間もなく新譜Remembering Now(6.13 Fri発売)をリリースするレジェンダリーなアイリッシュシンガーソングライターVAN MORRISON。
カヴァーアルバムが2作続いた後の3年振りとなる全曲自作曲アルバムということで数ヶ月前にリリースを知った時には大いに興奮したのですがなぜかまだ予約していませんでした。
VAN MORRISONの作品が悪いことはあり得ないのでいつもは迷わず予約するのですが。。。
もしかしたら音楽への情熱と愛情が少し薄まってきているのかな?
だとしたらちょっとイヤだな〜。。。
などと思う日々です。
さて、そんな日々の中、1週間ほど前に新譜の5曲目に収録されているCutting CornersのミュージックヴィデオがYouTube上で公開されました。
それがまた素晴らしくて!
思わず何度も聴き直してしまいました。
そして、聞きながら新譜を予約しました。
どうやら予約しなかったのはたまたまだったようです笑。
BRUCE SPRINGSTEENのBox Setとともに楽しみで仕方がありません!!
という訳で、今日は最後にCutting Cornersの動画を貼りました。
心動かされる良曲ですのでお時間のある時にぜひとも聴いてみてください。
ところで。
「アイリッシュ」といえば。
今日は5日振りに新作バンチブックをご紹介します。
21回目の今日ご紹介するのはずっと早くご紹介したいと思いながらも「ヴォリュームが多い上に多様なボディが入り乱れているし下調べが超大変なんだよね汗。。。」と後回しにしてしまっていたゴキゲン過ぎるJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)が「これでもか!」とコンパイルされている1冊です。
具体的には僕が愛してやまない名門イタリアンミルCarlo Barberaや19回/20回でご紹介したVBCやIrish Linenの重鎮Baird McNutt等々の新作がコンパイルされている1冊です。
コンパイルされているミルの数は実に17、マーク数は106!
正直。。。
撮影・下調べ・テキスト起こし等々の合計で今日のDiaryは完成まで7時間前後かかりました汗。
いや、途中で「ああ、これをこう作りたいな〜!」とか妄想をした時間も加えれば7時間以上かな?
まあ、それは楽しい時間というか休憩みたいなモノですね笑。
いずれにしても、9回目にご紹介したJacketingバンチブックと甲乙つけ難い素晴らしい傑作バンチブックに仕上がっていますのでご来店の際にはぜひとも最初から最後までじっくりとチェックをしてみてください。
もちろん、引き続きお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っています。
気になる素材があってご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。
より精度の高い画像や動画をお送りするなどご来店なしでもご注文いただけるように工夫をします。
では、早速ご紹介しましょう。
今日ご紹介するのは ↓こちらのバンチブック↓ です。
こちらは国内最大手(だと思います)の生地問屋であるT社さんが独自編集したバンチブックです。
収録されているのは表紙に記されたCarlo Barbera、Lanificio Rogna、William Halstead、Drago、VBCといったミルのJacketingです。
その数。。。
上述の通り合計17社です。
2024 Spring/Summerシーズンは12社、2024-2025 Autumn/Winterシーズンは13社と拡大を続けているこのバンチブックですが、2025-2026 Autumn/Winterシーズンにはいったい何社になることでしょう。。。
楽しみである一方で、(下調べ等がより大変になるので)恐ろしいです汗。
それはともかく、17社がしのぎを削って「得意技」を見せつけているかのような素晴らしいコレクションに仕上がっています。
今日はその一端が少しでもリアルに伝わるように魂を込めると同時にいつも以上に丁寧にご紹介しようと思います!
少々マーク数は多めなのですがぜひとも最後までお付き合いください。
*巾の表記がない素材はすべて150cm巾です
Carlo Barbera
僕が愛してやまないトップイタリアンミルCarlo Barberaの新作です。
残念なことにそこまで規模が大きくないせいか、あるいは某大手マーチャントから別注品を頻繁に受けているせいか、Carlo Barberaという名前でその極上素材がバンチブックに登場することはあまり多くないミルです。
なので、それが例えわずか4マークだけだとしても、20204-2025 Autumn/Winterシーズンの2マークに続いて2025 Spring/Summerシーズンでも新作を見ることができるのは本当に喜ばしい限りです。
さすがT社さん!
これをきっかけに徐々にでもバンチブックに登場する機会が増えると嬉しいのですが。。。
というCarlo Barberaは1949年創業、強烈ともいえる素材作りへのこだわりがファッション業界ではつとに有名です。
素材の良し悪しには最もうるさく厳しいファッション業界でも頻繁に「最高のミル」と評されることが多い理由は彼ら自慢の独自製法にあります。
その独自製法を象徴しているのが彼らが掲げる「天然で採取できる最も細くて長い素材のみを使用し最高品質の素材を生産する」という信念、そして「オーストラリアのオークションにおいて買いつけられた最上級の原毛を紡績した糸を地下倉庫で一度寝かせる」こだわりです。
地下倉庫は、糸の緊張を解くため、1年を通して気温が約7度・湿度が75%に保たれているそうです。
かなりじめっとした環境ですね。
もちろん製織と整理工程にもこだわりが貫かれています。
そんなCarlo Barberaの極上素材はKitonを筆頭に数多の最高級ブランドやファクトリーに愛され現在に至ります。
僕がかつて頻繁にイタリア北部で行われていた素材の展示会:イデアビエラに足を運んでいた頃(Gieves & Hawkesをやっていた頃なので23年~29年前くらいでしょうか?)に印象深かったのは、彼らのコレクション(の素晴らしさ)と同時にスタッフさん(多分Barbera一族の方たちが多かったと思います)のスタイリッシュさです。
数あるミルの中でも群を抜いて粋なスタッフさんが揃っていました。
「きっと、売れる素材ではなく自分たちが着たい素材を作ろう!という意識が徹底されているんじゃないかな?」と想像して清々しい気持ちになったものです。
1番上:75% Wool + 15% Silk + 10% Linen(260g/m)のオーヴァーチェックです。Silk由来の優雅な光沢とLinen由来の程よいカジュアルテイストが見事なハーモニーを奏でたナイスボディだと思います。そして、もちろんこの素晴らしく洗練されたRed, White and Blueのカラーリング!堪りません。こちらの素材では既にジャケットを1着承ってお渡し済なのですがその仕上がりはシビれるカッコよさでした!
