功することが分かっている逸材C.Flaggを指名できる年のNo.1ピック!
素晴らしいではありませんか!?
SNS上には「rigged/不正だ!盗まれた!」という陰謀論めいたポストや「よし!すぐに指名権とG.Antetokounmpoをトレードせよ!」というジョークとも本気とも取れるポストや「それでもN.Harrison(L.Dončićのトレードを敢行したGMです)を許さない!」といった笑えるポストが渦巻いていてなかなか楽しいのですが、そして「運」以外の何物でもありませが、これが近年におけるDALのベストムーヴなことは間違いありません!
K.IrvingとA.Davisが仮にヘルシーなら強力なBig 3が結成される2025-2026シーズンのDALには大いに期待したいですね。
Go! MAVS!
ところで。
「素晴らしい」といえば。
2日連続で新作バンチブックをご紹介します。
23回目の今日は昨日ご紹介した超ゴキゲンなJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)が「これでもか〜!」とコンパイルされている1冊の後編です。
実は昨日の最後にも書きましたが、23回目は(このバンチブックの後編は割愛して)UKミルのSuiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)コレクションをご紹介しようかとも考えました。
が、しかし、もう一度じっくりと見てみたらバンチブック後半もめちゃくちゃ熱いので「やっぱりこれもご紹介しなければダメだ!」と思い直しました。
昨日紹介した前半の充実度に匹敵する素晴らしい内容ですのでご来店の際にはまるっと1冊じっくりとご覧ください。
いや。。。
2回目にご紹介したHolland & SherryのCrystal Springsと9回目にご紹介したJacketingバンチブックと21回目にご紹介したJacketingバンチブックも危険なほどにエキサイティングなJacketingコレクションなのでお時間があればぜひとも全部チェックしてみてください!
もちろん、引き続きお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っています。
気になる素材があってご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。
より精度の高い画像や動画をお送りするなどご来店なしでもご注文いただけるように工夫をします。
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちらのバンチブック↓ です。
はい、後編ですからカヴァーは昨日と同じです。
前編となる昨日は前半にコンパイルされているFTDの華やかで優雅で気品あるコレクションをご紹介しました。
まだご覧になっていない方はぜひともチェックをお願いします。
そして、後編となる今日は後半にコンパイルされている「エッヂーなmade in Italy素材を展開しているブランド:Collezioni Biellesiおよび名門イタリアンコットンメーカーSondrioの新作Jacketingコレクション」と「国産の個性豊かな新作無地Jacektingコレクション」をご紹介します。
上述の通りいずれもめちゃくちゃ熱いです!!
そして、マーク数はロックな69マークです!!
質量ともに濃厚な後編!!
まずは冒頭から全マークをご紹介して、最後に「僕のBest 5」を披露します!
*構成の都合上一部順番を入れ替えてご紹介します
*ウエイトの後に表記が無い場合は150cm巾です
Collezioni Biellesi ①:38% Wool + 34% Silk + 28% Linen(220/260g/m)ボディ
贅沢にも上質なSilkを34%もブレンドしたサマーツイードです。
Silkブレンド由来の美しい光沢とLinenブレンド由来の絶妙なカジュアル感が見事なハーモニーを奏でたナイスボディだと思います!
イタリアンミルらしいモダンなカラーリングも白眉ではないでしょうか?
1番上と上から3番目はトロピカル(平織)組織で素材感は他の2マークよりシャリっとしています。
上から2番目と1番下はツイル(綾織)組織で素材感はより滑らかです。
交互にコンパイルされている意図は少々「謎」ですが、ご来店の際にはぜひとも触ってみてください。
「へ〜、同じ品質・ウエイトでも組織が変わるだけでこんなにも素材感が変わるんだ!」とお感じになられると思います。
Collezioni Biellesi ②:100% Wool(200/210g/m)ボディ
超ウルトラライトウエイトの100% Woolトロピカルボディです。
このボディは文字通り超ウルトラライト!
本当に軽いです。
そしてかなり薄いです!
色柄的にはスーツでキメたい気もしますが。。。
この薄さと軽さだとパンツは「自己責任」だとしてもオススメしにくいです。
という訳で、個性が強い超ウルトラライトウエイトなジャケットをお探しの方に大オススメです。
上2マーク:洗練されたカラフルさが自慢のオーヴァーチェックです。クラッシーなサマージャケットを作るのはもちろん、オーヴァーサイズで作ったりサファリジャケットを作ったりしても◎だと思います。
下3マーク:縦7.0cm×横6.0cmリピートとかなり大きめなギンガムチェックです。これは!?めちゃめちゃイイですよね〜!僕は大好きです!もし既製品の店にふらりと立ち寄ってこの素材のジャケットが飾られていたら思わず手に取ってしまうと思います。いずれのカラーも作ってみたいです!
