Ryoji Okada Official Website

Diary

New bunch book collection for 2025 Spring/Summer vol.19: VBC – Abito & Giacca / Supersonic –

Loud Garden / Ryoji Okada

 

< News! >

  ☑︎ 5月の水曜日は「14:00-20:00」で営業いたします

  ☑︎ Made-to-order “Skull Hat/スカルハット”

  ☑︎ “Music Legends on Cards!” Shirting入荷!

  ☑︎ “Dinosaurs” Shirting入荷!

  ☑︎ “Hearts! Hearts! Hearts!” Shirting入荷!

  ☑︎ “Flowers!” Shirting入荷!

  ☑︎ “Crooked Plaid” Shirting入荷!

  ☑︎ 俺のCool Black Shirt

  ☑︎ 俺のInto The MysticなBlack Three Piece Suit

  ☑︎ 俺のDon’t Look BackなDouble-breasted Suit

  ☑︎ “♡ Camo” Socks の新作作成中

  ☑︎ The Loudest Voice vol.39 in store now!

  ☑︎ オプションフリーキャンペーン開催中です!

 

< New bunch book collection >

  ☑︎ vol.1: William Halstead

  ☑︎ vol.2: Holland & Sherry – Crystal Springs –

  ☑︎ vol.3: Smith Woollens – Abacus –

  ☑︎ vol.4: TCS

  ☑︎ vol.5: Drago

  ☑︎ vol.6: Fratelli Tallia Di Delfino

  ☑︎ vol.7: Bower Roebuck / Lassiere Mills etc.

  ☑︎ vol.8: E.Thomas / Dondi / Marlene etc.

  ☑︎ vol.9: Novara / Baird McNutt / Drago etc.

  ☑︎ vol.10: Dormeuil – Celebration –

  ☑︎ vol.11: Holland & Sherry – Bespoke #31 –

  ☑︎ vol.12: Loro Piana

  ☑︎ vol.13: Marzotto

  ☑︎ vol.14: Ermenegildo Zegna

  ☑︎ vol.15: Tollegno 1900

  ☑︎ vol.16: Liberty Linings by HFW

  ☑︎ vol.17: M by Biellesi

  ☑︎ vol.18: Darrow Dale

 

 

 

終わった4月の商況ですが、とってもありがたいことに出足から中盤にかけてはかなり好調でした。

「(昨年の4月はかなり苦戦したので)これなら4.20 Sunくらいには昨年実績をクリアできるかも!」「そうなればどれだけ貯金ができるかが勝負!」「不甲斐なさ過ぎるカープのような大失速を演じないように兜の緒を締め直すぞ!!」などと思いながら日々を闘いました。

が、中盤以降はじわりじわりと調子を落とし、最後の10日ほどはかなり苦しみました。

特にカンフル剤的役割にも期待して超スーパー気合十分で準備を重ねたOption free campaign for made-to-measure shirts/オーダーメイドシャツのオプションフリーキャンペーンが絶不調のスタートを切ったのはちょっとショックでした汗。

4.25 Friのキャンペーン初日から今日まででシャツのご注文は3枚のみ、しかもその3枚ともがキャンペーン対象外素材でのご注文でした。

つまり、キャンペーンの受注は0枚でした。。。

そして、5月最初の営業日となった昨日も0枚。。。

OMGであります。

少し前にこのDiaryで書いた「2025年におけるオーダーメイドシャツのご注文枚数は昨年よりかなり増えているのでその反動がどこかでくるかも」という懸念があたってしまったのかもしれません。

あるいは、気合を入れたつもりが実は完全な空回りで的を射たアプローチがまったくできていなかったのかもしれません。

いずれにしても、このままでは終われません。

なんとしてもここから盛り返していきたいです!

ちなみに、結局のところ、4月の昨年実績自体はクリアしました。

ありがとうございました!

これで、2025年の4ヶ月連続に加えて2024年12月もそうだったので5ヶ月連続昨年実績クリアと頭を抱える状況ではないかもしれません。

けれど、4月終盤の失速はかなりの懸念材料だと自覚しています。

という訳で、ゴールデンウィーク後半も皆々さまのご来店をスタッフ一同心よりお待ちしています!