上から2番目:48% Wool + 24% Silk + 20% Cotton + 5% Polyamide + 3% Polyurethane(270g/m)の5者混サマーツイードです。「ややワイルドな素材感とトラディショナルなウインドウペーン柄」と「Champagne Goldとも表現できそうなキレイなBrown Beigeと上質なSilk由来の豊かな光沢」というやや反対気味の要素が絶妙な化学反応を起こした素晴らしい素材だと思います。しかもPolyurethnae由来の快適なストレッチ性にも恵まれているという。。。モダンクラシックなデザインでジャケットを作ってみたいです!
下2マーク:62% Wool + 18% Silk + 18% Cotton + 2% Polyamide(285g/m)のグレンチェックです。いずれもトラディショナル柄をモダンなカラーリングでクールに仕上げたナイス素材だと思います。「さすがCarlo Barbera!」なセンスが光りますよね!285g/mとそこそこウエイトがあるので冬を除いた3シーズン楽しめるジャケットが仕上がると思います。
いや〜!
やっぱりCarlo Barberaはイイですね!!
この調子で2025-2026 Autumn/Winterシーズンは更なるマーク数の増加に期待したいです。
あ、Suiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)もお願いしたいですね。
Lanificio Rogna
半世紀以上の長きに渡り数々のラグジュアリーブランドのチーフデザイナーやラインビルダーとして活躍したLeonardo Rogna。
彼は2007年に引退し自らのアトリエを開きます。
アトリエ開設後程なくして息子であるFilippo Rognaが加わり数多くのブランドからプロジェクトに招かれ力を貸します。
そして、Filippoが主導して2019年にLanificio Rognaが設立されます。
クラシックメンズウェアのことを知り尽くしていると同時にクラシックメンズウェアを再解釈した孤高の美学を持つLeonardo Rognaの知見を最大限に活かして生み出される「イングリッシュスタイルの洗練さとイタリアが誇る職人技をシームレスに融合させた唯一無二なコレクション」は瞬く間にヨーロッパ中の目が肥えたテイラーやファッションハウスの注目を集めることになります
Lanificio Rognaの根底にあるのは「個性への揺るぎないこだわり」です。
ますます画一化が進むファッション業界においてLanificio Rognaが示す比類なき個性は要注目です。
という、なんとLOUD GARDENよりも歴史が浅い新進気鋭のイタリアンミルLanificio Rognaの新作Jacketing全6マークです。
今まで日本に入ってきたことがほとんどないミルなのでご存じない方も多いと思います。
かくいう僕も今回初めて知りました汗。
不勉強が恥ずかしい限りです。。。
それはともかく。。。
Huddersfieldでも尾州でも廃業するミルがあとを絶たない中で、かように熱い信念を持つミルが数年前に産声を上げたという事実にはとっても勇気づけられました。
そして、そのコレクションが超スーパーファビュラスなことにも猛烈な勇気をもらうと同時に感動すら覚えました。
上4マーク:中番手糸を使ってかなり粗くざっくり織り上げられたサマーツイード4マークです。品質は75% Wool + 15% Linen + 10% Silk(280g/m)です。ハードな「顔」に反してかなりソフトな肌触りという意外性も魅力の極めてユニークな素材です。
下2マーク:4Plyのダイアゴナルです。こちらは上4マークと異なりハードな見た目通りのハードな肌触りを持っています。品質は100% Wool(460g/m)です。460g/mというヘヴィウエイトの4Ply素材をSpring/Summerシーズン向けとして提案する心意気がサイコーですね!ヴィンテージ素材を彷彿とさせるドライなタッチも堪らない傑作だと思います。
William Halstead
2023-2024 Autumn/Winterシーズンにセンセーショナルなデビューを果たした「グッドオールド紡毛フランネルコレクション:Crown Flannel」で多くの粋人を魅了したWilliam Halsteadはイングランド北部に位置するWest Yorkshire州Bradfordにて1875年に創業された老舗ミルです。
このDiaryでも2年連続でCrown Flannelを超大絶賛しましたし、William Halsteadを「Autumn/Winterシーズンに強いミル」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが実はそうではありません。
「William HalsteadといえばMohair素材」とも「British Mohairの大家的存在」とも呼ばれる存在ですし、名門マーチャントのバンチブックにコンパイルされているmade in EnglandのMohairブレンド素材はその多くがWilliam Halstead謹製なのも有名な話ですから、我々の業界では「William Halstead = Spring/Summerシーズンに圧倒的存在感を示すミル」という認識が基本です。
それが証拠に、2025 Spring/Summerシーズンのトップバッターとしてご紹介したのは “A Gentleman At The Bar” というタイトルがつけられたWilliam Halsteadのマスタピース:Mohair Twillでした!
そのBlackで僕が作ったスリーピーススーツは依然として超ウルトラ絶好調です!
*例えば今秋僕がダブルブレステッドスーツを作ったVBCのMohair Flannelを筆頭にMohairをAutumn/Winterシーズン向け素材にブレンドするケースが増えている今日この頃ですがメンズのテイラードウェア業界では依然として「MohairはSpring/Summer向け原料」という印象が強いです
というWilliam Halsteadの新作Jacketingがこちらの2マークです。
品質は100% Wool(280g/m)、いわゆる我々がホップサックと呼ぶタイプのJacketingですね。
ただ、そこはWilliam Halsteadですからひとヒネリ効いています!