個人的にこの5マークはかな〜〜り気になっています。
Collezioni Biellesi ③:Hopsack/ホップサック
ブルー系のHopsackおよびHopsackタイプ5マークです。
Hopsackはその通気性のよさ、抗シワ性の高さ、そして独特のカジュアルテイスト溢れる表面感によりヨーロッパではかなり昔から「Spring/Summerシーズン用ジャケットの王道素材」「トラヴェルジャケットの秘密兵器」として圧倒的な人気を誇っています。
いずれの特徴も強撚糸を使った独特のメッシュ調の織りに由来します。
ドレススタイルにもカジュアルスタイルにも相性抜群の「超ユーティリティなジャケット」をお探しの方にぜひともオススメしたい素材です。
上4マーク:「Blueマスター」のK様やT様やY様も悩ますのでは?と思うほどなんとも絶妙なトーンのBlue(特に上3マーク)が自慢です!皆さんはどのBlueが最もお好きですか?僕は。。。悩ましいけれど1番上でしょうか?少しターコイズが入ったニュアンスの効いたBlueがすごく素敵だと思います!品質は100% Wool(290g/m)です。ややヘヴィなウエイトに由来する頼もしい質感もナイスだと思います。また、例えばVBCの大定番Hopsack:Mesh Jacketingよりも少し滑らかな肌触りに仕上げているのも特徴でしょうか。これにより「スポーティさの中にもエレガンスは必須!」という方にも間違いなくご満足いただけるHopsackに仕上がっていると思います。
1番下:Hopsackとはいえないかもしれませんが広義では「仲間」なので混ぜてご紹介します。こちらは中番手糸およびLinenブレンド由来のザックリ感と編み込みのように見える組織が魅力的なHopsackタイプのJacketingです。品質は63% Linen + 27% Super 110’s Wool(260g/m)です。組織からするとかなりヘヴィそうに見えて260g/mというのもイイですよね。Linenならではの光沢もナイスだと思います。僕はこちらならコロニアルスタイル漂うダブルブレステッドブレザーを作ってみたいです!
Collezioni Biellesi ④:Seersucker/シアサッカー
近年人気が再燃気味なSeersuckerおよびSeersuckerタイプ13マークです。
いずれもとっても涼しげかつスタイリッシュですよね!
正直なところ。。。
昨年の厳しい暑さを思い出したらあれもこれも作ってみたくなりました。
なにせ今春作った/作っているスーツは3着ともSpring/Summerシーズン向けとしてはかなりウエイトのある素材ばかりですからね。
そんなタイミングで、The Loudest Voice 2025年夏号を作り始めたこともあって夏をイメージしてしまいました。
すると、「(ウエイトのある素材ばかりで仕込んだのは)好きでそうしているのだからなんの問題もない」という建前と「それでもやっぱり盛夏はちょっと厳しいかもしれん」とういう本音がせめぎ合いを始めました笑。
盛夏でも店舗にいる時はキンキンに冷房を効かせているのでまあ問題はない(それでもジャケットは脱いでいる時間が多いです)のですが、商談等で出歩くとなると。。。
という訳で、涼しげな、いや実際に涼しいスーツあるいはジャケットを追加で作っておきたいと考えています。
そして、後述の通り現代においても「メンズファッションにおけるSpring/Summerシーズン向け素材の代名詞的存在」であるSeersuckerはその最有力候補かな?と思ったり。。。
もし仮に実現したらSeersucker素材で何らかのアイテムを作るのは17~8年振りだと思います!