 

 

 

ところで。

「少し前にこのDiaryで書いた」といえば。

今日は4日振りに新作バンチブックをご紹介します。

少し前にもこのDiaryで書いた通り「ゴールデンウィーク中に必ず20回をクリアする!」というミッションを己に課しているので。。。

頑張らねばいけません!

19回目の今日はイタリアを代表する名門ミル、現在最も勢いのあるイタリアンミル、毎シーズン斬新な新クオリティをリリースしているイノヴェイティヴなミル:Vitale Barberis Canonico/ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(以下VBC)の新作です。

VBC単独のバンチブックは毎シーズン複数の仕入先から4冊~6冊が入荷するのですが、2025 Spring/Summerシーズンは内容の濃ゆ〜い4冊を手配しました。

*他に様々なミル/マーチャントの素材がコンパイルされているJacketing(ジャケッティング:ジャケット向けテキスタイル)バンチブックにもVBCの新作素材がコンパイルされています

その中でも今日ご紹介するAbito & Giacca/Supersonicと次回以降にご紹介予定のLe Stagioniは特にスーパー濃厚な仕上がりですのでご来店の際にぜひともじっくりご覧になってください。

もちろん、引き続きお電話/e-mail/SNS等でのご注文/お問い合わせも大歓迎で承っています。

気になる素材があってご来店が難しいようでしたらどうぞお気軽にご連絡ください。

より精度の高い画像や動画をお送りするなどご来店なしでもご注文いただけるように工夫をします。

では、早速ご紹介しましょう。

 

 

 

今日ご紹介するのは ↓こちらのバンチブック↓ です。

 

 

 

こちらのバンチブックは「2 in 1/W表紙(表裏ともに表紙)」になっています。

はい、コンセプトの異なるコレクション:Abito & GiaccaとSupersonicが一緒にコンパイルされていてご覧の通りそれぞれが表紙を持っています。

いずれも40マークを超えるヴォリュームなので2日間に分けてご紹介することも考えましたが、かなり気合が入っていることもあり今日一気にご紹介することにしました。

2日間に分けてミッション達成というのもちょっとアレですしね。

まずはAbito&Giaccaからご紹介しようと思います。

が、その前に。。。

今日ご紹介するVBCとは。。。

イタリア北部にある高級毛織物産業の中心地Biella/ビエッラに本拠を置く、1663年に創業した超老舗ミルです。

その歴史は実に360年強!?

1663年といえば。。。

関ヶ原の戦いからまだ63年しか経っていない時代で、江戸幕府の将軍は4代家綱でした。

イギリスでピューリタン革命が始まって21年、中国で清の中国支配が始まって19年、プロイセン王国はまだ成立すらしていませんし現在ウィーン旅行に受けて勉強しているMOZARTが生まれる100年近く前です!?

すごい歴史ですよね!

そんなVBCですが、現在は「厳選された原毛をオーストラリアより直輸入し、最新鋭の紡績機と織機を導入し、紡績・製織・仕上げまでを自社で一貫生産している」ことに由来するコストパフォーマンスの高さが世界中のアパレルブランドに重宝され、最も勢いがあるイタリアンミルとしての地位を長きに渡ってキープしています。

また、某トップミルのOEMを受けたり、某トップマーチャントの別注素材を多く手がけるなどテキスタイル業界内からの信頼が極めて厚いことも特筆すべきかもしれません。

これぞ「いかにVBCの素材が優れているか」「いかにVBCのコストパフォーマンスが高いか」を証明する1番の逸話ですから!

日本では一般的に「Canonico/カノニコ」と呼ばれていますが、正式名称は「Vitale Barberis Canonico/ヴィターレバルベリスカノニコ」です。

が、僕はGIEVES & HAWKES時代の名残でVBCと表記してしまいます。

その方が短くて簡単ですし笑。

ちなみに、僕がGIEVES & HAWKESに携わっていた25年以上前のVBCは「UKミル風の素材を作るイタリアンミル」といった印象でした。

あの頃は毎シーズン膨大なフルコレクションを拝見していましたがかなりクラシック寄りだった記憶があります。

しかし、現在は次々とユニークなクオリティをリリースするなど「進化する老舗」といった感じのミルに変貌を遂げています。

これって素晴らしいことですよね。

我々ももっともっと深く、そして早く進化をしなくては!