具体的には、通常のホップサックよりやや細番手の糸を強力に撚って織り上げられているのです。
これによりかなり高い抗シワ性が得られているはずです。
そして、極めて快適なカリッとした素材感も楽しめます。
これ以上にないサマージャケット/サマートラヴェルジャケットが仕上がる逸品だと思います。
が、しかし、え〜〜っと。。。
上記の通り「William HalsteadといえばMohair素材」なのですが、上記の通りこちらは100% Wool。。。
「やっぱりWilliam HalsteadならMohairブレンドがイイ!」という方はこちらのバンチブックにコンパイルされている2マークのどちらかをセレクトください。
Drago
LOUD GARDENに集ってくださる「違いが分かる粋人」たちからも高い人気を誇る&Skyfallシリーズのスマッシュヒットが記憶に新しいイタリアンミル:Dragoの新作Jacketingです。
上2マーク:68% Wool + 34% Cotton(215g/m)のビッグヘンリボンです。ざっくりとしたツイーディな肌触りとインパクト溢れる約2.8cm巾のヘリンボンが魅力です。それでいて215g/mというライトウエイトも嬉しいですね。軽快な仕立てのジャケットを作っていただきたいです!あるいは。。。これからの季節には着用機会が激減してしまいますがバルマカーンコートを作ってもすごくイイ感じに仕上がると思います。
下5マーク:68% Wool + 18% Silk + 14% Linen(255g)のモダンクラシックJacketingです。クリアカットされた艶やかな表面とイタリアンミルらしい洗練されたカラーリングが自慢です。特に真ん中のGreenのウィンドウペーンに心躍る僕です。
最後にDragoについて再度ご説明します。
—–
Dragoは1973年にUmbertoとLauraのDrago夫妻によって紡績工場として創設されました。
創設直後からBiella地区の主要なミル(毛織物工場)と強固なパートナーシップを結び成長を続け、1993年には高級ミルFintesを買収。
両社は2001年に合併します。
以降は「紡績・製織・整理までの全工程を自社でこなす数少ない一貫工場」として名を馳せ、世界中の高級ブランドやテイラーに高品質な素材を提供して今に至ります。
「Super 130’sを中心にSuper 160’sやSuper 180’s原料を使用した素材を常時多数展開していることに加えて、Super表記のトップクオリティSuper 210’s原料を使用した素材の開発・生産にも成功している高い技術力」と「ストレッチ・防シワ・撥水・防汚・遮熱といった様々な機能性を兼ね備えたコレクションも豊富に取り揃える時代のニーズに沿った革新性」がその魅力です。
またルーツである紡績業に目を移すと、Super 130’s以上の高級細番手糸に限っては「世界の約70%を生産している超強力なサプライヤー」としても有名です。
映画007 Skyfallで主演のDaniel Craigが着用したスーツの素材を手掛けたことからスタートしたSuper 180’s Woolシリーズ:Skyfallが世界中でベストセラーを記録している点も見逃せません。
—–
今年で創業52周年。
僕の方がちょっとだけ先輩です笑。
それはともかく、長い歴史を誇る企業が多いと同時に危機が迫ると大手の傘下に入る企業が多いBiella地区の中で、50年以上に渡って独立資本でここまで成長してきたのはすごいことだと思います。
今後の更なる進化と深化にも期待したいですね!
VBC
1663年創業。
「360年以上の歴史を誇る名門ミル」「現在最も勢いがあるイタリアンミル」「毎シーズン斬新な新クオリティをリリースしているイノヴェイティヴなミル」Vitale Barberis Canonico(VBC)の個性が光るJacketing全26マークです。
元々は「UKミルっぽいテイストとコストパフォーマンスの高さが魅力のSuitingを展開するイタリアンミル」といったイメージだったVBCですが、昨今は様々な野心的な素材開発にも取り組んでおり「進化する老舗」のトップランナーといった存在になりつつあります。
もちろん以前のイメージから変わらぬ高いヴァリューを誇るSuitingも健在というか現在でもそちらが主力です(つい最近ご紹介したばかりのAbito & Giacca / SupersonicとLe Stagioniの脅威的な充実度を記憶なさっている方も少なくないと思います。)が、この26マークを筆頭にした個性的な素材も多数展開しています。
1番上の画像は1950年代や1960年代といった過去のアーカイヴからヒントを得ると同時にカラーリングと品質に気を配り現代風のアレンジを加えた2024 Spring/Summerシーズンに本邦初上陸したモダンレトロなニューライン:Vintageです。
いずれも狙い通りとってもモダンレトロでイイ感じの素材に仕上がっています!
個人的にこのテイストはすごく好きですね〜。
上3マーク:55% Linen + 25% Silk + 20% Cotton(280g/m)のサマーツイードです。いずれもカラートーンが白眉ですよね!Linen特有のシャリ感と光沢も素晴らしいです。
上から4番目~6番目:45% Cotton + 40% Wool + 15% Polyamide(300g/m)のサマーツイードです。Cotton由来のカジュアルテイストとナチュラルなカラーリングが絶妙にフュージョンしていると思います。ハリのある素材感も◎です。
1番下:52% Cotton + 48% Wool(240g/m)のグレンチェックです。Jacketingではありますが。。。このボディならボトムスを作っても問題ないと思います。なので、僕はこちらなら1930’sテイストが強めなシングルブレステッドスリーピーススーツを作りたいです!
上から3番目の画像は独特の表面感が楽しい無地4マークです。
品質は100% Wool(250m/g)です。
1番上のBlueでは既にジャケットを1着承りました。
もうすぐ仕上がる予定なのですが、きっとすごく爽やかで涼しげで知的でハンサムなジャケットになることでしょう!