これは楽しみです。
僕のことはともかく、素材説明を進めます。
上画像:WoolベースのSeersuckerです。品質は1番上のみ89% Wool + 8% Linen + 3% Elastane(280g/m *140cm巾)でそれ以外は54% Wool + 45% Polyester + 1% Elastane(235g/m)です。1番上のみSeersucker特有の凹凸が控えめです。また、1番上のみElastaneが3%もブレンドされているので横方向にかなりストレッチします。下の7マークは軽快さと薄さと豊かな凹凸というSeersuckerに求められるすべての要素を高いレヴェルで兼ね備えたボディです。Polyesterが45%ブレンドされているため極めてタフなのと(推奨はしないですが)家庭洗濯ができる(ノーキャンヴァス・ノーパッド仕立てにする等の諸条件があります)のもグッドですよね。Seersuckerではあまり見ることがないボールドストライプやグレンチェックという柄の展開があるのも◎です!いずれの素材で作っても最高に涼しくてヴェリースタイリッシュな1着が仕上がると思います。ストライプのどちらかあるいはグレンチェックのどちらかで作りたいなぁ。。。
下画像:定番的なBlue & WhiteストライプのSeersuckerです。品質は99% Cotton + 1% Elastane(240g/m)です。色柄は定番的ですが、凹凸は定番的なSeersuckerより控えめです。それゆえの上品さが魅力です。より涼しげな上が人気ですが、天邪鬼な僕はどうしても下に心惹かれます!
最後にSeersucketの度に書いているのでくどいようですが。。。
Seersuckerとは「しじら(縞状のしぼ)」の入った織物のことです。
もう少し具体的に書くと「波状の凹凸のある部分」と「平らな部分」を交互に表現することで縦方向に縞状のしぼを走らせた織物のことです。
このしじらにより肌への接地面積が少なくなること、つまり「肌へのベトつきが少なくなり」「通気性に富み」「さらっとした肌触りに恵まれる」ことこそがSeersuckerの真髄です。
毎年さまざまな高機能素材がリリースされる昨今ですが、Linenとともに100年以上に渡って「メンズファッションにおけるSpring/Summerシーズン向け素材の代名詞的存在」として君臨し続けているSeersuckerこそが現代のSpring/Summerシーズンにおいても「本命」なのかもしれません。
加えて、Seersuckerは「しじらによってシワになりにくい/元からシワ(というかしぼ)があるので仮にシワになっても目立ちにくい」「見た目にも涼しげである」「色鮮やかなストライプやチェックも存在する」といった魅力も併せ持っています。
また、日本ではシンプルに「サッカー」と表現されることも少なくありません。
Seersuckerの主な品質は100% Cottonで、我々の業界ではWoolやSilkで作られたSeersuckerを便宜上「ウールサッカー」「シルクサッカー」などと呼ぶことが多いです。
なので、上画像の下7マークなら我々は「ウールポリサッカー」と呼ぶはずです。
Collezioni Biellesi ⑤:Summer Tweed/サマーツイード
遠目には完全な無地に見えるものの近寄ると複数の同系色カラーで構成されているのが分かる通好みなSummer Tweedです。
品質は46% Wool + 43% Cotton + 11% Linen(280g/m)です。
Scotlandの老舗ミルKynochあたりが展開しそうな無骨な素材感がとってもイイ感じです!
と同時に、made in Italyならではの洗練を極めたカラーリングがカッコいいです。
CottonとLinenを足したら54%ですから、恐らく着れば着るほど素敵な感じでクタッとしてくるに違いない点も魅力でしょうか。
きっとダンディにしてクラッシーにしてスポーティな、そしてエイジングも楽しいナイスなジャケットが仕上がると思います。
Collezioni Biellesi ⑥:Bold Stripe/ボールドストライプ
2022 Spring/Summerシーズンにリリースされて以降ロングセラーとなっているクール&スタイリッシュなボールドストライプです。
いずれもサイコーにカッコいいですよね。
毎年狙っているのですが。。。
今年こそいきたいかも!
なにしろ、サイコーにカッコいい上にとても涼しい素材ですから。
特に作りたいのは。。。
後述します!
品質は49% Wool + 40% Cotton + 10% Linen + 1% Elastane(240g/m)です。
このボディはボトムスもいけるのでスーツを作るのもアリだと思います。
僕なら間違いなくスーツです。
とにもかくにも超スーパーオススメな傑作素材です!
Collezioni Biellesi ⑦:51% Linen + 49% Woolボディ
「Linen特有の清涼感とカジュアル感」「Washer/ワッシャー加工によるナチュラルかつランダムな凹凸」「オーダーメイドシャツ向けにコンパイルされていても違和感がなさそうなオーガニックで合わせやすい色柄」と三拍子揃った逸品3マークです。
Seersuckerよりもカジュアル感が強まるWasher加工のJacketingはそんなに多くないのでこれは嬉しいコンパイルです。
軽快な1枚仕立てのジャケットやスーツがオススメです!