続いて、Abito & Giaccaの冒頭からご紹介を始めます。

今日も気合を入れて、できる限り丁寧に全マークをじっくりご紹介してから最後に「僕のBest 5」を披露します。

皆さんが「おっ!?」と心惹かれるナイスな素材がありますように!

 

 

3Ply Tropical

 

 

「局地的なヒットとなっている&僕もいつか作ってみたいと常々思っている新定番ボディ:4Ply Tropical(明日ご紹介予定のバンチブックにコンパイルされております)」よりも軽量で「長年に渡るベストセラーボディ:Super 120’s 2Ply Tropical」よりも「肉」のある2025 Spring/Summerシーズンの新作ボディ:3Ply Tropicalです。

ウエイトは4Ply Tropicalが410g/mでSuper 120’s 2Ply Tropicalが240g/mなので、以前から「この間はないの?」と仰るお得意様が少なからずいらっしゃいました。

という「声」が全世界から届いたからでしょうか、3Ply Tropicalは310g/mとちょうど(上記2ボディの)中間くらいのウエイトを持ちます。

品質は100% Wool、組織は文字通りトロピカル(平織)です。

その最大の特徴は3Ply(3本撚り)由来のしっかりとしたなんとも頼もしい素材感です。

そして、その素材感が生み出す豊かなハリコシも白眉です。

Spring/Summerシーズン向けバンチブックにコンパイルされているボディとしてはややヘヴィなウエイトもマニアックな方は思わず「ニヤリ」となるのでは?

その一方で「さすがVBC!」といった側面もあります。

パッと見がこれだけハードな印象にも関わらず、手触りはかなり滑らかなのです。

風の噂によると、リリースされるや「素晴らしい!」と業界内でちょっとした話題になったらしい(僕は業界内にそこまで知人・友人がいないので「ちょっとした」がどの程度の規模なのか正確には分かりません汗)のですが、それも納得のナイスボディだと思います。

Harrisonsの名素材Frontierにちょっと似ているのでトロピカルながら真冬を除いたオールシーズンお召しいただけると思います。

品のある色柄も◎ですよね!

これだけナイスな新ボディですから。。。

既に完売品番が発生しています汗。。。

が、例えば今日のDiaryを15日後にご覧になった場合は現時点以上に完売品番が増えているはずですから敢えて全マークをご紹介します。

 

 

RWS-RMS Wool And Mohair Tropical

 

 

昨秋僕がひと目惚れをしてダブルブレステッドスーツを作ったMohair Flannel

あの逸品は、巧みにMohairをブレンドした素材が数多ある「ウリ」のひとつであるVBCが2024-2025 Autumn/Winterシーズンからスタートした「Mohairブレンド素材のカプセルコレクション:The Mohair Affair!」の一環としてリリースされました。

The Mohair Affair!は2025 Spring/Summerシーズンも健在、その「代表選手」がこの新作ボディ:RWS-RMS Wool And Mohair Tropicalです。

まずはワード説明から。

RWS:Responsible wool standardとは「羊と土地の管理を徹底した農場で生産されたWool原料がその後の最終製品に至るまですべての製造工程において、正しく、間違いなく使われ、管理されているかのトレーサビリティを証明する国際的な認証基準」です。

RWSには「動物の人道的な扱い」「土地の健康」「健全なサプライチェーンの構築」など認証のための4本柱があり、すべての製造工程において審査を受け認証を取得することにより始めてRWS Woolと認定されます。

RMS:Responsible mohair standardとはRWSのMohairヴァージョンです。

はい、そうです!

RWS-RMS Wool And Mohair TropicalはRWS WoolとRMS Mohairのみを使って織り上げられたSuiting(スーティング:スーツ向けテキスタイル)です!

具体的な品質は50% Wool + 50% Mohair(290g/m)、組織はトロピカルです。

50%もMohairがブレンドされている素材って現代ではほとんど存在しないのでこの新作ボディの登場は嬉しい限りです。

しかも、かなりしっかりとした打ち込みなのもサイコーです。

僕は今春Mohairブレンド素材のスーツを2着作ったので見送りますが、もしも作っていなかったら間違いなく触手が伸びたでしょうね〜!