とっても楽しみです。
上から3番目はVBCの大定番Hopsack:Mesh Jacketingです。
ホップサックはその通気性の良さ、抗シワ性の高さ、そして独特のカジュアルテイスト溢れる表面感によりヨーロッパではかなり昔から「Spring/Summerシーズン用ジャケットの王道素材」「トラヴェルジャケットの秘密兵器」として圧倒的な人気を誇っています。
ドレススタイルにもカジュアルスタイルにも相性抜群の「超有能なジャケット」をお探しの方にぜひともオススメしたい素材です。
その場合はBlack(1番上)かNavy Blue(上から2番目/3番目)が第一候補になると思いますが、このコレクションは全15マークという圧巻のカラーヴァリエーションを誇ります。
なので、ひと味違うSpring/Summer用無地ジャケットをお探しの方にもオススメしたいですね。
例えば、下から3番目のOrangeやその下のPinkなんて他のバンチブックではなかなか見つからないウルトラナイスカラーだと思います。
品質は100% Wool(280g)です。
1番下の画像はモダンなカラーリングが印象深いトラディショナルチェック3マークです。
1番上:すごくキレイなBlueとGreenが際立つサマーツイードです。これはベースカラーがBeigeなのがイイんでしょうね!BeigeがBlueとGreenのキレイさを引き立てていると思います。品質は55% Linen + 25% Silk + 20% Cotton(280g/m)です。
下2マーク:Slikブレンドのホップサックです。品質は78% Wool + 22% Silk(260g/m)です。涼しげながらも色気のある色柄が魅力です。
Lanificio Di Pray
1948年創業、Biella地区のミルとしては比較的若い企業(といっても創業76年!)Lanificio Di Pray(以下Di Pray)の新作5マークです。
Di Prayは主に「しなやかな風合いと精細な色柄が特徴的なMen’s向けJacketing」を得意とするミルです。
こちらの6マークもいかにも「らしい」素材だと思います。
1番上:48% Wool + 28% Silk + 24% Linen(260g/m)のサマーツイードです。深く上品なBrownがすごくイイですよね!
上から2番目/3番目:気品のあるカラーリングと上質なSilkおよび細番手糸を使用したクリアカットのツイル(綾織)組織に由来する優雅な光沢が魅力の極上チェックJacketingです。品質は65% Wool + 21% Silk + 14% Linen(235g/m)です。極めて洗練された&落ち着いた「大人な1着」が仕上がること間違いなしだと思います。
上から4番目/5番目:100% Wool(240g/m)のチェックJacketingです。こちらはいずれも極めて一般的なトロピカル(平織)組織ですのでボトムスにもオススメです!ボトムスにもいけるということは。。。はい、つまりスーツにもいけます。僕は上のBlack Watch風タータンチェックでモッズスーツを作ってみたいです。
1番下:65% Wool + 21% Silk + 14% Linen(230g/m)のサマーツイードです。クールなカラーリングとしっとりとした高級感あふれる素材感がとてもイイ感じだと思います。
Lanificio T.G. di Fabio
A WORKROOM時代に僕が自分用のスーツに多用したLanificio T.G. di Fabio(以下TG Fabio)の新作6マークです。
なぜ多用したかというと。。。
TG Fabioはモードブランドにも多く供給しているだけあってコレクションがとてもクリエイティヴだったのとプライスが比較的リーズナブルだったからです。
それから、当時の僕は私服だとアヴァンギャルドなデザインを選ぶことが多かった(仕事服もそうだったかな?笑)一方で、PradaとかJil SanderとかRaf SimonsとかDries Van Notenといった比較的シックなデザインのブランドもかなり好んでいました。
そんなPradaが頻繁に使っているという話を聞いたことも多用した理由のひとつかもしれません。
記憶によれば、最低でもフロッキープリントでストライプを表現した素材のスーツを3着か4着、ジャカード素材でパンツを2本は作ったと思います。
それだと「多用」と胸を張るには少ないか汗。
というTG Fabioは、1995年に現オーナーFabio Tallia Galoppoが長年共同経営者として勤めたビエラ地区有数のミルを退き「より気軽でファッション性の高い素材の提供」を目指して設立しました。
設立後ほどなくして「マーケットの綿密な研究を経て生まれた斬新かつクラシカルなコンセプトのコレクション」が支持を集め成長を続けた結果ここ数年の生産数量は50,000反に到達、「時代が求めるミル」へと成長しつあります。
ヨーロッパの著名なファッションメーカーとの共同研究によって生み出される「古い慣習にとらわれることなく時代に沿ったセンスと柔軟な発想に満ちたコレクション」は見応え抜群です!
今回入荷した6マークもアヴァンギャルド度こそ低めですが極めて個性的です。
上4マーク:58% Wool + 42% Linen(325g/m)のサマーツイードです。この4マークは。。。いずれも超スーパーカッコいいですよね!!どれも激しく作りたいです!
下2マーク:56% Linen + 44% Cotton(220g/m)のチェックJacketingです。Linen + Cottonという比較的レアなブレンドが生み出す独特の素材感が魅力のナイスJacketingです。
やっぱり。。。
TG Fabioはイイですね!
久し振りにすごく作りたくなりました。
Botto Giuseppe
1876年創業。
150年近い伝統に裏打ちされた高い技術力を誇り名立たる高級メゾンに愛されてきた老舗イタリアンミルBotto Giuseppeの新作Jacketingです。
Botto Giuseppeは昔から知っているミルです。
が、毎シーズン北イタリアのComo湖付近で行われていた素材展:イデアビエラに足を運び数日かけてたくさんのフルコレクションを見ていたGieves & Hawkes時代から一度も使ったことがないですし、A WORKROOM時代以降も取扱バンチブックにコンパイルされたことが(多分)一度もありませんでした。
なので、今回こちらのバンチブックにコンパイルされていると知り「おお、懐かしい!」と嬉しく思いました。
記憶では個性あふれるヒネリの効いた素材を多く展開しているやや異端児っぽい立ち位置のミルだったような。
また、ここ最近はWomen’sウェアブランド/メーカーにもサプライしているようです。
どうやら以前と変わらず同じビエラ地区の同業他社とは少し違う路線を歩んでいるようです。
そんなBotto Giuseppeの新作は5マーク、すべてが100% Bamboo(280g/m)です!