*こちらのボディもボトムスもいけます
1番下のNavy Blueでジャケットを作って1番上のBeigeでボトムスを作るという洒落者ならではの技:同素材セットアップを使うのも大いにアリだと思います。
Collezioni Biellesi ⑧:71% Polyamide + 29% Elastane(295g/m)ボディ
Collezioni Biellesiの最後は異色の無地5マークです。
具体的にはかなり薄い、295g/mもあるとは思えないほど薄いクリアカットのJersey素材です。
(上でご紹介したSeersuckerやBold Stripeでもうそうだったように)1%や2%のブレンドが一般的な伸縮性に優れた繊維:Elastaneが29%も入っているので。。。
超スーパー伸びます!
もちろん縦にも横にも超スーパー伸びます!!
そして、引っ張った後の回復力も強力です。
なので、かなりタイトフィットなジャケットを作っても快適至極だと思います。
ミリタリーテイストあふれる光沢皆無なマットさもナイスですよね。
でも。。。
これは。。。
どういうアイテム、どういうテイストで作るのが「正解」なのでしょうか??
「顔」だけを見るとSpring/Autumn専用のオーヴァーコートを作ってもよさそうだけれど、オーヴァーオートだとここまでのストレッチ性は必要ないですよね。
やっぱりジャケットですかね?
すごくタフそうなのでボトムスもありなのかな??
いや、ないよなぁ。。。
うん、ジャケットですね!
という少し「難問」な素材です。
ご来店の際はぜひとも皆さんのアイディアもお聞かせください。
また、こちらは何度撮影し直しても僕の技術ではうまく素材感が捉えられませんでした汗。
それもまたご来店の際にご確認ください。
とてもユニークないろいろな意味で一見の価値がある素材だと思います!
ちなみに、こちらはイタリアはBergamoで1962年に創業されたJerseyメーカーCarvicoの408 Revolutionary Energyというボディだそうです。
408 Revolutionary Energyは革新的な構造と環境に配慮したサステイナブルな生産プロセスでふたつ特許を取得しているCarvicoならではの傑作ボディで、「体温調節を完璧に行う高い通気性」「上記した脅威のストレッチ性」「優れた耐ピリング性」「高いUVカット機能」を誇ります。
Carvico社のことはまったく知りませんでした!
勉強になりました。
1番下はBlackです。
Sondrio
数多くのメゾンブランドを顧客に持つイタリアを代表する名門コットンメーカーSondrioがSavile Rowのビスポークテイラーを意識して開発したニューボディをリリースしました。
その名もSavile Row Cotton & Linen!?
かなりバッシバシのCotton + Linenボディです。
品質は60% Cotton + 40% Linen(380g/m)、組織はツイル(というか変形ツイルのヘリンボン)です。
従来のCotton + Linenボディよりも素材感はかなりしっかりしています。
それもそのはず、ネーミングにもその想いが込められているように仕立て映えにとことんこだわって設計されたそうです。
確かに。。。
思い起こしてみると、僕がGIEVES & HAWKESで働いていた時にこのタイプの素材で作られたレディメイドのボトムスがUKではベストセラーだった記憶があります。
ベイシックカラーはもちろんRedやOrangeやGreen等々、カラーヴァリエーションもかなりあったような?
それから、UKのデザイナーやスタッフもオフの日にこのタイプの素材で作られたボトムスのBlackやWhiteを愛用していたような?
「日本では売れないだろうな〜」と思ったのでまあまあはっきりとした記憶があります。
でも、UKでは人気がある定番的ボディなんですよね。
はい、いずれももちろんSpring/Summerシーズンのエピソードです。
という過去の話はともかく!
このニューボディは本当にすごくイイですね〜。
そして。。。
時代の流れを読むことに長けたSondrioがここまでクラシックなボディを発表したということは。。。
今後のトレンドを読み解くうえでも注目すべきボディかもしれません。
という、文章にご記憶がある方は鋭いです!
はい、8回目にご紹介したItalian Contemporaryと9回目にご紹介したJacket & Trousersにもこちらの4マークがコンパイルされていたので同じ文章をコピー&ペーストしました。
しかし。。。
8回目と9回目は同じM社さん編集のバンチブックなので共通するのも分かるけれど、こちらはS社さん編集ですからね!
完全なバッティング!!