(もちろん全貌ではありませんが)この静止画像でも伝わるほどの光沢も贅沢至極だと思います。

もし、僕が今春ヴィンテージのTonikで作ったダブルブレステッドスーツを「すごくイイじゃん!」と思ってくださっている方がいらっしゃったら、(あの素材はもう存在しないので)上から2番目のGreyをオススメします。

かなり似たテイストで仕上がると思います。

上から3番目のBlueもキレイですよね〜!

個人的には大好きなボディなので、来シーズン以降展開が広がると嬉しいです。

 

 

Super 120’s 2Ply Tropical

 

 

ちらっと上述したVBCのベストセラーボディ:Super 120’s 2Ply Tropicalです。

本当ならこのボディだけで1冊作ってもいいのでは?と思えるほど完成度が高いマスターピースです。

その魅力は「細番手糸由来の滑らかで高級感のある肌触り」「2Plyならではの安定した品質」「モダンクラシックな色柄展開」等々数多あります。

2025 Spring/Summerシーズンはこちらの無地のみ9マーク展開です。

柄物の展開が途絶えたのはちょっと寂しい気もしますが、それは他にも存在するVBCのバンチブックに任せましょう!

全体的に洗練されたカラーが素敵ですが特にGreyの上品さは卓越していると思います。

品質は100% Super 120’s Wool(230g/m)です。

1番下はBlackです。

 

 

Graffiti Fabric

 

 

 

なぜGraffiti Fabricという名前がつけられているのかは不明です(リリースにも掲載されていませんでした)が、裏表を撮った下画像を見ると確かに少々アーティスティックな「顔」を持っていますね。

そして、裏面を表にした方が人気が出そうな気が。。。しないでもありません!

いずれにしても、すごくカッコいいデニムライクな素材だと思います。

上がGreyで下がBlue、品質は100% Wool(250g/m)、組織はツイル(綾織)です。

強めの打ち込みとややカジュアル感のある独特の「表情」が魅力の素材です。

スーツはもちろんボトムス単品を作ってもすごくよさそうです。

*下画像中央にある白い円は柄ではなくマチ針のヘッド/エンドです

 

 

Frise’ Jacketing

 

 

モダンレトロなサマーツイードです!

これは。。。

ループヤーンに由来する大胆不敵な凹凸。

クリエイティヴ極まりない自由奔放なカラーリング。

そして、ハードでドライな素材感とヘヴィなウエイト。

傑作だと思います!

品質は40% Wool + 35% Cotton + 15% Polyester + 10% Polyamide(390g/m)です。

こういった素材をサラッと入れてくるあたりはやっぱり。。。

さすがVBC!だと思います。

Jacketing表記ですがこのタフに違いない素材感ならスーツにも使えるはずです。

いや、この「顔」ならスーツを作った方が絶対にイイと思います。

そうしておけば、時としてジャケットを単品使いできる訳ですからね。

僕ならそうしますし、Spring/Summerシーズンはサマーツイードのスリーピーススーツ(Autumn/Winterシーズンはスコティッシュツイードのスリーピーススーツ)と決めていらっしゃる「ダンディの権化」のようなお得意様K様も1番下のGreyでスリーピースを作ってくださいました。

そのスリーピーススーツは既にお渡し済みなのですが超スーパーカッコよかったです!!

 

 

Wool Silk & Linen Jacketing

 

 

 

こちらは昨年リリースされた「Loro Pianaあたりを彷彿とさせる洗練されたモダンクラシックな色柄」がとってもダンディなWool Silk & Linen Jacketingです。

きっと大いに人気を博したのでしょう、昨年から色柄が一新されマーク数も1マーク増の全9マーク展開となりました!

素晴らしい!!

「上記の洗練された色柄」と「上質なSilkブレンドに由来する気品ある光沢」が魅力の逸品です。

ウエイトがそこそこあるツイル組織ボディなので秋まで着られるのも嬉しいところではないでしょうか?

上画像:柄物6マークです。どれも素晴らしくソフィスティケイトされた色柄ですよね!