はい、Bambooとは竹です。
竹を原料に使って繊維化した糸で織り上げた素材です。
100% Bamboo素材はシルクに似た美しい光沢としなやかさ、豊かなドレープを誇ります。
また、Cottonの2倍以上というデータも出ている吸水性、極めて高い抗菌/消臭性、静電気を抑えてくれる制電性といった「能力」も自慢です。
と同時に、その成長の早さゆえに永続的に伐採しても自然環境のバランスにほとんど影響がない「植物由来の循環型資源」として注目されている原料のため極めてサステイナブルな素材でもあります。
確かに竹の成長スピードってめちゃくちゃ早いですもんね!
こちらの5マークはしっとりとした贅沢な質感が素晴らしいです。
ご来店の際にはぜひとも触ってみてください。
かなりSilkに似ていますが、この素材感の100% Silk素材に比べたら相当割安なのも嬉しいポイントでしょうか。
久し振りに出会ったBotto Giuseppeがこんなにも素晴らしい100% Bamboo素材をやっているなんて!
なんとも幸せなサプライズでした!
Subalpino
高級イタリアンミルが集結している北イタリアのBiella地区で40年以上の歴史を刻んでいる「CottonやLinenといった天然繊維のスペシャリスト:Subalpino」の新作です。
上画像:いかにもSubalpinoらしいLinen + Woolシリーズです。上2マークは55% Linen + 45% Woolのグレンチェック(260g/m)です。下4マークは56% Wool + 46% Linen(210g/m)の無地です。もちろんジャケットを作ってもいいのですが、この「顔」と品質とウエイトならサマースーツを作るのが「正解」だと思います。あ、Navy Blue無地でジャケットをGrey無地あるいはグレンチェックでボトムスを作ってもよさそうですね。下4マークの1番上はBlackです。
下画像:「さすがはSubalpino!」なクリエイティヴ極まりない100% Linenシリーズです。上2マークは100% Linen(250g/m)のパリッとした風合いおよび大胆な大きさとカラーリングのチェックがゴキゲン過ぎるギンガムチェックです。2マークは100% Linen(350g/m)のリネンツイードです。太番手糸を使用することで表現したざっくりとした素材感とクリエイティヴなカラーリングが魅力です。下のBrown + Navy BlueはいわゆるSolaro/ソラーロです。具体的には経糸(タテイト)にBrown糸を緯糸(ヨコイト)にNavy Blue糸を使用したSolaroです。Solaroならではの複雑で洗練されたカラーがすごくイイですよね〜!
いずれの素材も、この画像だとなかなか素敵さの全貌が伝わらないと思います汗。
つきましては、ご来店時にじっくりと見て&触ってやってください。
Sondrio
数多くのメゾンブランドを顧客に持つイタリアを代表する名門CottonメーカーSondrioの新作4マークです。
SondrioといえばSavile Row Cotton & Linenと名づけられた新作Cotton + Linenボディが印象深いです。
新作バンチブック紹介の8回目にご紹介したItalian Contemporaryにコンパイルされている「Sondrioのエッヂが立った高い先見性」が生み出した傑作です!
あれは。。。
僕も作ってみたいですね〜!
こちらのバンチブックにコンパイルされている4マークはSavile Row Cotton & Linenとはまた異なるベクトルを持つ、「エッヂが立った高い先見性」とともにSondrioの大きな個性である「Cottonメーカーならではの懐の深さ」を見せつけるJacketingです。
Sondrioを知ったのは上述したイデアビエラに毎シーズン足を運んでいた頃でした。
ある時、Sondrioのエージェントさんが「勉強になると思うから見てみな」と仰ってくだりフルコレクションを見せてもらったんですよね。
その時には「へ〜〜。Cottonでもこんなに多様な表現ができるんだ!」と大いに感嘆したものです。
もう25年以上前の話ですがまあまあはっきり記憶が残っています。
それくらい衝撃的だったということでしょう。
上3マークはその感嘆した時に見たコレクションにもあったようなボディです。
品質は100% Cotton(280g/m)です。
Cottonとは思えないようなWoolyな素材感と「顔」がスーパーナイスだと思います!
洗練されたカラーリングも見事ですよね。
それでいて100% Cottonですから着れば着るほどイイ具合の「くたっと感」が付加されていくはずです。
「育て甲斐の塊」のようなジャケットが仕上がるはずです!
1番下は100% Linen(260g/m *148cm巾)です。
Sondrioは最近Linenにも力を入れています。
こちらはその面目躍如たる良質な100% Linen素材だと思います。
ジャケットにはもちろんスーツにも◎だと思います。
Tollegno 1990
Lanificio Di Tollegnoの新作8マークです。
「以前はLanificio Di Tollegnoと名乗っていたけれど現在はTollegno 1900で統一された」と聞いていましたが、先日ご紹介したSuitingのバンチブックにはLanificio Di Tollegnoと書かれていました。
* “Lanificho” はイタリアのミルがよくつけているワードで「服地製造工場」の意味です
が、イタリア本国の公式websiteはTollegno 1990になっています。
ちなみに今日ご紹介するバンチブックは日本で編集されたもので、表紙にもあるようにTollegnoとだけ書かれています。
さて、どの表記が正しいのでしょうか!?
それはまた精査するとして、今日はSuitingの時と同様に本国を正解(そりゃそうだ!)とします。
ついては、以降はTollegno 1990と記します。
Tollegno 1900は、母体であるLoro Piana/ロロ・ピアーナ社が1900年にメゾンやアパレルメーカー向けのテキスタイルを提案する目的で設立したテキスタイルメーカー/ミルです。
また、Tollegno 1900はテキスタイルの企画から紡績、染色、製織、整理までを一貫して行うテキスタイルメーカー/ミルですが、その一方で糸自体を販売する紡績メーカーとしてもかなりの規模を持っています。
もしかしたら、企業全体はTollegno 1990としテキスタイル部門をLanificio Di Tollegnoと称しているのかもしれません。
だとしたらどちらも「正解」ですね!