かなり志向が異なるM社さんとS社さんがバッティングするということは。。。
やっぱり珠玉の新作ということでしょう!
大々オススメです。
1番下はBlackです。
Ventile
ここ数年一部でずっと話題のVentile/ヴェンタイルもコンパイルされています。
FTDからVentile、そしてこのあと出てくる京都伏見産や和歌山産のJesrseyまで。。。
このバンチブックはなんでもアリのヴァーリトゥード状態ですね笑!
さて、VentileとはEngland北西部に位置するのLancashire州のTalbot Weaving社が開発し1943年から1980年の40年余りに渡って展開した軍事用素材はオリジナルです。
具体的には「細番手のCotton双糸を限界まで打ち込み超高密度に織り上げれた100% Cotton素材」を指します。
防水性・防寒性に優れた素材があまり存在しなかった第二次世界大戦中当時、海上における空中線で戦闘機が撃ち落とされパイロットが海中に投げ出された時に最も困難なのは救出時まで寒さに耐えることでした。
そんな状況に危機感を覚えたイギリス空軍の要請を受けてTalbot Weaving社が生み出した超高密度Cotton素材こそがVentileでした。
細番手のCotton双糸を使って驚くほど高密度に織られたことに由来する高い防水性を発揮したVentileはたくさんのパイロットたちを寒さから守り命を救いました。
ご存知の通り、現代ではGORE-TEXを筆頭に防水性に優れる素材はたくさん存在します。
そして、もちろんVentileの防水性はGORE-TEXには及びません。
が、GORE-TEXが存在しない当時はVentileこそが防水素材の王様だったのです!
その防水原理ですが、Ventileは従来のCotton素材に比べて30%程度も多くの糸を使用しています。
30%程度の増量は当時の常識では「限界を超えた」とされる打ち込みに由来します。
オリジナルVentileは空気が乾燥している時には経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)の隙間が約10μあり通気性もありましたが、衣服が濡れると糸が膨張して経糸と緯糸の隙間が3~4μに収縮し効果的に浸水を防ぐことができたといわれています。
また、当時の素材の中では通気性と透湿性に優れ着心地も悪くないというメリットも重宝がられる理由だったそうです。
こちらはそんなロマンあふれるVentileを日本の某大手テキスタイルメーカーが再現したナイスコレクションです。
上で引き合いに出したGORE-TEXのような現代的な「顔」ではなく、とても高機能には思えないクラシカルな「顔」なのもイイですよね!
ブルゾンやボトムスはもちろん、この「顔」ならドレッシーなデザインのスーツを作っても◎ですもの!
それから、レインコートにもいいと思います。
品質は100% Cotton(225g/m *146cm巾)です。
超高密度でも糸番手が細いのでウエイトがそこまでヘヴィにならない理屈です。
上記のロマンとともに細番手由来のシックな光沢も魅力です。
1番下はBlackです。
“made in Fushimi” Jersey
京都は伏見産のJerseyコレクションです。
不勉強で数年前まで伏見がJersey素材の産地だとは知りませんでした。
が、made in Japanではなくmade in Fushimiを名乗る自信と矜持が十二分に感じられる逸品に仕上がっていると思います!
上画像は薄手のシャドウストライプとシャドウチェックです。
ストライプが59% Cotton + 41% Polyester(220g/m *125cm巾)でチェックが58% Cotton + 42% Polyester(160g/m 114cm巾)です。
いずれもめちゃくちゃ伸びますので着心地は快適そのものだと思います。
下は鹿の子タイプのJersey素材です。
少ししっかりとした組織で、品質は62% Polyester + 38% Cotton(390g/m)です。
こちらも猛烈に伸びます!
鹿の子タイプの1番下はBlackです。
いずれも大変興味深いボディですが、僕は150cm巾換算にしても210g/m前後と極めて軽量なシャドウチェックに心惹かれます。
遠目には完全な無地に見えるエンボスのようなグレンチェックがカッコいいですよね。
僕はその上から3番目:やや明るいトーンのNavy Blueで軽快なシングルブレステッドジャケットを作りたいです。
超スーパー楽チンでありながらも割とドレッシーに見える1着が仕上がると思います。
しかし、京都って着物文化の伝統があるせいかとっても奥深いですよね。
久し振りに訪れたいな!
京都の仲間はみんな元気だろうか?
“made in Wakayama” Jersey
和歌山はね!