下画像:無地3マークです。柄物に比べて少しヴィンテージテイストを薫らせるシャークスキンがとってもイイ感じです。

品質は82% Wool + 11% Silk + 7% Linen(290g/m)です。

 

 

Sport Jacketing

 

 

シック&エレガントな新作ボディ:Sport Jacketingです。

品質は100% Wool(240g/m)、組織はツイルです。

クラッシーな色柄がすごくイイですよね!

また、しっとりとしたソフトな肌触りも◎です!

ご来店の際にはぜひとも「自慢の肌触り」を実際に触ってお確かめいただきたいです。

ツイル組織、240g/m、そしてご覧の通りの色柄なので、どの素材で作ってもオールシーズンお召しいただけるナイスジャケットが仕上がると思います。

余談ながら。。。

ヨーロッパでは日本でいう一般的なジャケットのことをスポーツジャケットと呼ぶケースが多々あります。

このボディはそれゆえにSport Jacketingという名前がつけられています。

決してスポーツ用という意味ではないことを念のために書いておきますね。

 

 

Mesh Jacketing

 

 

VBCの大定番Hopsack JacketingことMesh Jacketingです。

ホップサックはその通気性の良さ、抗シワ性の高さ、そして独特のカジュアルテイスト溢れる表面感から、ヨーロッパではかなり昔から「Spring/Summerシーズン向けジャケットの王道素材」「トラヴェルジャケットの秘密兵器」として圧倒的な人気を誇っています。

ドレススタイルにもカジュアルスタイルにも相性抜群の「超有能なジャケット」をお探しの方にぜひともオススメしたい素材です。

その場合はNavy Blue(下から2番目)かBlack(1番下)が第一候補になると思いますが、2025 Spring/SummerシーズンのMesh Jacketingは全10マークというカラーヴァリエーションを誇ります。

ということは。。。

はい、ひと味違うSpring/Summer向け無地ジャケットをお探しの方にも大オススメです。

例えば、Mastard(1番上)、Pink(上から2番目)、Green(上から4番目)あたりは他のバンチブックではなかなか見つからないウルトラナイスカラーだと思います。

品質は100% Wool(280g)です。

Abito & Giaccaは以上です。

続いて、Supersonicをご紹介します!

Abito & Giaccaの反対側には「パッと見はモダンクラシックながらもさりげなく高機能!」という極めて現代的な特徴を持つ人気ライン:SupersonicとOfflimitsがコンパイルされています。

表紙にはSupersonicの表記しかありませんが、確かにOfflimitsの新作もコンパイルさています。

2024 Spring/Summerシーズンは全28マークと比較的スモールコレクションでしたが2025 Spring/Summerシーズンは全41マークと激増、Abito & Giacca(全48マーク)に迫るコレクションに成長しました。

これは高機能素材が支持される時流を如実に表す現象だと思います。

 

 

Supersonic 3-1: 21μ Natural Stretch Tropical

 

 

 

Supersonicは「スタイルと自由な動きを最大限に組み合わせる」というコンセプトのもと「100% Woolに特殊加工を施したりWoolと他の繊維をブレンドさせることでWoolが持つナチュラルなストレッチ性を最大限まで引き出した」比較的新しいラインです。

個性が異なるたくさんの素材がラインナップしているSupersonicですが共通点はひとつ!

それは「比類なきコンフォート」です。

というSupersonicを代表するSuitingがこの21μ Natural Stretch Tropicalです。

21μ Natural Stretch Tropicalは「ここ最近VBCがかなり力を入れている21μの原毛を使うことでやや太番手に紡がれた糸」で織り上げたSuitingです。

ベースとなるボディは「しっかりとした素材感、豊かな膨らみと弾力性、ヴィンテージ感のあるドライなタッチ」が魅力のトロピカルですが、こちらはSupersonicラインということでNatural Stretch加工(Polyurethaneに代表される伸縮繊維を使わずに天然繊維だけで実現した通常の素材より高いストレッチ機能)とWater Repellent加工(撥水加工)が施されています。

元々が比較的シワになりにくいボディですが、高いストレッチ製がテンションを分散してくれるので抗シワ性が更に向上、ご出張やご旅行のお供にも◎だと思います!