それはともかく、そんなTollegno 1900のコレクションは「120年以上に渡る歴史と伝統に裏打ちされたこだわりの一貫生産が生む安定したクオリティ」「ファッショントレンドが織り込まれたテキスタイルデザイン」「戦略的なリーズナブルプライス」といったたくさんの魅力を誇ります。
その出自もありテイラーへの「カット販売」にそこまで積極的ではないせいか日本でこそあまり知られていませんが、イタリアでは確かなプレゼンスを誇る実力派ミル、要注目のミルです。
その魅力と実力の確かさは、例えばArmaniやDolce & GabbanaなどイタリアのビッグメゾンがこぞってTollegno 1900に別注素材をオーダーしていることからも証明されています。
上6マーク:42% Cotton + 30% Wool + 20% Viscose + 3% Polyurethane(270g/m *145cm巾)のサマーツイードです。野趣味あふれる少々ザラリとした素材感とモダンクラシックな色柄とPolyurethaneブレンド由来の快適なストレッチ性が魅力です。この素材感なら春と秋に着る羽織りコートを作っても面白いかもしれません!
下2マーク:48% Wool + 40% Cotton + 10% Linen + 2% Polyurethane(240g/m)のトロピカルです。シックでモダンクラシックなグレンチェックがナイスですよね。スーツ/ボトムスも可能なボディです。というか。。。活動的なサマースーツにオススメです!
Angelico
クリエイティヴなデザインと比較的リーズナブルなプライスが魅力のイタリアンミルAngelicoも新作7マークがコンパイルされています。
いつもはAngelicoらしいさりげない個性が表現された、そして洗練された色柄がとても素敵なチェックが中心なのですが、2025 Spring/Summerシーズンはオール無地です!
「その潔さやよし!」ですよね。
そして、無地でありながらも確かな個性を持っているのも嬉しい限りです。
上5マーク:62% Linen + 38% Cotton(240g/m)の無地です。アーバンなカラーとLinen + Cotton特有のドライでカリッとした肌触りが魅力のボディです。モダンレトロフレイヴァーも素敵ではないでしょうか?
下2マーク:100% Wool(280g/m)のNavy Blueです。高級感あふれるしっとりとした肌触りがナイスな素材です。
やんちゃなAngelicoも好きですが、かように比較的シックなAngelicoも悪くないですね!
Baird McNutt
Baird McNuttは1912年創業のハイエンドIrish Linenメーカーです。
「紡績から製織までの工程を一貫して自社で行うこだわり」「17世紀よりIrelandで受け継がれてきた職人の技術」「きれいな湧水を使用した染色工程やウォッシング由来の豊かで鮮やかなカラーリング」といった他社では真似のできない特徴が支持され、名門マーチャントへの別注素材供給や歴史あるアメリカンブランドへの素材供給を行っていることで有名な「Irish Linenの重鎮・大御所」的存在の貴重なミルです。
もう少しだけ突っ込んだ説明を加えると、多くのLinenメーカーはCottonと同じ工程でLinenの生産をしていますがBaird McNuttは手間のかかるIrish Linenの伝統的な手法を今もなお頑なに守っています。
それによって「オールドクラシックLinen」と呼びたくなるような独特の風合いが生まれます。
実はあのバンチブックやあのバンチブックの100% Linen素材もBaird McNutt謹製です。
そして、僕が知る限りBaird McNuttの名前でバンチブックに登場するのはこちら(と9回目にご紹介したJacket & Trousersというバンチブック)が初めてだと思います。
*オーダーメイドシャツ用の通常コレクションには一度入荷したことがあります
素晴らしい!
品質はすべて100% Linen(270g/m *145cm巾)、組織はトロピカルです。
初登場ということで5マークとやや控えめなコレクションですがそのクオリティは「間違いない」です!
「ツボ」をおさえたカラーヴァリエーションも◎ではないでしょうか?
異なる問屋さんが編集しているにも関わらずコンパイルされている6マークともがツイル組織だったJacket & Trousersときっちり差別化ができているのもイイですね。
皆さんはどのカラーがお好きですか?
Ferla / Cerruti
上2マークは1857年創業、SilkやMohair、Baby alpacaを筆頭にした様々な極上マテリアルを巧みにブレンドして個性豊かなJacketingを「発明」し続けている老舗ミルFerlaの超強力サマーツイードです。
Women’sも得意としているミルならではの「他社の追随を許さない華やかな色彩と豊かな表面感」がFerla最大の魅力なのですが、この2マークもいかにもFerlaらしいエレガントなサマーツイードだと思います。
上:77% Silk + 23% Cotton(290g/m)の無地です。「高貴かつ華やかなBlue」と「最高品質のシルクならではの優雅な光沢」と「太番手糸を使用して丁寧にふんわりとダイアゴナル柄を表現しながら織り上げられたことで生まれた豊潤な膨らみ」が三位一体となった傑作素材です。ツイードらしいネップも楽しいですよね!わずか1カラー展開ですがすごい存在感ではないでしょうか!?さすがFerlaです!
下:38% Silk + 36% Linen + 16% Cotton + 10% Polyamide(290g/m *145cm巾)のハウンズトゥース風ギンガムチェックです。少し強めに打ち込んでいますが、それでもFerlaらしい「ふわりとした素材感」は十二分に愉しめます。カジュアル素材向け原料のLinenとCottonを合わせると52%の比率になりますので、経年とともにいい具合にクタッとしてくれそうなのも◎だと思います。一見クラシックながらも個性的でラグジュアリーなジャケットをお探しの方にイチオシです!