Jersey系素材とかプリント系素材に強いという印象があります。
なので、このようなコレクションが登場するのも納得です。
が、しかし。。。
その素晴らしさには少々びっくりしました!
パッと見はラグジュアリーな(織物の)Wool素材にも見えるJersey素材。
言葉で表現すると割と普通なのですが、実際の素材はめちゃくちゃサイコーなのです!
それが証拠に、LOUD GARDENのお得意様中で「こだわりがお強いダンディ」のトップ5に入るT様が上から5番目のNavy Blueでダブルブレステッドジャケットを作ってくださいました!
T様の目に留まるというのは相当だと思います。
品質は80% Polyester + 20% Wool(550g/m *140cm巾)です。
はい!
超スーパーヘヴィなJerseyです。
Jerseyなのでもちろん優れた伸縮性もメリットですが、強く打ち込んでいるがゆえにかなりしっかりとした肌触りなのも超スーパー素敵です。
深く豊かな一方でやや控えめな光沢も◎だと思います。
僕もすごく作ってみたいです。
T様、いつも本当にありがとうございます。
その後、こちらの素材で作ったジャケットの具合はいかがでしょうか?
またご感想を教えてくださいませ。
1番下はBlackです
全マーク紹介は以上です。
最後に、今日の「僕のBest 5」をご紹介します。
いつも書いていますけれど、あくまで「今日の」なので、そして今日は惜しくも選外になったどの素材も素晴らしいので明日には変わっているかもしれません、悪しからず笑。
今日の「僕のBest 5」 5-1
38% Wool + 34% Silk + 28% Linen(220/260g/m)ボディからはこちらをセレクトしました。
こちらの素材が放つ強烈なモダンレトロビームに撃ち抜かれました!
カッコいいですよね〜!!
まずBlack & Whiteカラーが素敵です。
そして、縦10.0cm×横9.0cmリピートの大きめグレンチェックがナイスです。
Black & Whiteカラー&大きめサイズのチェックはハウンズトゥースだとしばしばあるのですが、グレンチェックはあまりありません。
Spring/Summerシーズンだと特にレアだと思います。
そういった意味でもヴァリューは高いと思います。
そして、上述もした贅沢にも上質なSilkを34%もブレンドした極上ボディもファビュラスです。
僕はこちらならフォーマルテイスト強めのデザインで「料理」したいです。
具体的には「ワイド巾:10.0cm巾&ラウンドシェイプのピークトラペル + ロープドショルダー + シングルブレステッド1ボタン + モダンクラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + ウエストポケットと2.0cm重ね/2.0cm前位置のアウトサイドティケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で作りたいです。
カラー(上衿)とチェストポケットとウエストポケット&アウトサイドティケットポケットの両玉縁とターンバックカフスは似寄りボディのBlack無地素材にしたいです。
ボタンは上記のBlack無地素材を使用したくるみボタン、ライニングはBlackベースのロックなプリントライニングにしたいです!
そのBlack無地素材との「ストーリー」で、カラークロス(上衿裏フェルト生地)やフラワーループ(衿穴)やボタンホールの一部はBlackにしたいです。
エレガントにしてモダンレトロにしてロックな傑作ジャケットが仕上がると思います。
今日の「僕のBest 5」 5-2
100% Wool(200/210g/m)ボディからはこちらをセレクトしました。
今春Dark Greyのダブルブレステッドスーツを作って大満足したせいか「明るめのGreyのスーツも欲しいな」と思っている今日この頃です。
なので、この素晴らしいギンガムチェック素材が気になって仕方がありません!
が、上述の通り極めて薄くて軽いこのボディでボトムスを作るのはすごく「危険」な予感がします。
なので、この素材ではジャケットを作り、同時にギンガムチェックの最もライトなGreyと最もダークなGreyに近い無地素材で1本ずつボトムスを作りたいです。
ジャケットは軽快さのあるダブルブレステッドスタイルで「料理」したいです。
具体的には「ワイド巾:11.0cm巾&ラウンドシェイプのピークトラペル + マニカカミーチャ(シャツ袖) + ダブルブレステッド6ボタン×ふたつがけ + ウェルト仕様のチェストポケット + アウト/パッチ仕様のウエストポケット + アウト/パッチ仕様のアウトサイドティケットポケットつき + サイドヴェンツ + ノーキャンヴァス/ノーパッド/ノーライニング/大身返しのアンコンストラクテッド仕立て」といったイメージでしょうか?