急な雨に襲われる可能性がある、そして会食が多くなるであろうご出張やご旅行には撥水加工も嬉しい機能ですよね。

情報によれば世界的にも人気が高いらしい21μ Natural Stretch Tropical!

2025 Spring/Summerシーズンは2024 Spring/Summerシーズンから2マーク増となるこちらの20マーク展開です。

ボディおよび機能の優秀さはもちろんのこと、柄物7マーク(上画像)・無地13マーク(下画像)ともに「ジャケットとボトムスをセパレートしての着用」が可能な色柄なのもナイスではないでしょうか。

複数マークで単品ボトムスを作るのも「アリ」かもしれません!

品質は100% Wool(250g/m)です。

 

 

Supersonic 3-2: Natural Stretch Wool And Mohair

 

 

こちらはVBCが得意とするMohairブレンドトロピカルにNatural Stretch加工とWater Repellent加工を施した人気ボディです。

リリースされたのは2024 Spring/Summerシーズンで情報によればかなり好評だったそうです。

品質は85% Wool + 15% Mohair(250g/m)です。

「Mohairに由来するたくさんの魅力:美しい光沢、優れた通気性、豊かな仕立て映えを約束してくれるハリコシ、心地よい涼感のあるシャリ感等」を堪能できる一方で、Mohairの「弱点」でもあるストレッチ製の乏しさと若干のシワ感を解消してくれる機能を持った素晴らしいアイディアが光るナイスボディだと思います。

そこそこ「肉」があるのでジャケットを作るのもアリだと思います。

 

 

Supersonic 3-3: Natural Stretch Mesh Blazer / Natural Stretch Pure Wool Seersucker

 

 

1番上の無地はナチュラルストレッチ加工と撥水加工を施したHopsackタイプのトラヴェルジャケット/ブレザー用Jacketingです。

Abito & GiaccaにコンパイルされているMesh Jacketingより目透き感が強めなので通気性は「超抜群」だと思います!

そして、先にご紹介した2ボディと同じNatural Stretch加工とWater Repellent加工が施されています。

ということは。。。

盛夏にも着用可能なジャケット/ブレザーを作る素材の最適解はこちらかもしれません!

軽快なジャケット/ブレザー、具体的には「シングルブレステッド3ボタン + 3パッチ/アウトポケット + アンンコンストラクテッド仕立て」で作りたいですね。

品質は100% Wool(290g/m)です。

下5マークは2023 Spring/Summerシーズンにリリースされて人気を博し、2024 Spring/SummerシーズンまではAbito & GiaccaにコンパイルされていたNatural Stretch Pure Wool Seersuckerです。

品質は100% Wool(270g/m)です。

ぱっと見は100% CottonのトラディショナルなSeersuckerっぽく見えるのがイイですよね!

一般的にCottonより反発力が高いWoolを使用したSeersuckerは凹凸が出にくいのですが、こちらはこの通り。

この辺りの技術力も「さすがはVBC!」といったところでしょうか。

そして、Natural Stretch機能が備わっているのも嬉しい限りです。

「移り変わり」が早いテキスタイル業界で2年連続でリピート展開されるのも納得です!

僕は上3マークならどれも激しく作ってみたいです!

1マークに絞るとすれば。。。

それは後述しましょう!

皆さんはどれがお好きですか

最後にSeersucketの度に書いている気がするのでくどいようですが。。。

Seersuckerとは「しじら(縞状のしぼ)」の入った織物のことです。

もう少し具体的に書くと「波状の凹凸のある部分」と「平らな部分」を交互に表現することで縦方向に縞状のしぼを走らせた織物のことです。

このしじらにより肌への接地面積が少なくなること、つまり「肌へのベトつきが少なくなり」「通気性に富み」「さらっとした肌触りに恵まれる」ことこそがSeersuckerの真髄です。

毎年さまざまな高機能素材がリリースされる昨今ですが、Linenとともに100年以上に渡って「メンズファッションにおけるSpring/Summerシーズン向け素材の代名詞的存在」として君臨し続けているSeersuckerこそが現代のSpring/Summerシーズンにおいても「本命」なのかもしれません。