マーク数が少ないということもありFerlaの人気素材は毎シーズンかなり早い段階で完売になりますので、もしも「お!」という素材がありましたらどうぞお早めにお願いします。
1番下はCerrutiのサマーツイードです。
僕がかつてお世話になったGieves & Hawkesと同じく香港のTrinity Group傘下に入っていたCerrutiですが、2022年初頭にそのTrinity Groupが経営危機に陥いったことで業界内では一時的に「消滅の可能性もある」という噂が飛び交いました。
Natural Born Eleganceを標榜し、多数の上質で華やかで野心的なコレクションを展開しているスペシャルなミルだったのでその噂には悲しくなったものです。
が、数々の逸話を持つ老舗イタリアンミルPiacenzaが消滅させるのは惜しいと考え取得、Cerrutiは現在も変わらず素晴らしい素材を供給し続けています。
ミル/マーチャントの再編劇は頻繁に行われているとはいえね〜。。。
あのCerrutiが危機に陥ったのには少々びっくりしました。
そして、結果として考えうる最高の受け入れ先が見つかってよかったです。
PiacenzaにとってもCerrutiの受け入れは今後に向けて大いなる好材料ではないかな?とも想像します。
ちなみにGieves & HawkesもUK資本に回帰してサヴァイヴに成功しました。
というCerrutiの極上サマーツイードも1マークだけコンパイルされているます。
これまでCerrutiはHolland & Sherryのように全世界共通でエクスクルーシヴなバンチブック展開をしていたので、複数ミルの素材が共存するこのようなバンチブックにコンパイルされるのは稀でした。
が、上記の経緯も影響しているのか2024 Spring/Summerシーズンから久し振りに登場し2025 Spring/Summerシーズンに至っています。
1マークとはいえ、個人的にはとても嬉しい「再会」です!
肝心の素材説明を。
こちらは56% Silk + 44% Wool(320g/m)のサマーツイードです。
ナチュラルテイストながらもSilver GreyとGolden Brownという「Natural Born Eleganceなカラー」が至極Cerrutiらしい極上品です。
Silkならではの優雅な光沢もその「Natural Born Eleganceなカラー」をより一層引き立てていると思います。
Marling & Evans
「いかにもUKミルらしいテイスト」がとってもダンディなサマーツイード2マークです。
いずれも似たカラーリングのトラディショナルチェックですが、品質はかなり違います。
具体的には上が50% Wool + 50% Linen(290g/m)で、下が48% Wool + 28% Linen + 24% Silk(300g/m)です。
どちらすごくカッコいいですよね。
特にトラディショナルチェックとモダンカラーリングが絶妙なハーモニーを奏でているところがかなりツボです!
また、上はかなりしっかりと打ち込んでいるのでワイドシルエットならボトムスもイケると思います。
という訳で、僕は上なら1930’sを彷彿とさせるスリーピーススーツを作ってみたいです。
下はLoro Pianaのバンチブックにコンパイルされていてもおかしくないほどの洗練さがすごくイイと思います。
Marling & Evansは ↓こんなミル↓ です。
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Maring & Evansは1782年にイングランド南西部のStroudに紡績・製織・整理の機能を持つ一貫生産体制のメーカーとして設立されました。
19世紀にはフランネル素材で広く知られるようになり、1920年代にはロールスロイスが厚手のフランネル素材を車の内装に使用したことでも話題になりました。
1960年代には現在のHuddersfieldに移転、Flannel、Saxony、Lambswool、Shetland、Undyed British Woolといった英国スタイルの素材だけを展開して今日に至ります。
特に「英国羊毛のナチュラルカラー糸で生産するUndyed British Wool」はその生産工程のこだわりを数多くのメディアが取り上げたこともありMarling & Evansの代名詞的存在にまで育ちました。
具体的には「希少な英国羊毛のみを使用して」「紡績・製織工程に染料や化学物質を使用せず」「フィニッシュ工程では天然の石鹸を使用して」Undyed British Woolは生産されています。
加えて、全生産工程が半径6マイル以内の工場で行われるため二酸化炭素の排出量が最小限に抑えられています。
Undyed British Woolは環境への負荷が抑えられると同時に昔ながらのブリティッシュウールの味わいが見事に表現されたこの時代に相応しい傑作なのです。
*こちらの2マークはいずれもUndyed British Woolではありません。
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Reda
大手イタリアンミルRedaのFlexoです
Flexoは「快適性と抗シワ性を生み出す」と同時に「Woolが本来的に持つ豊かな風合い等を損なわない」目的で生み出されたストレッチボディです。
具体的には、Woolに極微量(1%)のPolyurethaneを混紡した素材です。
と書くと「ふ〜ん、最近よく見かける感じの品質だね」とお思いの方も多いかもしれません。
そして、それは確かにその通りです。
が、しかし、このFlexoに使用しているPolyurethaneは有害物質を一切含まないそうです。
つまり、環境にも配慮をしたストレッチ素材という訳ですね。
Activeとともに人気を博しているのも納得です!
品質は99% Wool + 1% Polyurethane(275g/m)です。
Polyurethaneの使用はわずか1%にも関わらずすご〜くストレッチします。
これは織り方の工夫もあるそうです。
さすがはRedaですね。
全マーク紹介は以上です。
最後に、今日の「僕のBest 5」をご紹介します。
いつも書いていますけれど、あくまで「今日の」なので、そして今日は惜しくも選外になったどの素材も素晴らしいので明日には変わっているかもしれません、悪しからず笑。
今日の「僕のBest 5」 5-1
Carlo Barberaからはこちらをセレクトしました。
まず大好きかつ憧れのCarlo Barberaです!
そして、「さすがCarlo Brbera!」な素晴らしいクオリティです!!
そしてそして、このナイス色柄です!!!
どうでしょう。。。
10年振りくらいになるでしょうか?
久し振りに作ってみたくなります!
上述した通り、こちらは既にジャケットのご注文が入ってお渡し済なのですが。。。
あのY様のジャケットは。。。
めちゃくちゃクール&シャープ&カッコよかったので、もし僕が作るとしたら「パクリ」にならない程度に踏襲させていただきたいと思います!