ボタンはBlackマザーオブパール(黒蝶貝)ボタン、胸ポケットの袋地や内ポケットのフラップ&両玉縁等にだけ使用するライニングはBlackベースにWhiteドットのプリントライニングにしたいです。
そのライニングとの「ストーリー」で、カラークロスフラワーループやボタンホールの一部はBlackにしたいです。
ボトムスはいずれも「ハイライズのグルカパンツ仕様 + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」にしたいです。
今日の「僕のBest 5」 5-3
Bold Stripeからはこちらをセレクトしました。
4者混ならではの独特の素材感、約4.8cm巾とワイドリピートのトリプルストライプ、Red, White and Blueのカラーリング!
完全無欠のカッコよさだと思います!!
ひとつ下もすごくイイんですけれど、やっぱりブルーが明るいこちらの方が好みです。
僕はこちらならモッズテイストあふれるタイトフィットなスーツを作りたいです。
1%ですがElastaneがブレンドされているのでタイトフィットにしても快適でしょう!
もうちょっと身体を絞らないとみっともないという説もありますが汗。。。
それはともかく!
僕はこちらならジャケットを「7.0cm巾のセミノッチドラペル + シングルブレステッド4ボタン + ロープドショルダー + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドチケットポケットつき + カッタウエイフロント + センターヴェント」で、ボトムスを「ローライズ + ベルトループつき + 0プリーツ + スキニーシルエット + ボタンフライ + 5.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはくるみボタン、ライニングはまだ少しだけ在庫が残っている “♡ Camo” silk c/# RWBにしたいです!
あるいはフォーマルテイスト強めのスリーピースもありでしょうか?
今日の「僕のBest 5」 5-4
51% Linen + 49% Woolボディからはこちらをセレクトしました。
これまたカッコいい素材ですよね〜。
僕はこちらなら今秋作った&今春も作った最近のお気に入り:ミリタリーテイストあり&MODなダブルブレステッドスーツを作りたいです。
デザインは、ジャケットが「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×3つがけ + ロープドショルダー + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドチケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスが「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」です。
カラー(上衿)やターンバックカフスやくるみボタンといったパーツは同ボディのNavy Blue×Blueを使いたいです。
ライニングはOrangeが効いたロックなプリントライニングにしたいです。
また、同ボディのNavy Blue×Blueでもボトムスを作って時々はセットアップでも楽しみたいですね。
今日の「僕のBest 5」 5-5
made in WakayamaのJerseyコレクションからはこちらをセレクトしました。
日本語で表現すると「鉄紺」とでも呼ぶのでしょうか?
いや、違うかな、超濃紺かな??
いずれにしても独特のNavy Blueがすごくイイですよね。
T様のジャケットが素晴らしかったので僕も作るなら同じように作ってみたいです。
T様は「ワイド巾:10.5cm巾&ラウンドシェイプのセミピークトラペル + マニカカミーチャ + ダブルブレステッド6ボタン×ふたつがけ + ウェルト仕様のチェストポケット + アウト/パッチ仕様のウエストポケット + アウト/パッチ仕様のアウトサイドティケットポケットつき + サイドヴェンツ + ノーキャンヴァス/ノーパッド/ノーライニング/大身返しのアンコンストラクテッド仕立て」でお作りになりました。
ボタンは3月から取扱開始したmade in Japanのレーザー彫刻入りブラック&ホワイトボタン、胸ポケットの袋地や内ポケットのフラップ&両玉縁等にだけ使用したライニングは残布として確保していた “♡ Camo” silk c/# FYをセレクトいただきました。
最高に素敵だったので近日中にご紹介しますね。
僕がもしアレンジを加えるとすれば。。。
わずかに使ったライニングのGreenを拾ってフラワーホールやボタンホールの一部をGreenにするとかかな?
パーフェクトな仕上がりに見えたのでアレンジがあまり思いつきません汗。
以上です。
21回/22回/23回はかなり(というかめちゃくちゃな)時間と労力を使ったので心地よい疲労でいっぱいです!
が、それと同時にしばらく新作バンチブックのご紹介はしたくないという気持ちも汗。。。
が、近々やります!!
少なくともこのDiaryでも何度か書いた通り今月中に25回目までは必ずやります!!
次回はUKミル/ブランドのSuitingコレクションをご紹介予定です。
乞うご期待ください。
14th. May. 2025
Ryoji Okada