加えて、Seersuckerは「しじらによってシワになりにくい/元からシワ(というかしぼ)があるので仮にシワになっても目立ちにくい」「見た目にも涼しげである」「色鮮やかなストライプやチェックも存在する」といった魅力も併せ持っています。

また、日本ではシンプルに「サッカー」と表現されることも少なくありません。

Seersuckerの主な品質は100% Cottonで、我々の業界ではWoolやSilkで作られたSeersuckerを便宜上「ウールサッカー」「シルクサッカー」などと呼ぶことが多いです。

 

 

Offilimits: Super 100’s Bistretch / Bistretch 21μ Tropical 

 

 

Offlimitsラインはこんなコンセプトから生まれました。

—–

現代に生きる人々は日常的にデジタルとリアルが混在する環境で暮らし、着こなしにおいてもその環境が要請する様々なオケージョンに適したウエアを身につける必要に迫られています。

Offlimitsは、VBCが現代に相応しいエレガンスを徹底追求して生み出した「クラシックとモダンが最良のバランスで共存するハイブリッドな最先端ライン」です。

—–

上4マークはそんなOfflimitsを代表する2Way Stretch(縦方向と横方向のストレッチ)ボディ:Super 100’s Bistretchです。

ぱっと見は高機能系素材には見えない「佇まい」もすごくイイ感じではないでしょうか?

品質は96% Wool + 4% Polyurethane(260g/m)、通常は1~3%程度しか混紡されないPolyurethaneが4%も混紡されているので上記の「佇まい」に反してスーパー伸びます!

しかも縦方向にもかなり伸びます!!

このギャップが素晴らしいですよね。

そして、間違いなくすごく快適だと思います。

下6マークは更に高いストレッチ性を誇る新作ボディ: Bistretch 21μ Tropical です。

品質は95% Wool + 5% Polyurethane(280g/m)、21μのウール原料をやや太番手に紡績した糸を使って織り上げたナイスボディです。

また、鮮やかなカラーも自慢です。

組織はいずれもトロピカルです。

全マーク紹介は以上です。

最後に、今日の「僕のBest 5」をご紹介します。

いつも書いていますけれど、あくまで「今日の」なので、そして惜しくも今日は選外になったどの素材も素晴らしいので明日には変わっているかもしれません、悪しからず笑。

 

 

今日の「僕のBest 5」 5-1

 

 

3Ply Tropicalからはこちらをセレクトしました。

このボディとこの色柄。。。

カッコいいですよね〜!

僕はこちらの2マークを巧みに組み合わせた1着を作りたいです。

具体的には今秋作った今春も作った最近のお気に入り:ミリタリーテイストあり&MODなダブルブレステッドスーツを作りたいです。

デザインは、ジャケットが「8.5cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×3つがけ + ロープドショルダー + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドチケットポケット(チェンジポケット)つき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスが「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」です。

メインパーツは左上のウインドウペーンを、カラー(上衿)やターンバックカフスやくるみボタンといったパーツは右下の無地を使いたいです。

ライニングは僕のフェイヴァリットカラーRedが効いたロックなプリント素材にしたいです。

また、無地でもボトムスを作って時々はセットアップで楽しみたいですね。

 

 

今日の「僕のBest 5」 5-2

 

 

Frise’ Jacketingからはこちらをセレクトしました。

上述の通り、こちらは本来Jacketingですが僕なら絶対にスーツで作りたいです!

具体的にはサマーツイードながら「敢えて」フォーマルテイストが強めのシングルブレステッドスリーピーススーツを作りたいです。

例えば、ジャケットを「ワイド巾のピークトラペル + シングルブレステッド1ボタン + ロープドショルダー + クラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差8.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ヴェストを「ラペルレス + ダブルブレステッド8ボタン」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ」でといったイメージです。

ボタンはBlueに染めたマザーオブパール(白蝶貝)ボタン、ライニングはネップに近いBlueが使われたロックなプリントライニングにしたいです。

クールでスタイリッシュでモダンレトロで個性が強い絶品スリーピーススーツに仕上がることでしょう!

 

 

今日の「僕のBest 5」 5-3

 

 

Wool Silk & Linen Jacketingからはこちらをセレクトしました。

魅力的なJacketingを発見すると何でもかんでもスーツで「料理」したくなる傾向がある僕ですが、さすがにこちらはジャケットがよさそうですね!