具体的には「モダンクラシック巾:8.0cm巾のピークトラペル + ロープドショルダー + シングルブレステッド2ボタン + モダンクラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + ウエストポケットと2.0cm重ね/2.0cm前位置のアウトサイドティケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で作りたいです。
ボタンはデッドストックのスカル&ボンズメタルボタン、ライニングはBlueベースのスカルプリントライニングにしたいです!
ボタンとライニングはY様の完全な「パクリ」です汗。
でも、すご〜〜くカッコよかったので仕方がありません!
カラークロス(上衿裏のフェルト生地)やフラワーホール(衿穴)糸や一部ボタンホール糸はライニングのBlueを拾いたいです。
Y様、いつも本当にありがとうございます!
今日の「僕のBest 5」 5-2
Lanificio Rognaからはこちらをセレクトしました。
この超スーパーマニアックなボディとこの時代にこのような素材を発信する新進ミルの心意気に惚れました!
素晴らしいと思います。
僕はこちらなら左のNavy Blueでブレザーを右のWhiteでボトムスを作りたいです。
ちょっとミリタリーテイストがあって、ちょっと1930’sっぽく「料理」をしたいかな?
具体的にはジャケットを「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド8ボタン×4つがけ + ロープドショルダー + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差10.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + サイドヴェンツ」で、ボトムスを「ハイライズ + グルカパンツ仕様 + 2インプリーツ + スーパーワイドシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはマザーオブパール(白蝶貝)ボタン、ライニングはWhiteベースのLibertyライニングにしたいです。
そして、カラークロス、フラワーホール、ボタンホールの一部はWhiteにしたいですね。
加えて、WhiteではNews Boyキャップも作りたいです。
なんなら。。。
これだけハードタッチな素材だし。。。
両方の素材を使ったトートバックも作ってみたいかも!
今日の「僕のBest 5」 5-3
TG Fabioからはこちらをセレクトしました。
これもまた。。。
とってもマニアックでカッコいい素材ですよね!
僕はこちらならクラシカルな1930’sスタイルのダブルブレステッドスーツで作りたいです。
具体的にはジャケットを「11.0cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×ふたつがけ + ロープドショルダー + ウェルト仕様のチェストポケット + ボタンどめフラップ&マチつきのアウトボックスプリーツつきウエストポケット + ターンバックカフス仕様 + アクションプリーツ&ベルトつきバック + サイドヴェンツ」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + スーパーワイドシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはBrownマザーオブパール(茶蝶貝)ボタン、ライニングはBrownベースのロックなプリントライニングがいいかな?
加えて、News Boyキャップも作ってスリーピースにしたいです。
今日の「僕のBest 5」 5-4
Subalpinoからはこちらをセレクトしました。
やや大きめサイズのチェック。
やや縦長のギンガムチェック。
シャープ&ハイコントラストなBlack & Whiteカラーリング。
サイコーだと思います。
この画像では見えていませんが、ところどころにかなり大きめなネップが入っているのもすごくイイ感じです。
僕はこちらでモッズスーツを作りたいです!
あるいはサファリジャケットかな?
前者ならジャケットは「7.0cm巾のノッチドラペル + シングルブレステッド4ボタン + ビルドアップショルダー(ロープを入れずにトップを少し上げたショルダー)+ カッタウェイフロント + ウェルト仕様のチェストポケット + 前後差5.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + センターヴェント」、ボトムスは「ローライズ + ベルトループつき + 0プリーツ + スキニーシルエット + ボタンフライ + 5.0cm巾のターンナップヘム」にしたいです。
ボタンはくるみボタン、ライニングはBlack系のスカルプリントライニングにしたいです。
それから。。。
ジャケットのエッヂにBlackのグログランテープでパイピングをしてもより一層楽しいかもしれませんね!
その場合はボトムスのサイドシームにもグログランテープを縫い付けたいですね。
そして、ライニングおよびパイピングとの「ストーリー」で、カラークロスやフラワーループや一部ボタンホールをBlackにしたいです!
クールでロック&ロールで個性が強い絶品モッズスーツが仕上がることでしょう!
今日の「僕のBest 5」 5-5
Marling & Evansからはこちらをセレクトしました。
この素材をカントリーにもアーバンにも寄り過ぎなくしているなんとも絶妙なカラーリングがイイですよね!
僕はこちらならヴェリーイングリッシュなスリーピーススーツを作ってみたいです!
具体的には、ジャケットを「8.0cm巾のセミノッチドラペル + シングルブレステッド3ボタン×真ん中ひとつがけ + ロープドショルダー + クラシックフロント + ウェルト仕様のチェストポケット + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドティケットポケットつき + サイドヴェンツ」で、ヴェストを「ラペルレス + シングルブレステッド6ボタン + チェストポケットレス + ウェルト仕様のウエストポケット」で、ボトムスを「ややハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 1インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 5.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。
ボタンはBrownマザーオブパールボタン、ライニングは現在仕込み中の “♡ Camo” silk c/# Blueにしたいです。
以上です。
今日はかなり長くなりました汗。
にも関わらず、最後までおつき合いいただき厚く御礼を申し上げます。
そして、僕は。。。
今日のDiary作成で抜け殻になるくらいに疲労困憊しました笑。
でも、これだけ素晴らしいバンチブックをご紹介しない訳にもいきません!
なので、かなりの達成感も感じています。
つきましては、ぜひともどなたかご注文をお願いします!
次回はもう1冊あるJacketingコレクションをご紹介予定です。
乞うご期待ください。
◆本日の一曲◆
Cutting Corners
VAN MORRISON
素晴らしいですよね〜!
何だか嬉しくなってきます。
そして、もう一度だけでもイイのでまた生ライヴが観たいな〜。。。と思います。
ウイーン旅行中に公演があると最高だけど。。。
絶対ないだろうな。。。
9th. May. 2025
Ryoji Okada