極めて優雅なボディかつ鮮やかにして高貴なカラーリングなのでクラッシーにキメたいです。

具体的には「8.0cm巾のセミノッチドラペル + シングルブレステッド3ボタン×ひとつがけ + ロープドショルダー + クラシックフロント + ウェルト(箱)仕様のチェストポケット + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケットサイドヴェンツ」あたりがイイでしょうか?

ボタンはRedの染めたマザーオブパールボタン、ライニングはRed系のロックなプリント素材にしたいです。

 

 

今日の「僕のBest 5」 5-4

 

 

21μ Natural Stretch Tropicalからはこちらをセレクトしました。

クラシカルなボールドストライプながら高機能というギャップに心惹かれました。

もちろん、この素材の最大の魅力である「しっかりとした素材感、豊かな膨らみと弾力性、ヴィンテージ感のあるドライなタッチ」も大好きです!

もしこちらで作るなら「個性派ジェントルマンスタイル」で「料理」したいです。

となると、このストライプですからやっぱりお得意の 「縦横斜め」な ↓こちら↓ がイイでしょうか!?

ジャケット:7.5cm巾のセミノッチドラペル + シングルブレステッド&段返りの3ボタン + ロープドショルダー + クラシックフロント + 前後差6.0cmのスランテッド/ハッキングポケット + ホリゾンタル裁断したアウトサイドチケットポケットつき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ

ヴェスト:ラペルレス + シングルブレステッド6ボタン + 上前(ウワマエ:前身頃の左手側)を正バイアス裁断 + 下前(シタマエ:前身頃の右手側)をホリゾンタル裁断 +(ウェルトポケット仕様の)ウエストポケットをヴァーティカル裁断

ボトムス:ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム

間違いなくスタイリッシュに仕上がると思います!

少し前にも書きましたが。。。

このデザインでは久しく、多分5年くらい作っていないのでそろそろ本当に作りたいです!

ボタンはmade in EnglandのNavy Blueに染め上げたリアルホーン(本水牛)ボタン、ライニングはまだ少しだけ在庫が残っている “♡ Camo” silk c/# RWBにしたいです。

ライニングがRed White and Blueのトリコロールなので、カラークロス(上衿裏のフェルト生地)やフラワーループ(衿穴)や一部ボタンホールをRedにしたいです!

 

 

今日の「僕のBest 5」 5-5

 

 

Natural Stretch Pure Wool Seersuckerからはこちらをセレクトしました。

Seersuckerとしては王道なBlue & White!

イイですよね〜。

クールなルックスと実際の涼しさを併せ持つこの素材です。

本来ならば軽快な仕立て&スポーティなデザインで「料理」するのが王道に違いありません!

僕ももしお客様がご注文をご検討なさっているなら場合にはまず王道路線をご提案すると思います。

が、しかし、天邪鬼野郎なので。。。

もし自分が作るならばクラシカルなダブルブレステッドスーツにしたいです!

具体的にはジャケットを「10.0cm巾のピークトラペル + ダブルブレステッド6ボタン×ふたつがけ + ロープドショルダー + 前後差6.0cmの急アングルハッキング/スランテッドウエストポケット + アウトサイドチケットポケットつき + ターンバックカフス仕様 + サイドヴェンツ」で、ボトムスを「ハイライズ + ベルトループレス + サイドアジャスターつき + 2インプリーツ + テイパードシルエット + ボタンフライ + 6.0cm巾のターンナップヘム」で作りたいです。

ボタンはマザーオブパールボタン、ライニングはジャカードハウンズトゥースのWhite無地にしたいです。

VゾーンはWhiteシャツ + Navy Blueのニットネクタイがベストチョイスかな?

足元はWhiteバックスしかないでしょう!

そうそうライニングはハーフライニングではなく毅然とフルライニングにしたいです!

いずれにしても、例え猛暑日の真夏でもバシッとタイドアップしてクールにキメたいです。

 

以上です。

 

次回は同じくVBCのLe Stagioniをご紹介予定です!

乞うご期待ください。

 

 

 

3rd. May. 2025

Ryoji Okada

 



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